決戦1
「ふははははは待ちかねたぞ!お前たち!」
邪神アラクが空中を浮遊し、僕らの前に立ちふさがる。
その六本の腕にはすでに漆黒の武器を持っている。
「さあ楽しもうではないか。そして絶望とともに息絶えるがいい」
この押しつぶされそうになるプレッシャーは、魔王クラスの比じゃない。
考えが甘かった。
こいつは姉さま一人だけで相手が出来るような奴ではない。
これではリリアン救出に向かえない。
いや違う。
邪神アラクがすべての元凶だ。
こいつを倒してリリアンを迎えに行けばいい。
「―――暗黒魔法“魔銀変化”」
僕の体を黒く輝く魔銀が、天使の鎧の上を侵食するように覆っていく。
そして四本の腕を形作る。
僕は六本の腕に武器を持つ。
ヒヒイロカネの刀二本、トンカチ、竜の牙、オリハルコン製の刀二本だ。
「ふははははは!じきに夜になる。邪悪なる女神の復活も近い。いよいよ我の時代が来るのだ!」
アラクは上機嫌だ。
僕らのことなど問題にならないとでも思っているのか。
姉さまが龍滅剣を構える。
「姉さま、僕が先に!」
「ええ。いいわ」
アラクに向かって飛びながら僕は技を放つ。
「“真竜|流星剣”!!!」
「ハッハ!ぬるいぬるい!」
僕の六つの腕から繰り出される“流星剣”をしかしアラクも六つの腕で弾き飛ばす。
“真竜”のワードを入れての攻撃なのにまるで効いていないなんて。
しかしそこへ飛び込んできた姉さまが技を放つ。
「“真竜聖光星爆斬”!!!」
その攻撃を右手の漆黒のハルバードで受け止めようとしたアラクだが、
「甘いわ!ぬっ!?」
「甘いのはどっちかしらねっ!」
そのハルバードを姉さまの“真竜聖光星爆斬”が柄のなかばから斬り飛ばした!
・・・・
・・・
・・
・
地上戦は白虎軍が黒龍軍を圧倒的な力でねじ伏せていく。
だけど邪竜が動き出してから状況は一変。
白虎軍は二体の邪龍に翻弄されている。
私は馬上で“エターナルフレアソード”を発現させながら、
「将軍!私たちが右の一体を仕留めます!左の一体、足留めしていてください!」
「よしわかった!全軍!左の邪龍に向かって突撃だ!!!!」
蘭青将軍の怒号が響く。
「マナ!行くわよ!」
ティーリンが馬上の私の後ろに立ちながら私の肩に手を置く。
「はい!」
右の邪龍に向かうのは私マナ、リヨン、ティーリン、レン、ルスリィ、フィナ、カレン、シズカ、半巨人族のロミ、セルフィ、ミランダの九人。
十分すぎるほどの戦力だ。
リヨンが馬に乗っていないにもかかわらず、素晴らしい速度で駆けて邪龍に向かい拳を振るう。
亜人達は邪竜の攻撃に巻き込まれては大変、とばかり一旦下がっている。
これなら私たちが邪龍と戦うのに邪魔をする者はいない。
リオンが邪竜の噛みつきを掻い潜り、首の付け根の弱点に向けジャンプする。
「“白神拳・神撃”!!」
そしてその心臓を内部から破裂させる!
首の一つが轟音と共に地面へ落ちた。
さすがはリヨン。頼りになる。
首は後四つ。
ティーリンが馬から飛び降り、飛ぶように走りながら首元へと向かう。
私は“紅の牙”のメンバーと首の届かない位置から“エターナルフレアソード”を伸ばし牽制する。
「えいっ!」
「こっちです!」
「“竜王疾風撃”!!」
レンとルスリィとフィナが近距離で攻撃し、囮となってティーリンとリヨンへの攻撃を分散させる。
その間にティーリンとリヨンで次々と心臓を破壊していく。
「“森人神剣”!!」
そしてあっという間に最後の心臓をティーリンがレイピアを突き入れ破壊する。
邪龍を一体仕留めるのに、そう時間はかからなかった。
さあ、もう一体の邪龍を倒してしまおう、と左の邪龍に向かおうとした時だ。
「っ!!!!」
強大なプレッシャーが私達を襲った。
一瞬動きが止まってしまうほどのプレッシャーだ。
「このプレッシャーはまさか……」
次の瞬間、城壁から巨大な黒龍が身を乗り出し、私たちを睨む。
確かに倒したはずの轟炎がそこにいた。
何人か存在を忘れていました。
過去にさかのぼって少し書き足しをします。




