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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第五章
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決戦カザリア3

 ミオ達の方を見ると、ミオとティーリン二人がかりで黒いローブの男を相手していた。


 黒いローブは引き裂かれ、顔が露出している。青い顔、少しとがった耳。


 相手は魔族か! 武器はミオと同じオリハルコンの爪だ。


 派手に打ち合っている。 


 こっちもリッチとリザードマンの魔法使いを片付けたら、助太刀に入ろう。


 僕はリッチに攻撃しようとし、見えない壁に弾かれた。 


 この結界魔法は物理障壁も兼ねてるやつか!


 いや違う!


 リザードマンが魔法に対する障壁、リッチが対物理障壁の魔法を唱えているんだ!


 くそっこれは隙がない。


 いや、ローブの男にまで届いていないから、先にそっちをやればいいのか!?


 リッチたちは動けないわけだし。


 いやまてよ。


 これが結界系の呪文ならば……。


 僕は右手にはめた指輪に魔力を送りつつ、集中する。


 ぱりん、と澄んだ音ともに二つの魔法の障壁が同時に破壊される。


 リザードマンとリッチは驚愕の顔だ。


 いやこれには僕も驚いたよ。集中した瞬間だったから。


 さすがはウリシュナのマジックアイテム。


 と、ライトニングの呪文がリザードマンとリッチに襲い掛かる。

 ティノとリアンだ!

          

 僕もリッチに向かって“彗星斬り”(コメットスラッシュ)を放つ!


 飛ぶ斬撃がリッチに襲い掛かる。


 リッチがリザードマンの方に倒れこむ。


 よし、止めだ!


 僕は走り込みながら、技を放つ!



“流星剣(メテオソード)”!!!!


   

 リッチは何もできず、切り刻まれる。

 ボロボロになり、その場に倒れこんだ。


 そこから二歩踏み込み、リザードマンにも流星剣を入れる。


 リザードマンも何もできず、流星剣を食らう。

  

 そして口からゴフっと血を吐き、倒れ伏した。


 よし、倒した! ミオ達の援護だ!


 見ると、ミオとティーリン二人がかりで互角に戦っている。


 こいつは地味に今まで戦った中で最強なんじゃないのか!? 


 四天王すらミオは一人で降したのに!


 ミオもティーリンも真剣な表情だ。


 そこまでのやつなのかっ。


 僕は牙から削り出した短剣を袋から出し、闘気を込めて投げる!


 なんと男はこちらを見もせずに飛来した短剣を右手で掴み取った!


 僕は驚愕する。どんな達人だよ!


 そのまま投げ返される。


 危ない! 何とかトンカチで叩き落とす。


 くそっ接近戦で助太刀に入るしかないのか!


 これだけ乱戦だと、魔法も使いにくい。

 

 僕は両手に闘気剣を構え、男の後ろから攻撃する。

 

 攻撃こそ最大の防御!


 いくぞっ!



“流星剣(メテオソード)



 男は振り返りもせずに避け、右手の爪で攻撃をはねのける。


 ミオとティーリンもここぞとばかり攻撃するが、全部弾かれる。


 なんという動きだ! こんな男が魔王の手下に居るとは!


 「ぅぅぅぅううううぁぁあああああああ!」


 ミオが吠えた! 雄叫びか!

 

 いや、わかる。 これは僕への合図だ!


 ミオが攻撃をする度に素早さを上げていく。


 防御を捨て、速度と攻撃力にすべての力を込めていく。


 僕の流星剣を彷彿とさせる技の連撃だ! 

 男がミオの隙に打撃を入れようとするが、それを僕が防ぐ!


 防御は僕がいる限りミオには指一本触れさせるもんか。

 ミオもそれがわかっていて捨て身になっているんだ!


 ミオの攻撃が男に当たっていく!


 ミオが叫んだ!


 “捨て身ひっかき”(マシンガンスラッシュ)!!


 まさかこのタイミングでパワーワードか!?


 防御を捨てての攻撃なのだが、あまりの力と速さに、男でさえも劣勢になって攻撃が当たりだしている。


 ミオの速度が上がる!


 上がる!


 上がっていく!


 青い闘気が分身のようにブレて残像を残しだす。


 ついにミオの爪が男に届き、男をズタボロにしていく!


 反撃させる隙さえない。


 滅多打ちだ。


 爪で縦横無尽に切り裂いていく。


 ミオが最後に渾身の一撃を胸に入れ、男を吹き飛ばした。


 男はマストの根元にぶち当たると、盛大に青い血を吐いた。


 ミオも膝をつき、荒い息をしている。


 終わった……のか?


 男は深手だ。


 これ以上は動けないだろう。


 と、身長大の青白い魔力の塊が倒れた男の横に生まれた。

 僕らが驚いていると、


「はいはいごくろーさん」


 そこから半身出て来たのは先ほど去っていった男だ。


「まさかここまでやられるとは思わなかったよ」


 僕らは身構える。


 が、男はひらひらと手を振り言った。


「いやいや、こっちはやる気ないから。でもこいつは回収させてもらうよ。またな」



 いうや否や、倒れた男を引っ張り、一瞬でゲートに消えていった。 




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