決戦カンザン
7/19日、全体的に書き直しました。
ユニコーンに乗ったまま、
「あっ」
ティーリンが声を上げた。
「どうしたの?」
ティノをリアンの横に並ばせる。
「精霊帝が消された」
「というと?」
「倒されたかもしくは、強力な解呪魔法で強制的に返されたかね…。思ったより早い。どちらにせよ厄介だわ」
そこに豪華な装飾を着せられた軍馬が駆け寄って、その上に乗ったフルプレートメイルを着た男が話しかけてきた。
「馬上から失礼いたす。マリーナ様の弟子というのは貴方達か」
無遠慮にじろじろと見てくる。
ティーリンが答える。
「正確には弟子はオルターね。私は単なる付き添いよ」
「マリーナの弟子のオルターです。それで貴方は?」
恰好からして軍の偉い人っぽい。
「私はイーサン。将軍だ。この霧の魔術はその方が?」
ユニコーンから降りようとしたのを、そのままで、と止める。
「将軍様でしたか。はい。超級魔法の“眠りの霧”です。霧が晴れても寝たものは朝までは起きないでしょう」
「それは助かる!」
イーサンは満面の笑みだ。
「前衛の敵は妻子や子供、両親などを人質に取られている一般人なのだ。そなたの意見を聞かせてくれ」
「そうですね、先ほどティーリンの魔法が魔族に破られましたから、私達と同クラスの存在がいるでしょうね。悪名高い魔華四天王の一人かが」
将軍イーサンは難しい顔をして答える。
「そうなのだ。敵の将は魔華四天王の一人、“鉄壁の巨人セス”だ。特殊な能力はないのだが、力任せにすべてを薙ぎ払う。耐魔術の鎧を着こみ、魔法も効かない。厄介な相手だ」
「私の魔法を消したのはそいつね」
ティーリンが忌々しそうに言った。
「将軍、では僕らが行って、セスを倒して来ましょう」
ティーリンは一瞬僕に手を伸ばしかけたが、何か納得したのか覚悟を決めたようだ。
将軍は正気か、と目を見張ったが、マリーナの弟子だと思い出したようだ。
「よ、よし、ではセスはそなたに任せるとしよう」
「ありがとうございます」
僕の敵は魔王だ。
今更四天王などに負けていたら話にならない。
***
僕らは走る。
「今回のこれは貸しだからね」
ティーリンがリアンの背から言った。
あれから僕は僕とティーリンに超級魔法“透明化”を掛けた。
この魔法は実際に透明になるわけではなく、認識から外れる、という呪文だ。
少し触れたぐらいでは、道端に落ちてる石にでも躓いたと思うだろう。
並みの魔術師なら二人に魔法を掛けるだけで魔力枯渇で倒れこむような魔力量だが、ドワーフの秘術にて鍛えられた僕の魔力にはまだまだ余裕がある。
意識されないことをいいことに、僕らは走る。
敵の本陣に近づいていく。
敵は魔華四天王の一人セス。相手にとって不足はない。
全体的に書き直しました。




