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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
蓬莱大陸編
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攻城戦2

 よし!次はオーク部隊だ!


 目の前でトロールたちがやられたにもかかわらず、オーク達は自分たちの陣形は崩さず、黒いオーラを纏い大きな盾を構え真っ直ぐに進軍してくる。


 オークジェネラル、全身鎧で覆われたその装甲は厚そうだ。


 それが一万ほどか。


 斧や棍棒を手に迫って来る。


 トロールに時間を割きすぎた。


 時間をかければかけるほど、敵に包囲されてしまう。


「マナっ!」


 僕が叫ぶと、マナが僕の言いたいことを察したのか、“エターナルフレアソード”を発現し、切っ先を伸ばし横なぎにする。 


 オーク達はそれを大盾で受ける。


「ぷぎゅるぅうううぅう」


 切っ先を伸ばしているからとはいえ、三匹ほどしか倒せていない!


 マナが悔しそうに、


「接近戦じゃないときついです!盾に恐らく魔法防御が施されています!」 


 さすが邪神軍。準備は万端と言うわけか。


 しかしこれだけ密集していれば!


 僕は頷くと、“神気”と“魔力”を同時に高める。


 馬上の僕から光の柱が天へと轟く。 


 いくぞっ!



「 “真竜・勇者の一撃”ドラゴンロードブレイブソード!!!」



 城門を削りながら、オーク達の頭上に振り下ろされる。 


 それを直線状にいるオーク達が盾を上にあげ、押しとどめる。


 これを受け止めるのかよっ!


 さすがオークジェネラルの集団だ! 


 僕は剣を振り下ろしながら声を荒げる。


「マナっ今だ!!!!!」


「――――神級魔法!“エターナルフレアソードっ!!!”」


 隣にいたマナがハッとして、“エターナルフレアソード”を横なぎに払い、オーク達の胴を薙いでいく。

 

 僕の“勇者の一撃”は数百のオークジェネラル達を屠っただけで終わってしまった。


 オーク達が迫って来る。


 白虎の姿になった白虎軍が次々とオーク達に向かって飛び掛かっていく。


 乱戦だ。


 一対一なら白虎軍が圧倒しているが、なにせ相手の数が多い。


 ならばボスだ。オークジェネラル達は白虎軍に任せて、僕らはオークロードを狙おう。


 オークロードは最も城門に近い位置から指揮を出している。


 その前にはさらに精鋭であろうオークジェネラル達がロードを守る様に取り囲んでいる。 


 僕とマナはそこをめがけて“エターナルフレアソード”を振り回し、陣形を斬り崩し進んでいく。


 そしてオークロードを守っている精鋭のオークジェネラルに届く。


 しかしこのオーク達は、ひと際黒々としたオーラを放つ鎧と盾、そして剣で僕たちの攻撃をわずかながら受け止めていく。


 まずい、僕は良くてもマナは魔法使いのローブだけだ。


 接近戦をするには装備が悪い。


 しかもこいつらは強い。


 僕でさえ一匹切り伏せるに、一手では倒せず二手ほどかかっている。


 どうする!?一度引いて白虎軍に任せるか!?


 そう思った時だった。


 遠くから少し間の抜けた声が聞こえてきた。


「らんすちゃーじー!」


 左手から猛スピードでオークジェネラルを吹き飛ばしながら、馬で走り込んできたのはミモザだ!


 猛烈な勢いでオークジェネラルが吹き飛んでいく。


 さすがウリシュナが持っていたヒヒイロカネのランスだ。


 そのまま僕らの目の前を横切り、オークジェネラルを屠りながら右手へ去って行った。    


 今だ!


 呆気にとられるオークジェネラル達を倒し、僕とマナはオークロードに届く。


「オークロード!お前を倒す!」


 オークロードは笑いながら、


「ふしゅふしゅふしゅ。小生意気なガキが二匹か。前菜にもならんが俺が一口で食ってやろう」


 巨大な黒いオーラを纏った戦斧を構え、オークロードが襲い掛かって来た。


 そして僕に向かって戦斧を振り下ろす!


 早い!


 しかも重そうな斬撃だ!


 しかし今の僕ならっ、


「朱雀十剣!!対剣式!一っ!!!」


 刃がついてる武器ならすべて跳ね返す、朱雀十剣の“対剣式”の一だ。


 三で跳ね返すには準備が整っていなかった。


 しかし、オークロードをのけぞらせることには成功した。


 この隙に!


 マナが“エターナルフレアソード”で胴を横に薙ぐ!


「ぐぬぅ」


 だめだ、鎧を少し溶かしただけで肉まで届いていない。   


 対魔法の防具がこれほど厄介だとは。



「マナは下がって!ここは僕がっ!!」



 しかしマナが声を上げる。



「私だって強くなったんです!好きな人の!隣で!戦えるほどに!」



 マナの体から薄い青色のオーラが立ち昇る!



 馬鹿な!?魔法使いのマナの体から闘気だって!?




「いつも見ていたんです。貴方の事を!私も共に戦います!!」




 そしてマナはその技名を叫ぶ。




「“エターナルフレアソード!”“流星剣”!!!」



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