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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第五章
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決戦前夜

明日は2回更新します。

明日から魔王戦、の予定です。

盛り上げていきます!

 朝、みんなで朝のパンを食べながら、僕は気になってたことをアンリに聞いてみた。


「魔王戦の時に使った勇者の技はどこで手に入れたのです?」


 アンリは答える。


「シーサ王国の王宮には、勇者のための部屋があるのです。普段は封印されてます。勇者の光魔法だけが封印を解くことが出来ます。勇者の剣と盾もそこにあった物です。もちろん技も」


「そっか。残念」


 あわよくば、と思ったけど、だめらしい。 

 

「食事終わったらまた午後まで修業しましょうか」


 僕は紅の牙の方を向き言った。


「わ、分かりました。お願いします」


「僕もこの前手に入れた重力魔法の練習もしたいから」



 ………… 


 ………


 …… 




 そして四日があっという間に過ぎていった。

  




   ***





 決戦前夜。




 今日は特訓は無しだ。みんな思い思いに過ごしている。


 僕とティーリンは朝から突入メンバーの武具を叩きなおしていた。


 魔力を込めてないもの限定だが。


 僕が魔力を込めて叩きなおし、ティーリンが能力を付与していく。


 これでかなりの防御力アップになっただろう。


 晩御飯のあと、今日は明日決戦だということで、全員で温泉に入ることにした。


 紅の牙のメンバーも混浴になれてるのか、恥ずかしがってるような人はいなかった。


 僕が温泉につかると、ミモザが右隣に来た。


 もちろん当たってる。


 反対側はミオだ。


「そういえばミオはお風呂好きだったよね? 今はあんまり入らないの?」


 と聞くと、


「入ってるにゃん。朝一で入るにゃんよ」


 そうだったのか。知らなかった。


 うーんでもこんな裸の女性がいっぱいいると、反応しそうになってしまう。

 隣で当ててくる人もいるしね!

 

 なんか僕は温泉ばっか入ってる気がする。


 まあ、日本人なら毎日入りたいよね! 温泉。

 

 結局毎日、温泉はミモザと入ってる。


「私の国の温泉も一緒に入るというの、約束ですよ?」


 僕は頷いた。


「うん。わかった。一緒に入ろう」


 ミオは僕みたいに口までお風呂に入ってぶくぶくしてる。  

 

 僕はカレンの裸を眺めていた。体中に傷の痕がいっぱいついている。


 歴戦の戦士、と言う感じだ。脂肪がないのではと思われる、筋肉の塊だ。


 シズカはきれいな体だ。小ぶりのおっぱいがバランスよく合っている。


 と、ここで見てる事に気がついたのか、右耳をミモザ、左耳をミオに引っ張られた。


「何見てるにゃ」

「何見てるんです」


 僕はぶくぶくとお湯に沈みごまかした。


 ちょっと見たぐらいいいじゃないのねー。


 


 ***



 

 部屋に帰る。

 ひさしぶりに今日はミオと二人だ。

 何も話さなくても、ミオとは繋がってる、という意識がある。

 

 それはこの世界の人間では決して分かり合えない、異世界からお互いやって来たという、仲間意識のようなものだろうか。


 僕はミオが好きだ。


 ミオも僕の事を好きと言ってくれる。


 それでいい。それでもう何もいらない。

 

 今日は僕の方からキスをする。


 いつもと逆だ。


「にゃ」


 僕は思いっきりミオを抱きしめた。

 



 こうして決戦前夜は静かに過ぎていった。




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