決着
姉さまの極限まで高めた“魔力”と、僕の練り込められた“神気”をもって強化した龍滅剣での“真竜・勇者の一撃”が、邪神アラクに放たれる。
二人掛かりの光の柱がアラクの真上からアラクに振り下ろされた。
アラクは残った腕で武器を交差し防ごうとしたが、漆黒の武器は次々と破壊されへし折られていく。
アラクが絶叫する。
「た、たかが人間ごときになぜこんな力がっ!!!」
ミモザの体から女神フレリスがアラクに向かって話しかける。
「今の世は私たちの世界ではもうないのです。我ら神は各種族たちの繁栄を見守るべきなのです。そして人間達はいずれ神々にも届きましょう」
「人間をっ、甘く見た俺の落ち度と言うわけかっ」
邪神アラクの最後の武器が捻じ曲げられていく。
「いいだろう、今回は俺の負けだ。だが忘れるな、俺は何度でも復活してやるっ、次は勝てると思うなよっ!!!!」
最後の武器を切り飛ばし、僕と姉さまはそのまま邪神アラクを龍滅剣で両断してゆく!
頭の先から地面まで。龍滅剣が切り裂いてゆく。
そしてアラクは左右に両断され、地面へと倒れ伏した。
僕は剣の柄から手を離すと、姉さまがアラクの残骸へ向け剣を指す。
「何度でも!勇者とその弟がいる限り!この世に邪悪の蔓延る余地はない!」
アラクの体が灰となって消えてゆく。
終わった。邪神アラクは消滅した。
そうだ、リリアンは!?
「リリアン!大丈夫だった!?」
リリアンはラフェの背中の鞍の上でこくこくと頷くと、大丈夫、と胸を張った。
僕はラフェの背中に飛び乗り、白い薄布だけのリリアンに駆け寄って抱きしめた。
「うむうむ、良きかな良きかな。これにて大団円、といったところじゃな」
女神フレリスがそう言い、
「ではこの娘をそなたらに返そう。女神をその身に降ろして無事でいられるとは、この娘も稀有な存在じゃな」
そう言うとミモザの体から光の塊が抜けていく。
僕は慌てて今度はミモザに向かって飛んでいき、抱きかかえる。
光の塊はミモザから離れると、ゆっくりと天へと還っていく。
するとゆっくりとミモザの瞼が開かれる。
「おかえり、ミモザ」
ミモザは数回瞬きをすると、僕の事を確認して、
「はい。ただいま戻りました」
と、にっこりと笑ったのだった。




