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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第六章
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勇者復活


「姉さまっ!」


 勇者アンフィは、


「故郷のオルターを……えっ!?」


 言葉の途中で目を見開く。


 僕は姉さまに抱きつく。


「良かった……。姉さまっ」


 涙が僕の目からあふれ出る。


「えっオルター? あれっ……?」


 よし、もう怖いものはない。勇者アンフィは復活した。僕は一瞬で気を引き締める。


 魔王をねめつけ、“リンク”でみんなに伝える。


『みんなありがとう! 勇者は復活した! あとは魔王を倒すだけだ!』

 

「「アンフィ!」」

 

 アンリとマナがアンフィに駆け寄る。それから遅れてティーリン、マリーナも。


 アンフィはすべてを理解したのか、


「アンリ、マナ! 心配かけたみたいでごめんね。ティーリン、マリーナまで!?」


 アンリとマナも涙目だ。


 アンフィも気を引き締めたのか、魔王を睨みつけ、


「オルター! 状況は!?」


「あとは魔王を倒すだけだよ!」


「わかったわ!」


 勇者アンフィは集中し光魔法を唱える。


        

――――神級光魔法“武装天使鎧”(アームドエンジェル)


 

 アンフィの全身から真っ白にオーラが吹き出て天へ轟く!


 立ち昇った光の魔力はすべて体に収束し、鎧と剣を包み込み、光の鎧と光の剣、最後にふわりと光の翼が生まれる。


 これが光魔法か!


 僕は光魔法を()()した。魔王を見ると、 


 ミオが回し蹴りを、リヨンが拳から衝撃波を放ち、魔王ゾルマを吹き飛ばした。ゾルマは壁にぶつかって、やっと止まる。


「ふん、光の鎧に光の剣だと。それが通用しなかったのは自分が良く知っているだろうに」


 ゾルマが地獄の底から声をかけているかのような、しわがれ声で言った。それに答えるのはアンフィじゃない、僕だ。


「魔王ゾルマよ。もう一度言おう。絶望を知るがいい!」


 僕は“模倣”した光魔法を唱える!


        

――――神級光魔法“武装天使鎧”(アームドエンジェル)



 ゾルマは今度こそ驚愕する。


「ば、馬鹿な! 光魔法を使うものが世界に二人だと! は、はったりだ!」


 僕の魔力は光の魔力へと変換され、一気に天に轟き登り、僕を包み込み、鎧は光の鎧へ、闘気剣はさらに強化され、光の闘気剣に変わり、最後に翼がふわりと生まれる。


「はったりかどうかは自身の体で思い知るがいいさ!」


「光魔法を……。そういえばあなたは何をやらせても規格外だったわね」


 アンフィは余裕を取り戻したのか、楽しそうに口にした。


 僕とアンフィは飛び上がると、翼をはためかせ、ふわりとミオとリヨンの前に立つ。


 ミオは捨て身技を使った影響か、膝をついて荒い息をしている。


 光魔法による装甲強化。これはすごい。この魔法は近くの味方へも影響があるようだ。


 轟っと、ミオとリヨンの体から闘気が噴き出し天へと貫く。


「力がみなぎってくるにゃ」


 ミオは立ち上がり、


「私もです!」


 リヨンはガツンガツンと両手のガントレットを胸の前で打ち鳴らす。



 僕は言い放つ。



「さあ、魔王と勇者の戦い。第二ラウンドと行こうか!」

面白かったら一言でもいいので感想を頂けたら励みになります。

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