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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第三章
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魔華四天王ガレスvsミオ

2回目の投稿です。

珍しく、というか初めてのミオ主人公です。

楽しんでいただけたら幸いです。

 開戦の合図と共にミオは闘気を身にまといながら、ガレスに向かって走る。


「こいつは私に任せるにゃ!」


 見知った相手。


 それに今回ミオにはオルター製の新しい武器も防具もある。


 爪はオリハルコン、鎧は買ったらとんでもなく高くつくミスリルを、手持ち全部つぎ込んで作ってくれたミオの宝物だ。

 

 ミオは思う。負ける気がしない。


 ミオの戦闘方法は独特だ。

 体のバネを最大限に使用し、四足に構え、両手でいなし、交わし、突きを放ち、引っ掻き、蹴りを放ち、尻尾で目をはたく。

 

 全身が武器だ。


 それに比べてガレスの戦闘法は剣のみだ。


 それでも蹴りを飛んでかわし、低く構え、袈裟懸けに斬りかかり、柄で殴り、突きを入れ、斬りつける。


 今までなら一撃入れられれば出血多量でミオの負けだっただろう。

 しかし今ミオは鎧を身につけている。

 薄く入るぐらいならわざと避けずに鎧で防ぎ、その分一歩、踏み込みを深くいれて攻撃している。 


 お互いの速さも鎧を着たミオの方が早い。


 ガレスは表にこそ出さないものの、あきらかに焦っていた。


 ミスリルはまるで羽のように重さを感じさせない金属だ。


 それを全身にまとうなど、ガレスの想像を超えている。

 いったいどれほどの値段がするのか、そんなものを獣人が手に入れるにはいったいどんなことをすればいいのか。

 戦闘の際中なのにそんなことを考えてしまう。

 

 自然、防御がおろそかになる。それをミオは見逃さない。


 左手でフェイントを入れ、右手で胸元を引っ掻く。血がパッと散って袴の胸元が切り裂かれる。

 胸元に四本の爪のあとが残る。


 ガレスは無理やり闇の闘気を胸に集中し、傷を閉じる。


 が、その間にもミオは爪を振るってくる。


 頬にかすり、そこからもパッと血が飛び散る。


 次は二の腕、太もも、背中、ミオの動きは止まらない。


 まるで舞を舞ってるかのように動き続ける。


 一つミオが爪を振るうごとに、血の花を咲かせていく。 


 出血多量で動けなくなるのはガレスのほうだろう。


 ガレスはミオに向かって言う。


「すべてが終わって魔王が負けたら、虎人を悪くしないでくれ、すべて俺の判断だったのだから」


 ミオはくるりと宙を舞いガレスから距離を取った。


「まだ勝負はわからないにゃ。でもそうなったら、そのことについては任されるにゃ」


 ミオの返事にガレスは満足する。


「では死合の続きをするとしようぞ」


「にゃ」


 ミオは頷くとガレスに向かい切りかかる。


 ガレスは剣で受けたところをミオが剣に向かい両手の爪を振るう。


 パキィイィィィィン


 ガレスの剣が根元から折れ飛んだ。


 その瞬間、確かにミオは油断した。


 ガレスはその柄だけの剣をミオに向けてふるう。


 振るった瞬間に、闘気が柄から伸び、刀を形作る。


 ガレスの切り札、闘気の刃(オーラブレード)


 ミオの顔を狙ったそれは避けられたが、肩に当たり、肩当を吹き飛ばす。


 ミオは頭を狙ったフェイントを発し、同じく爪に闘気を纏わせる。


 残念ながらミオには武器を闘気で覆うのがやっとだ。


 「ガアアアアアァ!」


 ガレスは裂帛の気合を放つと最後の猛攻というわけか、自分の生死をかなぐり捨て恐ろしいほどの速度と力でミオにうちかかる。

 

 ミオは冷静だった。いや、ご主人様からもらった鎧を壊されたことで、静かに怒っていた。

 

 ガレスの猛攻を、かわしながら的確に攻撃を当てていく。  


 肩、腰、腕、足、そして頭。


 それが止めとなってガレスは力を失い、血の海の真ん中で崩れ落ちた。

ここまでミオが強いとは思っていなかった作者です。


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