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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第四章
54/379

vs土竜王1


 41階層からは大きなアリが出るらしい。

 カレンから地図を見せてもらった。

 こんな感じ。


 41階層は巨大なアリ

 42 〃

 43 〃

 44階層は巨大な蜂

 45 〃

 46 〃

 47階層は巨大な沼とリザードマン

 48 〃

 49 〃

 50竜王


 41階層は巨大なアリだった。

 少数と戦っていると、いつの間にか仲間を呼んで大群になる。

 かなり厄介だった。

 とにかく数が多い。


 マナとティナの魔法と、“紅の牙”の魔法使いのセルフィが大活躍だった。

 やはり数を相手にするときは魔法使いが強い。


 ティナは攻撃魔法はライトニングだけしか使えないけど、ライトニングは直線上にいる敵全部に当たるので、こういう時は役に立つ。

 僕は魔力温存のため、主に闘気で戦う。


 41階から43階まで。ここでは宝箱を2個手に入れた。


 カレン曰く、ここから先のモンスターはみんな外殻とかが売れるらしい。 

 ダンジョンの敵は上の階層に来ることはないので、階段の近くで戦って、外殻だけとったらすぐに上の階に避難する、ということをするそうだ。

 まあ今はお金を稼いでる場合じゃないのでガンガン進む。


 44階層からは蜂の大群だ。

 一匹3mぐらいあって、めっちゃ怖かった。

 でも大きいけど動きがそれほど素早くなく、これなら日本に居たオオスズメバチのがよっぽど速かった。

 まあビジュアルが十分に怖いんだけどね。

 魔法石を回収しながらここもガンガン進む。 


 47階からはリザードマンが出るはずで、階段を下りたら一面沼地だった。


 僕がカレンに「沼地歩きたくない」と言うと「ダンジョンとはそういうものです」と返されてしまった。


 でもミオにも毛皮に泥が付くのがいやらしく、「行きたくないにゃ」と言われてしまった。


 その場で猫の姿に変化して、僕の背中のいつもの位置にのぼってきた。

 うーんずるい。


 あ、そういえばユニコーンは沼の上を歩いても、沼に沈まないんだよね?とティノに聞いてみた。


 「はい主様」


 やった! ティノに乗って行けばいいじゃん!と思ったんだけど……。


 みんなの視線が「まさかお前ひとりだけ楽しようと思って無いよね?」


 と怖かったので、これも却下。もうこうなるとあれしかない。


 僕はみんなを階段の上に引き返らせ、一人で沼地の前に立った。



――――神級魔法


 

 “アブソリュート・ゼロ” 



 僕の両手の中間に生まれた氷の玉から氷のレーザーが沼地を走る。

 このフロアごと氷に包んだ。


 「終わったよ」


 みんなを呼び寄せる。みんな呆れてた。

 階段まで一直線にすすむ。途中リザードマンの氷像が何個かあったけど、全部無視。

 ここまでの間にかなりの魔法石もたまったしね。


 動いている敵に会うこともなく、階段まで進めてしまった。


 47、48、49階はどの階層も沼地だった。

 全部魔法で凍らせて進めたので、あっという間にボス扉前の休憩所に着くことが出来た。


 ごはんを食べて少し休んで、いよいよ竜王戦だ。 





 ***





 玉座の間に竜が寝そべってる。


 どこかの国の玉座の間をそのまま切り取って来たかのような、そんな光景。


 ただ、竜王を基準として作っているのか、すべてのサイズが大きい。


 そこで寝てるのは、レッドドラゴンから翼をなくしたような、ごつごつとした黄土色の竜王。

 

 のそり、と竜が動き、顔をこっちに向けた。


「人間だと……。ずいぶん久しぶりだな。人間が私に何用か」


 この問答が大事なのだと、みんなで話し合って結論が出ている。


 僕は大声で答える。


「神級の魔法を譲り受けに来た」


「ほう」


 竜王の動きが変わった。のっそりとした動作が機敏なものに。


 僕を射抜くような視線で上から下まで見る。


「わかった。それではお前の強さを我の前で示すがよい。神級の魔法にふさわしいかどうかを」


 竜王が立ち上がる


 黄土色だった外見が、どんどん黒くなっていく。  

 

 漆黒の竜に変わっていく。 


「我は土竜王タルド。いくぞ」


 土竜王は息を思いっきり吸い込んだ。ブレスが来る!


「僕はオルター・ドヴェルグ。いきます!」


 僕以外のメンバーは僕を頂点とし、扇状に広がっている。


 なんのブレスだ。瞬間、竜王が息を吐き出した。


 “サンドブレス”


 六角形が合わさったサッカーボールのような魔法の盾を生み出し、さらに盾を前にかざして身構える。


 その瞬間、砂の嵐が僕らを襲う。


 サンドブレスか! 僕は防げているが、後ろのメンバーは間に合わないかもしれない!


 このブレスは後ろまで届く!


 しょうがない。僕は大きく息を吸い、


“ドラゴンブレス”


 炎の息でサンドブレスを相殺する。


「ほうほう楽しませてくれる」




 竜王は僕を見ると、ばかでかい口の端をちょっと上げて、にやりと笑った。




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