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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
蓬莱大陸編
371/379

決戦7

「潰す。俺を本気で怒らせたな。お前らなど蟻と同じだ。ことごとく一匹づつ踏みつぶしてやる」


 邪神アラクの体から漆黒のオーラが立ち昇る。


 何かが来る!?


 自身の周りに渦巻いた黒いオーラを僕らに向けて放出する。



 ――――“死ノ気流”(デスストリーム)


 

 圧倒的な死の気配が渦巻く黒い力と一緒に迫り来る。


 これはすべてを吹き飛ばすほどの圧倒的な威力を感じる。


 しかし頭に血が回って忘れたのか?


 僕と姉さまに属性攻撃は効かない!


「姉さまっ!」


「まかせてっ!」


 姉さまが僕の横に翼をはためかせ並ぶ。


 僕と姉さまの声が重なった。



“真竜・(ドラゴンロード)魔撃剣”!!!(デモンブレイク)


 

「朱雀十剣、対魔式っ三っ!!“闇王暗黒斬”っ!!」



 絡めとった黒い力を剣に乗せ、邪神アラクに向けて撃ち返す。


 

「ぐぬぅ、これさえ撃ち返すかっ!」



 跳ね返した攻撃をものともせずに、アラクが突進してくる。



 狙いは……、僕らではない!


 

 馬に乗ったままのマナか!



 地上にいる相手なら組みやすし、と思ったのか。


 マナは馬の上に、ロッドを両手に構え静かに立ち上がる。


 マナのローブが風にはためく。


 そして呪文を唱える。



――――神級魔法“エターナルフレアソード”“ダブル”



 両手にそのあらゆるものを燃やし尽くす炎を凝縮した、真紅の剣で構えを取る。


 そして逆に正面からアラクに向けて馬を走らせる。


 圧倒的な速度で邪神アラクがマナに迫り、しかしマナは怯えることなくアラクを睨みつける。


 ぶつかる瞬間にマナが空中に飛んだ!?


 そして邪神アラクと交差する。


 そうか、重力魔法か!


 エターナルフレアソードはロッドが自動に制御してくれるから、発動したまま他の魔法を使う事もできる。


 意表をつかれたアラクは腕の一つを切り飛ばされ、しかし振り向きざまにはなった一撃がマナを捉え……。



――――超級魔法“チェインバインド”



 しかしその瞬間、空から伸びてきた巨大な鎖が、マナを狙っていたアラクの腕二本に巻き付き、拘束する。



 この見覚えのある呪文は……まさかリリアンか!?



 凄まじい勢いで背中にリリアンを乗せたラフェが空から急降下してくる。



 リリアンが伸ばした鎖をラフェが掴み、そのまま地面へズシンと着地する。



 リリアンのワインレッドの髪が高鳴る魔力で真紅に燃え上がる。



「お前なんか―っ死んじゃえーっ!!」



 そしてそのままチェインバインドで腕二本を拘束しながら、別の呪文を唱える。



――――超級魔法“ライトニングスパーク”!!!!!!!



 チェインバインドの先端の鎖から電撃がアラクに向けて放出される。



 これは……この威力は尋常じゃない!



「ぐがあああああああああぁぁぁぁ」



 その神級魔法にも通じる高い威力の電撃がアラクに伝わり、アラクの二つの腕が電撃で焼けただれていった。


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