vs??? 4
僕らは驚愕した。
魔王ミズカと魔王ギルドラだって!?
神話に出てくる魔王だぞ! 神々に滅ぼされたはずだ!
おもわず口について出た。
「人間の教えではそうなってるのね。別に滅ぼされてはいないわ。辺境に追いやられただけよ」
「ここが辺境というわけか……」
「死体はね、必要なのよ。神々を相手にするために」
神々を相手にするだって!?
「人としてそれを聞いてしまったら阻止しないといけないね」
三つ首ドラゴンが口を開く。
「では一戦やるしかないのう」
「ギルドラは竜族なのか?」
ギルドラは
「うん? わしは邪竜族だが」
そうなのか。よし。思った通りだ。
「お前の相手は僕だ」
「……。一対一とは舐められてるのかな。すぐに死んでくれるなよ。折角の何千年ぶりかの実戦なのだから」
三つ首ドラゴンは目を細める。
僕はリンクでみんなに伝える。
『こいつは一対一でやる。そっちは任せた!』
『気を付けてください!』
『わかった!』
『にゃ!』
「私はではそちらの方々と遊びましょうか」
ミズカは節くれだった杖を構えた。
「こちらもはじめるぞ」
ギルドラの口から炎の舌がちろちろと燃えている。
ブレスを吐く気か。
力を温存して勝てる相手でもなさそうだ。
しょっぱなからやるしかない。
僕は唱える。
――――竜魔法・変化“レッドドラゴン!”
僕は巨大なドラゴンへと変化する。
間髪入れず“火属性耐性”を発動し、翼を広げる。
両手で左右の頭の喉元を掴み、中心の竜の喉元に食らいつく!
僕は言う。
「油断したな」
ギルドラは、
「そうでもない」
体をブルっと震わせ僕の拘束を解く。
吹き飛ばされた僕に、三つ首から炎を吐き出す。
よし。“火属性耐性”でほとんどダメージを食らわない!
そのまま頭を下げてギルドラに体当たりをかます!
ギルドラはびくともしない! なんて力だ!
「実力差がこんなにあるのによく喧嘩を売ったな」
「勝機があるんでね」
「ほう。なにか策があるのかね」
ギルドラは上から僕を押しつぶす。
「これでも勝機があるのかね?」
「ああ、あるね」
僕は空に向かって声を出す。
「だよな、ラフェ!!」
その瞬間、空から急降下したレッドドラゴンがギルドラを吹き飛ばした!
「まったく。無茶をする」
ラフェが僕の前に着地する。
ギルドラは起き上がると、
「なるほど。もう一匹レッドドラゴンが居たのか。それが勝機か」
僕は“リンク”にラフェを追加して聞く。
『二対一で勝てるか?』
ラフェは答える。
『微妙なところね。こいつは強い』
『わかった。もう一つの奥の手を使う』
「いや違うね。今見せてやる」
僕は立ち上がり、その呪文を唱える。
――――竜魔法・変化“邪竜ギルドラ!!”
僕は三つ首のドラゴンへと姿を変えた。




