勇者アンフィvs頑鉄2
「“真竜・勇者の一撃”!!!」
姉さまの手加減無しの一撃、光の奔流が頑鉄に向かい振り下ろされた。
これにはさすがの頑鉄も目をむき、
「うおおおおおおっ」
自身の青いオーラが膨れ上がり、二つの腕につけた甲羅に収束していく。
闘気で硬度を上げているんだ。
それでどこまで耐えられるか。
そして姉さまの攻撃を頭上で受け止める。
その邪神すら打ち倒す光の柱を受け留めている。
見学している玄武王すら思わず立ち上がり、勝負に見入っている。
頑鉄の足が地面にめり込んでいく。
「うおおおおああああああああああっ!!」
頑鉄の声が辺りに響き渡る。
そして圧力に耐えきれず片膝をつく。
地面が頑鉄を中心にひび割れていく。
それでもすべての力を振り絞り耐える。
まだ耐えるのか!
これはこれまで戦ったすべての敵の中で最も固い敵だ。
僕ならまだからめ手で戦えるけど、正攻法しかない姉さまにはきつい相手だ。
これで決着がつかないと打つ手がなくならないか。
そして光の柱は徐々に光を失っていき、やがて消え去ってしまった。
姉さまと頑鉄、お互いに荒く息を吐き出している。
いやでも姉さまは技の途中で繰り出すのをやめてしまったような。
「はぁはぁ、これで倒せないとなると、戦い方を変えないといけないわね」
と姉さまが言えば、
「ぜぇぜぇ、なんでもこい、すべてを受け止めて倒してやろう」
頑鉄はまだまだやる気だ。
姉さまはちらりと僕の方を見ると、
「……あまりこれは使いたくなかったんだけどね」
そう言うと、聖剣と神刀を鞘へと戻し、腰に結わえた袋から直接三本目の武器を取り出し、正眼に構える。
そう、三本目の武器、僕の渡したヒヒイロカネの刀を。
姉さまの手元でその刀は鈍く虹色の光を放つ。
「武器を変えたた所で知れたことよ!さあ来い!」
頑鉄がガツンと右と左の甲羅を打ち合わせる。
「では遠慮なく」
そして地面を蹴って地面すれすれを高速で飛行し、頑鉄に迫る。
斜め下に剣を構え頑鉄に向かいその技を放つ。
「“真竜・聖光星爆斬”!!!」
しかし攻撃が当たる瞬間に身をひねり、その軌道を変える。
シュリンッ
姉さまの剣がその甲羅の上部を斬り落とす!
武器破壊だ!
「まだまだっ!」
姉さまが連続で技を放つ。
「“真竜・聖光星爆斬”」
深く踏み込み、もう一撃。
今度は盾の下方を切り飛ばす!
驚愕の頑鉄、しかしすぐに気を取り直し、残った盾で技を撃つ。
「“盾撃”」
「それを待っていたのよ!」
「“真竜・闘撃剣”!!!
姉さまのカウンター技だ!
その刀で相手の闘気を絡めとり、そのまま刀にその力を乗せて放つ。
原理はほぼ朱雀十剣と同じだ。
最高の技を目指すと、行きつく先は同じものになるという事か。
「なっ!」
そうか、闘気技を放てばその分盾の強化に回す闘気が少なくなり、必然的に盾の強度が下がる!
次の瞬間。
攻撃を受けた頑鉄の小さくなった右腕の盾が、今度は粉々に吹き飛んだ。
唖然とする頑鉄の頭に、姉さまはその刀を突きつける。
「まだやる?」
「……いや、降参する」
こうして姉さま、勇者アンフィは玄武族の将軍、頑鉄に勝負で勝ったのだった。




