攻城戦2
よし!次はオーク部隊だ!
目の前でトロールたちがやられたにもかかわらず、オーク達は自分たちの陣形は崩さず、黒いオーラを纏い大きな盾を構え真っ直ぐに進軍してくる。
オークジェネラル、全身鎧で覆われたその装甲は厚そうだ。
それが一万ほどか。
斧や棍棒を手に迫って来る。
トロールに時間を割きすぎた。
時間をかければかけるほど、敵に包囲されてしまう。
「マナっ!」
僕が叫ぶと、マナが僕の言いたいことを察したのか、“エターナルフレアソード”を発現し、切っ先を伸ばし横なぎにする。
オーク達はそれを大盾で受ける。
「ぷぎゅるぅうううぅう」
切っ先を伸ばしているからとはいえ、三匹ほどしか倒せていない!
マナが悔しそうに、
「接近戦じゃないときついです!盾に恐らく魔法防御が施されています!」
さすが邪神軍。準備は万端と言うわけか。
しかしこれだけ密集していれば!
僕は頷くと、“神気”と“魔力”を同時に高める。
馬上の僕から光の柱が天へと轟く。
いくぞっ!
「 “真竜・勇者の一撃”!!!」
城門を削りながら、オーク達の頭上に振り下ろされる。
それを直線状にいるオーク達が盾を上にあげ、押しとどめる。
これを受け止めるのかよっ!
さすがオークジェネラルの集団だ!
僕は剣を振り下ろしながら声を荒げる。
「マナっ今だ!!!!!」
「――――神級魔法!“エターナルフレアソードっ!!!”」
隣にいたマナがハッとして、“エターナルフレアソード”を横なぎに払い、オーク達の胴を薙いでいく。
僕の“勇者の一撃”は数百のオークジェネラル達を屠っただけで終わってしまった。
オーク達が迫って来る。
白虎の姿になった白虎軍が次々とオーク達に向かって飛び掛かっていく。
乱戦だ。
一対一なら白虎軍が圧倒しているが、なにせ相手の数が多い。
ならばボスだ。オークジェネラル達は白虎軍に任せて、僕らはオークロードを狙おう。
オークロードは最も城門に近い位置から指揮を出している。
その前にはさらに精鋭であろうオークジェネラル達がロードを守る様に取り囲んでいる。
僕とマナはそこをめがけて“エターナルフレアソード”を振り回し、陣形を斬り崩し進んでいく。
そしてオークロードを守っている精鋭のオークジェネラルに届く。
しかしこのオーク達は、ひと際黒々としたオーラを放つ鎧と盾、そして剣で僕たちの攻撃をわずかながら受け止めていく。
まずい、僕は良くてもマナは魔法使いのローブだけだ。
接近戦をするには装備が悪い。
しかもこいつらは強い。
僕でさえ一匹切り伏せるに、一手では倒せず二手ほどかかっている。
どうする!?一度引いて白虎軍に任せるか!?
そう思った時だった。
遠くから少し間の抜けた声が聞こえてきた。
「らんすちゃーじー!」
左手から猛スピードでオークジェネラルを吹き飛ばしながら、馬で走り込んできたのはミモザだ!
猛烈な勢いでオークジェネラルが吹き飛んでいく。
さすがウリシュナが持っていたヒヒイロカネのランスだ。
そのまま僕らの目の前を横切り、オークジェネラルを屠りながら右手へ去って行った。
今だ!
呆気にとられるオークジェネラル達を倒し、僕とマナはオークロードに届く。
「オークロード!お前を倒す!」
オークロードは笑いながら、
「ふしゅふしゅふしゅ。小生意気なガキが二匹か。前菜にもならんが俺が一口で食ってやろう」
巨大な黒いオーラを纏った戦斧を構え、オークロードが襲い掛かって来た。
そして僕に向かって戦斧を振り下ろす!
早い!
しかも重そうな斬撃だ!
しかし今の僕ならっ、
「朱雀十剣!!対剣式!一っ!!!」
刃がついてる武器ならすべて跳ね返す、朱雀十剣の“対剣式”の一だ。
三で跳ね返すには準備が整っていなかった。
しかし、オークロードをのけぞらせることには成功した。
この隙に!
マナが“エターナルフレアソード”で胴を横に薙ぐ!
「ぐぬぅ」
だめだ、鎧を少し溶かしただけで肉まで届いていない。
対魔法の防具がこれほど厄介だとは。
「マナは下がって!ここは僕がっ!!」
しかしマナが声を上げる。
「私だって強くなったんです!好きな人の!隣で!戦えるほどに!」
マナの体から薄い青色のオーラが立ち昇る!
馬鹿な!?魔法使いのマナの体から闘気だって!?
「いつも見ていたんです。貴方の事を!私も共に戦います!!」
そしてマナはその技名を叫ぶ。
「“エターナルフレアソード!”“流星剣”!!!」




