vs???
本日二回目の更新です。
そいつは薄緑色の体に、額から緑の触手が二本。
ゾルマの青い体液を全身に浴びている。
体のつくりは人種と同じ、いや、体のあちこちに硬そうな殻みたいなものが張り付いている。
身長は三メートルを越えるぐらいか。
子供じゃない。大人の体つきだ。
背中に濡れた羽だろうか、羽化したてのセミのような、まだ準備が出来ていない羽が付いている。
よろよろとゾルマの背中から立ち上がったそれは、バランスを崩してそのまま地面に落ちる。
地面に背中から激突し、そいつはそのまま大きな声をあげた。
「ぴぎゅぃああぁああぁああ!!!」
僕と姉さまは地面に降りる。
「あいつは一体何だ」
「赤ちゃんみたいだ。普通の魔物じゃないよね」
そいつは一瞬で静かになってこっちに顔を向けた。
声に反応したのか?
そのまま、目を開けた。
「「!」」
僕と姉さまは一瞬固まった。
そいつの目には何もなかった。
いや、中心に赤い点が見える。しかしその白目があるはずの場所には暗い闇があった。
人でも魔族でもない。魔物でもない。
しいていうならやはり魔王、なのか。
いきなりそいつは四つ足でこちらに向かって突進してきた。
速い!
なんて速さだ。しまった。闘気剣を消してしまっている。いまから出しても間に合わない。
僕は虹色のトンカチと、古竜の牙を構える。
アンフィも同じように聖剣と神剣を構える。
しかしその速度は僕の予想を超えた。
半分ぐらいの距離から急加速して襲い掛かってきた。
僕は衝撃に備え、腰を低く落とす。
ぶつかる!と思った瞬間に、僕の目の前を、銀色の風が流れた。
衝撃は来ない。
何者かが横から回し蹴りを食らわせて吹き飛ばした。
「危なかったにゃ!」
「ミオ!!」
「油断しちゃダメにゃ。今の一瞬でミオもやられたにゃ」
鎧の無い肩から血が出ている。
僕は慌てて“癒し”を使い回復させる。
吹っ飛んだそいつは、何かをくちゃくちゃと食べてる。
ミオの肩の一部か!
そしてこっちを見て、にたぁと笑った。
こいつには僕たちはエサにでも見えてるのか!?
「目をそらしちゃダメ! あれに比べたらゾルマなんてそれこそ赤ちゃんに見えるわ……」
姉さまも額の汗を手の甲で拭いながら言った。
そこにティーリンが、リヨンが、マリーナが、ミモザが、紅の牙のメンバーが到着した。
僕は久々に“鑑定”を使ってみる。
……だめだ、すべての項が???になっている。
僕はアンリに“リンク”で話しかける。
『アンリ、いるか?』
『はい。今から向かいます』
『あいつが何か見てくれ』
走ってる音がする。
『あれはっ!!』
アンリが息をのむのを感じた。
僕が続きを促す。
『何かわかった?』
『しいて言うなら“大魔王”です! 撤退も考えてくださいっ!!』




