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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第四章
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ミオvsリヨン



 リヨンとミオが軽く手合わせするというのでみんなで見学することにした。

 みんな興味津々だ。


 ミオは爪は外してる。お互い素手でやるらしい。


「いつでもいいにゃ」


 ミオは余裕ありそうだ。防具はつけている。

 リヨンは毛皮を腰と胸につけているだけだ。

 少し緊張しているようだ。


 リヨンの方が大分背が高い。

 身長はリヨンは230cm、ミオは180㎝ぐらいかな。

 ちなみに僕は150㎝だ。


「行きます」


 速い! 右中段突き!


 中段突きと言っても、ミオの顔の位置だ。


 リヨンが宙を舞って一回転、手と足を地面につけて着地した。


 リヨンが驚きで目を見開いている。


 さすが僕のミオ!


 ミオは今、クロスカウンターのように前に出ると、リヨンの首を掴みそのまま地面にたたきつけたのを、リヨンは体を一回転させて防いでた。


 とにかく速い。


 僕が相手でもなんとか避けられるか、微妙なところだ。


 おお、とみんなから声が上がる。


 隣のミモザが、


「全然見えませんでした」


 マナも頷いてる。


 リヨンはそのままミオに突進する。


 ティーリンは険しい顔で二人を見てる。


 ティノとラフェはお互い牽制しあいながら、いろんな果物がのったお盆から果物を食べてる。

 興味ないのか! ちなみに果物を出したのは僕だ!


 リヨンはそのままの体勢からタックルをする。

 まだまだやる気だ。


 「にゃっ」


 ミオは当たる瞬間に跳び箱を飛ぶかのように頭に手を置いて飛び、リヨンの後ろに半身ひねって着地、そのまま右足で腰を後ろからとん、と蹴る。

 前につんのめるリヨン、慌てて振り返り、構える。


 額に汗がすごい。


「本気で行きます!」


「いいにゃ、くるにゃ」


 リヨンは闘気を体にまとわせる。

 身体能力が爆発的に上がる。

 ミオは闘気を使わない。使うまでもないってことなのだろうか?


「ハァァァァ!」


 闘気をまとリヨンがミオに接近する!


 リヨンの両手でのラッシュだ!

 しかしミオには当たらない!


 紙一重で避けている。

 これはすごい!受けることも流すこともしないで、ただひたすら避けている。


 ミオが動いた!


 リヨンのラッシュの倍以上のラッシュだ!

 ミオはリヨンの腕の側面を殴る!殴る!殴る!


 リヨンの一撃の拳を、側面から二発は入れてなぐる!


 リヨンは両手を弾き飛ばされ、バンザイさせられる。


 その瞬間に、ミオの上段突きがリヨンの顔の1㎝手前で止められた!


 お互い動かない。


 リヨンの汗がつーっと額から流れ落ちる。


「ま、まいりました」


 おおおおおおおおおおおおお!!!


 みんなが喝采してる!


 すごい試合だった。ミオが格の違いを見せつけた結果になった。


 そう言うと、ミオは


「にゃははは」


 と笑った。


 カレン達はミオの動きも、リヨンの動きも見えなかったらしい。


「自分がSランクなのが恥ずかしくなってきました」


 カレンのパーティのカレンと剣士シズカ、戦士のロミが汗をぬぐいながら、うんうんと頷いている。


 まあ二人とも人間じゃないしね。


 でもこれでリヨンの武器が決まった。リヨンにはガントレットを作ろうと思う。


 思い立ったら吉日、すぐに金床を取り出し打ち始める。


 アダマント製だ。


 トンカチを連打する。


 できた!

 

 魔力はあとでティーリンにやってもらえばいいだろう。


 出来たアダマントのガントレットをリヨンに渡す。


 そうしたら、


「わ、私これもらっていいんですか!? 負けたのに」


「いいんだよ。ミオに負けたのは恥じゃないよ。ミオは魔華四天王のガレスも一対一で降してるんだから」 

 

 その言葉にリヨンは改めてミオを見た。

 ミオは、


「にゃはは」


 と笑ってる。


「もっと精進します。せめて互角に打ちあえるようになるまで」


 と、うやうやしくガントレットを受け取った。


 前衛が増えたのはうれしいね。


 これで僕は中衛の位置に下がれる。




 さあ、いよいよダンジョンにいこう!





書いているうちに盛り上がってしまい、格闘シーンで終わってしまいました。

反省します。

ダンジョンは次からになります。

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