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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第六章
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それぞれの戦い3


 ミオが声をあげる。


「リヨン! 君にゃらそいつと一対一で勝てるにゃ! まかせたにゃ!」


 リヨンが真剣な表情で頷く。


「まかされました!」


 リヨンが武闘家レンに特攻する。


 矢継ぎ早に突きを放つも、すべて交わされてしまう。


 逆にレンの攻撃は何発かリヨンに届くも、オーガの頑強な肉体にはダメージが通らない。爪を食らって血が出てもすぐに止まってしまう。自動体力回復を持っているのだ。


 



 ミオは焦っていた。あの男はやばい。


 ああは言ったが、リヨンには少しまだ荷が重いだろう。 


 急いでこのドラゴンを倒してリヨンの援護に行きたい。


 ミオの気が乱れた。


 ティーリンが叫ぶ!


「ミオ!」


 その声にはっと気づき、尻尾の攻撃がもう避けられないことを悟り、咄嗟に闘気で体を固くして防御する。


 が、そのままブラックドラゴンの尻尾による薙ぎ払いを食らって吹き飛び、壁に激突する。


 ミオは血を吐いて倒れてしまった。


 ミモザがすぐに駆け寄り、治癒を使う。


 ブラックドラゴンがとどめを刺そうとミオに近づくのを、


「させない!」


 とティーリンが飛び上がり、目を狙ってレイピアを突き入れ、気をそらす。


 ティーリンはブラックドラゴン自体を足場としながら、風魔法を使い自由自在にジャンプしてブラックドラゴンを翻弄する。


「ありがとにゃ」


 ミオはひとこと礼を言うと、ブラックドラゴンを睨みつける。 


 まずはこいつだ。


 集中しないで勝てる相手じゃない。


 ミオは改めて気合を入れるとブラックドラゴンに向かっていった。


 ブラックドラゴンは後ろ足で立ち上がり、頭の上を飛び回るティーリンを何とか叩き落そうと躍起になっている。


 ミオは左足に狙いを定める。


 

 ティーリンに気を取られている今ならいける。


 


“捨て身ひっかき”(マシンガンスラッシュ)!!




 両手のみに気を巡らせ、左足に集中してオリハルコンの爪で何度も何度も切り裂く!


 ブラックドラゴンが気付いた時にはもう遅い。


 一瞬でミオはブラックドラゴンの左足を脛の位置から斬り飛ばした!


 ブラックドラゴンは、大きな音を轟かせ、胸から地面に倒れる。


 ティーリンが背中に落ち、心臓があると思われる位置にレイピアを根元まで突き入れ、そのまま眉間まで切り裂く。


 ブラックドラゴンは血を吐き、



「俺がここまでかよ……ありえねぇ、どんな強さだよ……まるで歯がたちゃしねぇなんてよ」



 それだけ言うと目が急激に光を失って、力尽きた。



 そのまま二人は、ティーリンはマンティコア、ミオはフェンリルに向かう。


 ティーリンがマンティコアの尻尾を斬り飛ばし、ミオはフェンリルに爪を振るう。


 マリーナとマナのエターナルフレアとバーニングエクスプロ―ジョンがマンティコアに止めを刺す。


 一匹残ったフェンリルにミオが声をかける。


「降伏するにゃら、今にゃよ。契約者は死んでるから、ここで死んだら無駄死ににゃよ」


 フェンリルは人の言葉で答えた。


「……わかった。降伏する」


 ミオがぶつぶつと何か唱え、フェンリルが頷くと、フェンリルは魔法陣を出し、自分で帰っていった。



 残る敵は一人、武闘家レンだけになった。



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