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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
蓬莱大陸編
355/379

勇者アンフィvs頑鉄

「では頑鉄とアンフィとの試合を始める」


 朱雀城の広大な中庭。


 姉さまは玄武族の将軍、頑鉄と向きあっていた。


 黒い髪に頑強な体格。


 将軍だけあってかなり強そうだ。


 普通なら二メートル近くある頑鉄と対峙して立てば、いかにも頼りなく感じる体格の差だ。


 しかし姉さまは一切ひるまず、闘志を秘めた瞳で頑鉄を見据える。


 さすがは勇者だ。


 何があろうとも揺るがない。


 姉さまはいつも通り、聖剣と神刀を構える。


 対する頑鉄は、両手に盾……?、亀の甲羅型の盾を装備している。 


 全身ミスリルの重鎧に盾二つか。かなり堅そうだ。


 姉さまもいつものフルプレートメイルだ。


「それでは……始め!」


 号令と共に姉さまが後ろにバックステップをし、距離を取る。


 頑鉄は両手に盾を構え、姉さまの様子を窺っている。 


 先に動いたのは姉さまだった。



「まずは小手調べ!“真竜・(ドラゴンロード)“彗星斬り”(コメットスラッシュ)!」



 飛ぶ斬撃だ。“彗星斬り”ならば100%闘気技だからここでも放てるのか。


 何気に“真竜”のパワーワードを入れている。


 かなりの威力の攻撃だ。


 が、頑鉄は右手の盾の角度を変え、その斬撃を受け流した。


 盾はやはり防御重視の戦闘スタイルか。

 

「あんまり時間がないの。さっさと終わらせるわよ」


 姉さまが呪文を唱える。



――――神級光魔法“武装天使鎧”(アームドエンジェル)



 いつもの自己強化呪文だ。姉さまが一瞬光に包まれて、背中から光の翼が出現する。



「もう一発いくわよ!“真竜・(ドラゴンロード)“彗星斬り”(コメットスラッシュ)」 

 


 頑鉄は盾を構えながら、



「芸がない……むっ」



 “彗星斬り”を追いかけて姉さまが超低空で頑鉄に迫る!


 そして“彗星斬り”の着弾と同時に、

 


“真竜・(ドラゴンロード)“流星剣”(メテオソード)!!!」



 “彗星斬り”からの“流星剣”って僕の技じゃないか。


 一体いつの間に覚えたんだ。


 でも一秒間に十数発の剣戟の連続攻撃だ。


 これなら頑鉄の防御も抜けるかもしれない。



 カカカカカカカカッ!!



 しかし頑鉄の持っている盾が、そのすべての攻撃を弾いていく。


 僕は目を見張る。


 外見以上に硬いなあれは。

 

 僕は“鑑定”を使い盾を調べてみる。




 名称:英霊の甲羅


 鑑定:かつて戦った玄武族の英雄の甲羅。闘気を込めると強度を増すことが出来る。その強度はミスリルを越え、神の金属と言われるヒヒイロカネに迫る。



 

 うわお。これは固い。固いよ!


 竜の牙で出来た武器の盾バージョンか!


 それに加えあの巨体だ。


 完全に力負けをしている。

    

 でも攻撃はどうするんだ?守ってばかりでは勝てないぞ


 しかし次の瞬間、頑鉄の体に青いオーラが膨れ上がる。


 何か来る! 



「煩わしい……“盾撃”(シールドバッシュ)!!!」



 “流星剣”を放っていたために避けられず、姉さまは吹き飛ばされる。


 が、空中で回転してダメージを軽減させた。



「はぁはぁ、やるわね……。なら次はこれよっ!“真竜(ドラゴンロード)聖光星爆斬”!!!(ギャラクシーブレイク)」 



 姉さまが突進しながら技を放つ。



 しかしそれさえも甲羅に弾かれ、



「勇者と言うのもこの程度か?“盾撃”(シールドバッシュ)



 吹き飛ばされてしまう。


 これは相性が悪い。


 こうなったらもう大技しかないか。

 

 そう思ってた矢先、姉さまの純白のオーラが天に向かって立ち昇る。


 そうだ。この防御を抜くにはそれしかない。


 姉さまの持つ最大の大技。



 聖剣と神刀を上段に構える。



 そして頑鉄を見据え、叫ぶ。



“真竜・勇者の一撃”ドラゴンロードブレイブソード!!!」



 姉さまの手加減無しの一撃が頑鉄に向けて振り下ろされた。


 

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