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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第五章
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魔王城へ

短いですが、プロローグ的なものです。

遅くなりましてすみません。


 僕らは食事の後、ティノにユニコーンの仲間への心話で、マリーナのユニコーン、リアンにマリーナを召喚してもいいか聞いてくれと頼んでみた。


「リアンが呼んでもいいって」


「うんティノありがと。じゃ召喚する」


 僕は集中する。


「我オルターは召喚する。世の理と竜の盟約に従い、人種マリーナよ私の前に出でよ」


 僕の目の前の魔法陣から人影が出てくる。

 

「やあ、久しぶりだねオルター。ずいぶん活躍してるみたいじゃないか」

 

 白いローブ、節くれだった杖。紫の鮮やかな髪。間違いなく賢者マリーナだ。


「おや、これみんなお仲間さん? ずいぶん増えたねぇ。と、見知った顔が何人かいるね」


 マリーナの視線がミモザで止まった。


「お久しぶりですマリーナ様」


 ミモザが居たことにさすがのマリーナも驚いている。


「皇女様まで引っ張り出してくるとはね」


「今は聖女ミモザです」 


「ほうほう。それはなかなか面白いことになってるねぇ」


 ミオと僕、ミモザと僕、と視線を移動させる。


「それはともかく。私を呼んだということは、もう攻め込む準備が出来たと思ってもいいのかな?」


「はい」


 僕は頷く。


「よしよし。では話を聞こう」


 僕は先ほど考えていた。三つの案をマリーナに語る。マリーナはふんふんと頷きながら聞いてる。


「それにしても竜魔法までマスターしてしまっているとはねぇ」


 マリーナはあきれている。


「ま、それはともかく。私は小舟の案に一票入れたいね。帆船を出したら恰好のエサだね。まあそれで小舟で行けるならそれでいいし、何かあるようなら、オルターがドラゴンになっても遅くないと思うよ」


 そこでマリーナは懐から小さな青い瓶を出しオルターに渡す。


「これを飲んでおきなさい」


「これは?」


「エリクサー。あまり用意できなかったけど、オルター、君、大分無茶したね。魔力が半分以上減ってるよ」


 僕はそれを一息に飲み干す。体に活力が戻り、久しぶりに魔力が戻ってきたと実感する。


 マリーナからもう一つ渡された。これは大事に持っていなさいとのことだ。


 それから、これまでの事、ミオと出会ったこと、リヨンに出会ったこと、マナの呪いを解いたこと、神級の魔法の入手方法をマリーナに教えたりして、この日は有意義に時間を過ごすことが出来た。





 魔王の城への出発は十日後に決まった。





 それまでにスキルを自在に使えるように鍛錬を怠らないこと、とマリーナに注意された。


 マナに言わせると、すでに僕の強さは姉さまを越えているとのことだ。だけど慢心はしない。


 姉さまを助けるチャンスはおそらく一回しかない。


 とうとう乗り込む所まで来たんだ。

   

 絶対に成功させる。


 絶対に助け出す。


 僕は静かに闘志を燃やした。 



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