決戦前夜
明日は2回更新します。
明日から魔王戦、の予定です。
盛り上げていきます!
朝、みんなで朝のパンを食べながら、僕は気になってたことをアンリに聞いてみた。
「魔王戦の時に使った勇者の技はどこで手に入れたのです?」
アンリは答える。
「シーサ王国の王宮には、勇者のための部屋があるのです。普段は封印されてます。勇者の光魔法だけが封印を解くことが出来ます。勇者の剣と盾もそこにあった物です。もちろん技も」
「そっか。残念」
あわよくば、と思ったけど、だめらしい。
「食事終わったらまた午後まで修業しましょうか」
僕は紅の牙の方を向き言った。
「わ、分かりました。お願いします」
「僕もこの前手に入れた重力魔法の練習もしたいから」
…………
………
……
そして四日があっという間に過ぎていった。
***
決戦前夜。
今日は特訓は無しだ。みんな思い思いに過ごしている。
僕とティーリンは朝から突入メンバーの武具を叩きなおしていた。
魔力を込めてないもの限定だが。
僕が魔力を込めて叩きなおし、ティーリンが能力を付与していく。
これでかなりの防御力アップになっただろう。
晩御飯のあと、今日は明日決戦だということで、全員で温泉に入ることにした。
紅の牙のメンバーも混浴になれてるのか、恥ずかしがってるような人はいなかった。
僕が温泉につかると、ミモザが右隣に来た。
もちろん当たってる。
反対側はミオだ。
「そういえばミオはお風呂好きだったよね? 今はあんまり入らないの?」
と聞くと、
「入ってるにゃん。朝一で入るにゃんよ」
そうだったのか。知らなかった。
うーんでもこんな裸の女性がいっぱいいると、反応しそうになってしまう。
隣で当ててくる人もいるしね!
なんか僕は温泉ばっか入ってる気がする。
まあ、日本人なら毎日入りたいよね! 温泉。
結局毎日、温泉はミモザと入ってる。
「私の国の温泉も一緒に入るというの、約束ですよ?」
僕は頷いた。
「うん。わかった。一緒に入ろう」
ミオは僕みたいに口までお風呂に入ってぶくぶくしてる。
僕はカレンの裸を眺めていた。体中に傷の痕がいっぱいついている。
歴戦の戦士、と言う感じだ。脂肪がないのではと思われる、筋肉の塊だ。
シズカはきれいな体だ。小ぶりのおっぱいがバランスよく合っている。
と、ここで見てる事に気がついたのか、右耳をミモザ、左耳をミオに引っ張られた。
「何見てるにゃ」
「何見てるんです」
僕はぶくぶくとお湯に沈みごまかした。
ちょっと見たぐらいいいじゃないのねー。
***
部屋に帰る。
ひさしぶりに今日はミオと二人だ。
何も話さなくても、ミオとは繋がってる、という意識がある。
それはこの世界の人間では決して分かり合えない、異世界からお互いやって来たという、仲間意識のようなものだろうか。
僕はミオが好きだ。
ミオも僕の事を好きと言ってくれる。
それでいい。それでもう何もいらない。
今日は僕の方からキスをする。
いつもと逆だ。
「にゃ」
僕は思いっきりミオを抱きしめた。
こうして決戦前夜は静かに過ぎていった。




