魔王城へ
短いですが、プロローグ的なものです。
遅くなりましてすみません。
僕らは食事の後、ティノにユニコーンの仲間への心話で、マリーナのユニコーン、リアンにマリーナを召喚してもいいか聞いてくれと頼んでみた。
「リアンが呼んでもいいって」
「うんティノありがと。じゃ召喚する」
僕は集中する。
「我オルターは召喚する。世の理と竜の盟約に従い、人種マリーナよ私の前に出でよ」
僕の目の前の魔法陣から人影が出てくる。
「やあ、久しぶりだねオルター。ずいぶん活躍してるみたいじゃないか」
白いローブ、節くれだった杖。紫の鮮やかな髪。間違いなく賢者マリーナだ。
「おや、これみんなお仲間さん? ずいぶん増えたねぇ。と、見知った顔が何人かいるね」
マリーナの視線がミモザで止まった。
「お久しぶりですマリーナ様」
ミモザが居たことにさすがのマリーナも驚いている。
「皇女様まで引っ張り出してくるとはね」
「今は聖女ミモザです」
「ほうほう。それはなかなか面白いことになってるねぇ」
ミオと僕、ミモザと僕、と視線を移動させる。
「それはともかく。私を呼んだということは、もう攻め込む準備が出来たと思ってもいいのかな?」
「はい」
僕は頷く。
「よしよし。では話を聞こう」
僕は先ほど考えていた。三つの案をマリーナに語る。マリーナはふんふんと頷きながら聞いてる。
「それにしても竜魔法までマスターしてしまっているとはねぇ」
マリーナはあきれている。
「ま、それはともかく。私は小舟の案に一票入れたいね。帆船を出したら恰好のエサだね。まあそれで小舟で行けるならそれでいいし、何かあるようなら、オルターがドラゴンになっても遅くないと思うよ」
そこでマリーナは懐から小さな青い瓶を出しオルターに渡す。
「これを飲んでおきなさい」
「これは?」
「エリクサー。あまり用意できなかったけど、オルター、君、大分無茶したね。魔力が半分以上減ってるよ」
僕はそれを一息に飲み干す。体に活力が戻り、久しぶりに魔力が戻ってきたと実感する。
マリーナからもう一つ渡された。これは大事に持っていなさいとのことだ。
それから、これまでの事、ミオと出会ったこと、リヨンに出会ったこと、マナの呪いを解いたこと、神級の魔法の入手方法をマリーナに教えたりして、この日は有意義に時間を過ごすことが出来た。
魔王の城への出発は十日後に決まった。
それまでにスキルを自在に使えるように鍛錬を怠らないこと、とマリーナに注意された。
マナに言わせると、すでに僕の強さは姉さまを越えているとのことだ。だけど慢心はしない。
姉さまを助けるチャンスはおそらく一回しかない。
とうとう乗り込む所まで来たんだ。
絶対に成功させる。
絶対に助け出す。
僕は静かに闘志を燃やした。




