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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第四章
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ダンジョン

ダンジョン説明回です。



 僕らは岩がごつごつしたダンジョンの中をライトの明かりをつけて歩いていた。

 壁や天井はごつごつとした岩肌をさらしているのに対し、床は明らかに人の手が加わったというように平らになっている。


――――ダンジョン


 この世界のダンジョンのほとんどは作られたものだ。

 と言っても作ったのは人間ではない。


 三千年前に神々の対戦があり、その際神々が自分の持っている武器防具などを隠した場所だと言われている。

 ダンジョンには何層かの階層があり、今だ最下層に誰もたどり着いていないダンジョンもあれば、今回行くところのように最下層まで調べ終わっているところもある。


 ダンジョンに潜む魔獣は、心臓の代わりに魔法石というものが体の中にあり、普通に外に出る魔獣より強くなっている。

 この魔法石は、魔力を含んでおり、この世界の言ってみれば電池的な役割を果たしている。


 最下層に出るボスが一番大きな魔法石を持っていて、そういうボスのいるダンジョンは人気だ。

 一度ボスを倒しても、すぐに、もしくは数日するとリポップするからだ。

 大きな魔法石を連続で手に入れることが出来るから、金もうけには最適だ。運が良ければアイテムをドロップすることもあるのだ。


 ただし竜王だけは何もアイテムを落とすことがない。

 と、今までは思われていた。


「まさか、竜王が神魔法を持っているとはね」

 

 と、ティーリンが言った。

 そうなのだ。古竜ウリシュナがぽろりとこぼさなければ、僕だって知らないままだった。 


 今はこのダンジョンの地下二十階だ。


 たった今、ホブゴブリンが三匹出てきたのでミオとリヨンがあっというまに倒したところだ。

 ここには僕らのグループと、紅の牙のメンバー、二つのパーティでやって来た。


 具体的に言うと、僕らのパーティ全員と、ミモザの護衛団の“紅の牙”の五人だ。


 オルター、ティーリン、ティノ、ミオ、ミモザ、マナ、リヨン、ラフェ。


 紅の牙 カレン(戦士)、シズカ(剣士)、ロミ(半巨人戦士)、セルフィ(魔法使い)、ミランダ(僧侶)。


 ラフェには竜王とは戦わないとはっきり言われている。

 まあ僕が暗黒面に落ちない為の、お目付け役と言うことらしい。

 

 ここのダンジョンは地下五十階まであって、五十階に竜王がいるとのことだ。

 どこで手に入れたのか、カレンの手には、このダンジョンの五十階層までのマップが握られている。


 ミオとリヨンは敵が出てくると先を争ってがんがん倒していく。

 他のメンバーが暇を覚えるぐらいに……。

 僕らのパーティが前を歩き、後ろはカレン達のパーティだ。

 最短で行こうという話になって、余計な道を通っていない。


「宝箱あったにゃ!」


 それでも宝箱が見つかるときがある。

 道の片隅にぽつんとある小さな宝箱。セルフィが危険察知の魔法を唱える。


「大丈夫開けていいよ」


 セラフィに言われて、ミオが意気揚々と開ける。金貨が五枚と小さな魔法石が四個、短剣が一振り入っていた。

 ダンジョンで手に入れられる武器防具は全部魔法が掛かっている。


 僕が短剣に鑑定を使うと、自動再生のかかった短剣だった。刃こぼれしてもすぐ直るやつだ。

 回収する。ダンジョンで出たアイテムは、最後にみんなで分けると言う事になっている。


 モンスターの死体からの魔法石もあるから、確かにダンジョンはお金を稼ぐにはいいところかもしれない。


 次のモンスターは、昆虫だった。

 クワガタを大きくして、後ろ足で立っている。


 ガチガチと牙を鳴らして襲い掛かってきたが、一瞬でリヨンにつぶされた。

 リヨンも意気揚々と魔法石をクワガタから取り出した。 


 うう、ちょっと巨大な虫を解剖するとか、気持ち悪い……。

 まあ、リヨンかミオに任せよう。


 楽しそうだしね!


 二十階はボスがいるらしい。十、二十、三十、と、十階ごとに中ボスが出てくるのだそうだ。  


 ボスがいるところは扉があり、扉から出ることはないから、逃げるのは簡単なのだそうだ。


 ただし扉が勝手に閉じて、出られなくなる罠付きの扉もあるらしい。


 まあ、今回はカレンの持ってきた地図で、罠の場所もボスの場所も全部わかっているから、楽でいい。





 ***





 二十回のボスはミノタウロスだった。人間の体に牛の頭。およそ3mの巨体にこれまた巨大な戦斧を持っている。


 さすがに強そうだ。


 今回はミオが相手をするらしい。


 僕らは見学組だ。一応リヨンが少し離れたところで待機している。


 始まった。


 ミオが突っこむ。

 

 ミノタウロスが戦斧を持ち、振ろうとした所にミオが懐に入り込み、両手の爪で胸を切り開く。


 が、ミノタウロスの胸は切り開けなかったようだ。


 皮が厚いか。血は出ているがそこまでのダメージではないようだ。


 戦斧を横なぎに振るうが既にミオはジャンプで避けて、ミノタウロスの顎を右足で思い切り蹴り上げた。

 そのまま左足で顔面を蹴り、その反動を利用して、空中で一回転。着地する前に両手の爪をのどにに思い切り突き刺す。


 ミノタウロスはさすがに喉まで硬くなかったか、のどから血しぶきを上げて、そのままどっと倒れた。


 いつ見てもミオの動きは洗練されていて見事だ。ほめると嬉しそうに笑ってる。


 ツノだけは高く売れるというので切って袋にいれる。


 ミノタウロスからはかなり大きな、こぶし大の魔法石が取れた。 

 カレンに聞くと、大きな魔法石は珍しいらしい。

 ダンジョン内で長い時間、誰にも倒されないと、魔法石が大きくなっていることがあるらしい。

 そう言われれば、あんまり小さな魔法石は今までなかった。これはついてるかもしれない。


 僕らも意気揚々と次の階への階段へと向かった。


明日頑張って二話投稿しようと思います。

がんばります~。

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