決戦5 女神降臨
ミモザ視点です。
明らかに強大な魔力が強まっていく場所がある。
天に向かって円形に光を放つ広場に向かい、騎乗しているレッドドラゴン、ラフェに頼む。
「ラフェ!あの光の柱へ!儀式が進んでる!!」
「了解」
黒龍を蹴散らしながらラフェが言う。
「ここはオレらに任せろ!!」
スカイヤが炎のブレスで襲い来る黒龍を薙ぎ払う。
「急ぐがよい!今にも女神が降臨しそうな雰囲気じゃ」
白雪の言葉に頷き、私は急降下するラフェの背中でランスを構える。
見えた!
広場の真ん中に石の寝台があり、そこに誰かが寝かされている。
見つけた。リリアンだ!
鎖で手足を縛られ、大の字に固定されている。
それを取り囲むように五芒星の頂に五人、そこから外側に結界を張っているのが五人。
もうあまり時間がない。
「結界を張っている。ラフェ、どうする!?」
光の柱の周りを旋回しながらラフェに聞く。
ラフェは後ろを振り向き、
「そのランスでチャージするしかない。その神代の武器で切り開けなかったらお手上げだ」
私は頷き、
「行くわよ、ラフェっ!ランスチャージ!!」
ラフェは雄叫びで答える。
「ウオオオォォォォォ!!!!!」
ランスが虹色の輝きを放ち、ラフェが結界に向けて急降下する。
切っ先が結界に触れた瞬間、ばりばりと音が轟く。
ランスが結界に干渉し、結界の中の術者の一人が口から血を吐きだす。
しかし結界は破れていない。
「だめっラフェ、もう一度!」
ラフェがもう一度空に飛び上がる。
が、黒龍達が私に気づき、取り囲んで攻撃を加え始めた。
私は焦る。
「これじゃあ近づけない!!」
日が沈み始め、天から光り輝く巨大な存在が降りてくるのが感じられる。
何かを見落としている気がする。月の女神とは……。
「狂喜の月の女神……。それは月の女神フレリスの裏の顔……。……二面性を持つ女神」
そう、狂喜の月の女神と動物を愛する月の女神は同一の存在と言われている。
ラフェが、
「ミモザ、私が全力を出すからもう一度ランスチャージだ」
そして呪文を唱える。
――――竜魔法・強化“バーニングスタイル”
ラフェの竜体の節々から炎が噴き出してくる。
「もう時間がないわ!女神が降りてきている。今結界を破ってもたぶん儀式は止められない!」
ラフェが焦った声で、
「じゃあどうする!?ここまできて諦めるのか!!」
私は決意する。
「別の手で行くわ。」
「他にどんな手が!?」
「ラフェ、しばらく集中させて。敵はまかせます」
そう言って私はランスを鞍に固定する。
時間がない。失敗は許されない。チャンスは一度。
「なんだかわからないけど、ミモザに任せる。敵は私が蹴散らす!」
「お願いします」
私は目を閉じ呪文を唱える。
「月の女神よ。豊穣を司る者よ。この世界の生きとし生きるものに平しく愛を。我が身をもってこの世に愛を与えたまえ……
――――神聖魔法“女神降臨”
――――女神……月の女神フレリス!!!!」
私は天から降りてくるその光り輝く存在に向けて手を伸ばす。
そう、リリアンに儀式で降ろすはずの女神と、同一の存在である月の女神を、神聖魔法の奥義、女神降臨で私自身に下ろす。
天から降りてくる光の塊が、リリアンではなく私に向かって降りてくる!
儀式をしている術者たちが慌てた様子だが、もう遅い。
そして私の身に女神フレリスが降臨した。




