バンロにて4
遅くなってすみません。
活気が戻ったバンロの街をのんびりと歩く。
今日のお供はティノとマナだ。
ティーリンとミオは闘気法の練習、ミモザは教会に行ってみるそうだ。紅の牙の面々もついていくと言うので、それなら安心。
僕はティノにユニコーンになってもらって、マナと僕を乗せてもらう。
セスの時もらった賞金があるから、ちょっとこの街にお金を落としていこうと思う。
とりあえず市場かな。
市場も活気があった。ティノがおいしそうな果物を売ってるところで止まって、乗ってる僕の方を見たから、それを袋いっぱいにもらうことにした。
「救っていただいたのだから、お金なんて取れません!」とおばちゃんに言われたけど、
「ダメですよ、これからいっぱい使うことになるんだから」と無理やりお金を渡す。
それなら、と、もう一袋渡された。それでも利益が出るから大丈夫、ということだ。
ティノが袋から器用に一個くわえて、おいしそうに食べる。
マナにも一つ渡して、僕も一個取る。
確かにおいしい。
僕は魔法の袋に入れておいた。これでミオ達も食べることが出来る。なんという便利な袋だ。
そしてまたユニコーンに乗って歩く。
後頭部にマナのおっぱいが当たってる。弾力があってすごいいいね!
それからちょっと食べ歩く。
肉を串にさして焼いたものや、とうもろこしそっくりなもの、そういったものを食べながら移動する。
ふと袋を見たら、果物が減ってる。ミオが気づいて食べたんだ。
それなら、とお肉を串に差したものを15本ほど買って、大きな葉っぱに包んでもらったものを入れておく。
あっこれは次から次へとお肉が出てくるという、ミオの言っていたものになったのかもしれない。
そんなことをのんびりと考える。
ユニコーンに乗ってると、すぐ僕とわかるらしく、市場の人たちはいろんなものを押し付けてきた。
僕はお金を払いたいのに、みんなもらえない、と言ってくる。
僕もマナも、なんか大人気だ。
マナは小さな子供にすっごいきれいな花を渡されて、笑顔になってる。
よかった、マナも笑えるようになったんだ、と僕まで嬉しくなる。
ティノもいつの間にか頭の上に花輪をのせられていた。ティノも嬉しそうだ。
お腹いっぱいになった所で、僕らは宿に帰った。
こうして僕らは王様の帰還するまで、この国で過ごした。
後にこの国の国旗が変えられることになるのだが、獅子が盾を挟んで対面してる図だったものが、右の獅子がユニコーンへと変えられた。
これは町の人たちの総意によるものだったらしい。
***
バンロを出てから北西へ。あまり整備されていない街道を通る。
ダンジョンへとつながる道だ。
今はあまり使われてないのだろう、管理もされていないのか、あまり良い道とは言えない。はっきり言って悪路だ。
ティノが眷属化した馬を呼び寄せて、馬で移動する。僕はもちろんティノに乗っているけど。
当然のように紅の牙のメンバーも行くそうだ。さすがにSランクの冒険者がいるのはありがたい。
ダンジョンの入口には宿場町がかつてあったらしいが、あるパーティが最深部で竜王を見た報告があってから、一気に人が居なくなったそうだ。
おそらくそのパーティ以降、初めての探索者な気がする。
それにしてもゴブリンの多い道だ。少し歩くごとにゴブリンが向かってくる。
それも2、3匹づつ出てくる。
僕のファイヤーボールで一発なのだが、回数が多すぎる。これはもしかすると……。
「カレンさん、これひょっとしてゴブリンの巣の近くですよね? これって……。」
紅の牙のリーダーカレンに聞いてみる。カレンも同じことを考えてたのか、
「十中八九そうですね。宿場町はゴブリンの巣になってますね」
やはりそうか。
使われなくなった人の施設。こんなに住みやすいところはない。
「ゴブリンの巣の場合、人が攫われてないか確認しないといけないので、大きな魔法は使わないようお願いします」
なるほど……。
それからも何度かゴブリンたちを退けながら、元宿場町に向かった。
………
……
…
宿場町の入口にゴブリンたちは陣取っていた。オークも見える。
ああ、これはあれだ。ゴブリンキングがいるな。
陣取るとか、普通のゴブリンだけだと絶対に無理だ。
まだ少し距離があるが、杖を持ったゴブリンが前衛の後ろに見える。
ゴブリンメイジか。鎧を着たゴブリンはゴブリンジェネラルっていうやつか。
カレンに聞いてみる。
「メイジやジェネラルってどのくらい強いの?」
「そうですね。メイジはファイヤーボールぐらいまで使えますね。ジェネラルはオークよりは強いけど、所詮雑魚です。何匹いても我々にかなわないでしょう」
そうなのか。
「では紅の牙のみなさんには、後衛の守りをお願いしていいですか?」
カレンは頷く。
一応“リンク”をかけて情報を共有する。
“僕とミオは突入します。ティーリンは風の守りで弓を防いだ後、精霊帝召喚、人がいるかもなので大きな魔法は使えません。ミモザは回復待機、あとは各個撃破で”
よし。僕は両手にトンカチを持ち、馬上なので闘気剣を長めに作る。
「ミオいくよ!」
「はいにゃ!」
僕とミオはゴブリンの巣へと走り出した。




