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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第六章
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それぞれの戦い ミオの決着


 ミオは極限まで集中する。

 

 技の発生と、技の終わり。意識して素早くしていく。


 それを続ける。


 一応総ミスリル製の鎧だ。何発か食らっても大丈夫なのだが、それでは意味がない。


 この男を凌駕したい。この男は私たちの仲間にとって危険だ。


 ミオの“群れ”を傷つけるものは誰であろうと許さない。

 

 “捨て身”では隙が大きすぎる。


  かといって“捨て身”以外の攻撃はすべてはじかれていってしまう。


 “捨て身”並みのパワーがあって、相手の反応速度以上の攻撃が必要だ。


 “彗星”を乗せた“彗星斬り”を出してはみたが、技を出し終わった後に隙があり、初見じゃなければ避けられてカウンターを食らっていた。



 技が欲しい。


 

 初めてミオはそう思った。


 ご主人様にこの世界で初めて会うまで、ミオは勝手気ままに暮らしていた。


 今は違う。


 大事なものが増えていった。もう負けることは許されない。


 男は洗練された動きを使ってミオを翻弄する。


 きっと人族に伝わる、武術というものを使っているだろう。


 それに比べ、ミオはすべてその場その場で反射的に避け、攻撃するだけだ。


 目が男の攻撃になれてくると、すこし余裕も出てきた。


 こう攻撃すると、こうカウンターが来る。


 なら次はその攻撃をフェイントに、別の攻撃をする。


 すると相手の動きもそれに対応し、技を変化させる。


 ミオの動きはすべて抑え込まれてしまっている。


 が、男の攻撃もミオはすべて避けている。


 突きだ。


 素早い突きが必要なんだ。


 相手の攻撃をさばきながらミオは思った。


 相手の肘打ちがミオの腹部に入る。咄嗟に呻きそうなのを根性で耐え、それ以上隙を見せない。


 力が!


 技が!


 突きが!


 欲しい!


 この男を凌駕できる力を!

 

 その瞬間だ!


 ミオの頭にある言葉が生まれた!

 

 この場を打開する技だ!


 ミオは本能の赴くままにその言葉を叫び特攻する!



 “幻影突き”(ミラージュフィスト)!!!!



 すべての闘気が両手に収束し、闘気で残像を作りながら両手で突きのラッシュを放つ!


 その攻撃は一拳出すと、闘気の質量を持った突きが二重三重にブレて本物の一撃を覆い隠す!

 

 オリハルコンの爪が男のローブを吹き飛ばし、黒い鎧姿をあらわにする。


 が、ミオは攻撃をやめない!


 男の両手を跳ね上げ、ミオの突きの連打が鎧さえも粉々にしていく!


 男がごふっ、と青い血を吹き出す。




 ミオは最後に回し蹴りを入れ、男を吹き飛ばした。




「うぉおおおおぉおおおおおおおおお!!」



 ミオは勝利の雄叫びを上げた。




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