表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第三章
39/379

vsデスタイラント2

夜にもう1話アップします(ぺこり)



「くひひひひ。キタキタキタキタキタキタキタナーーー!」

 

 甲高い耳障りな声でその骸骨は喋りだした。


「オマエ勇者の弟だろ? だろだろ?」


 王座に座ったそいつはうわさ通り、黒いローブに骸骨の頭、持っているものは錫杖だ。

 僕らは王座へと近づく。


 それを珍しくミオが右手を僕の前に出し制した。


「そこに居るやつ! でてくるにゃ!」


「ほう。やはい気づくか」


 柱の陰から一人の男があらわれた。


 ああ、気配察知か。デスタイラントに注意してたから気づかなかった。あぶない。


 虎顔に袴のような服、反りの入った日本刀のような剣。


 こいつはまさか……。


「久しぶりだにゃ、虎人ガレス」


 やはりそうか!


 やばい。僕の額から汗が流れ落ちる。


 魔華四天王が二人とか完全に計算外だ!


 僕はリンクでミオに話しかける。


『ミオ、一人で行けるか?』


『まかせるにゃんよ!』


 頼もしい言葉が返ってきた。


 僕は指示を飛ばす。


『よし。じゃミオがガレス、僕がデスタイラントを受け持つ! ティーリンとティノは戦況を見てフォローを! マナは神級魔法の準備! ミモザは回復待機!』


 頭の中に返事が届く。


『わかったわ!』


『了解です主様!』


『わかりました!』


『が、がんばります』


「よし、開戦だ!」


 ミオが飛び出しガレスに迫る。


 ガキンガキンと剣戟の音が響く。


 ミオなら心配いらないだろう。前にガレスと戦った時は武器など持ってなかったはずだ。

 それが両手にオリハルコン製の武器だ。

 レベルもだいぶ上がっている。


 よしデスタイラントだ。

 僕は右手に虹色のトンカチ、左手にウリシュナからもらってきた短剣を構える。

 

 この短剣、かなりの効果が付いていた。


 名称:古竜の牙

 効果:齢2000年以上の古竜の牙を材料に古竜自らが作り出した短剣。

    闘気を流すことにより、硬度を増す。

    流す闘気の量によっては何物にも負けることのない硬度となる。

    魔法の発動体。希少な超魔法20種類を魔力を流し込むだけで使える。


 なんとウリシュナ本人の牙だった。

 なぜだろうか、これを持ってると負ける気がしない。


 まずは小手調べ、僕は魔法を唱えた。


“ファイヤーボール”


 ほぼ同時にデスタイラントからも魔法が飛んでくる。


“ダークボール”


 二つの魔法は僕とデスタイラントの中間でぶつかって相殺された。


 ひょっとして魔法の実力は互角か?


 と、後ろから“ライトニング”が飛んできた!ティノか!


 しかしライトニングは黒いローブに当たるとローブに散らされて弾けて消えてしまった。

 

「くひひひひひひ。きかん、きかんなぁ。おりを倒したいなら神級魔法でも使うんだなぁ」


「それなら神級魔法を食らうがいい!マナ!」


 僕は叫んだと同時に斜め後ろに思いっきり飛ぶ。


「はい! 行きます!」


――――神級魔法エターナルフレア


 マナの前に展開した4つの魔法陣から巨大なフレアが出現しデスタイラントに向かう!


 デスタイラントは闇の障壁の魔法で防ごうとするが、


「“ディスペルマジック”」


 ディスペルマジックに何倍もの魔力を注ぎ込むことによってデスタイラントまで届かせる。

 結果手元の闇の障壁を散らされ驚愕の表情をしたまま、もろにフレアを食らう。


 あたりが火と煙で覆われる。


「やったか?」 


 僕は煙がはれるのを待つ。


 ガキンカキンとミオとガレスの剣戟の音が響く。


 煙がはれると、一体の膝をついたスケルトンがそこにいた。


「やってくれる……」


 自慢のローブはもう身に着けていない。

 

 燃え尽きたか。錫杖に身を任せている。ぎりぎりで耐えたのだろう。


 スケルトンの体のちょうど心臓の位置に、小さな闇の炎がどくんどくんと燃えている。

 あきらかに心臓だ。あれを砕けば倒せるのか。


 スケルトンが何とか立ち上がる。


「勇者の弟よ。すこし見くびっていた非礼を詫びよう。本気を出すこととしよう」


 まだ何かあるというのか。猛烈に嫌な予感がする。


 スケルトンの心臓部分の闇の炎が大きくなり、どくんどくんと脈打つ。


 脈打つ心臓は、そこから闇の触手をのばし、スケルトンの体を覆っていく。

 一瞬で覆いつくした闇はそのまま、巨大な闇の炎の獣、いやこれは竜か!?



――――邪竜変化ダークドラゴン



「ぐふふふふ。これぞゾルマを倒すために身につけた竜化の呪文。真の魔王はこの私だ!」 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ