勇者アンフィvs頑鉄
「では頑鉄とアンフィとの試合を始める」
朱雀城の広大な中庭。
姉さまは玄武族の将軍、頑鉄と向きあっていた。
黒い髪に頑強な体格。
将軍だけあってかなり強そうだ。
普通なら二メートル近くある頑鉄と対峙して立てば、いかにも頼りなく感じる体格の差だ。
しかし姉さまは一切ひるまず、闘志を秘めた瞳で頑鉄を見据える。
さすがは勇者だ。
何があろうとも揺るがない。
姉さまはいつも通り、聖剣と神刀を構える。
対する頑鉄は、両手に盾……?、亀の甲羅型の盾を装備している。
全身ミスリルの重鎧に盾二つか。かなり堅そうだ。
姉さまもいつものフルプレートメイルだ。
「それでは……始め!」
号令と共に姉さまが後ろにバックステップをし、距離を取る。
頑鉄は両手に盾を構え、姉さまの様子を窺っている。
先に動いたのは姉さまだった。
「まずは小手調べ!“真竜・“彗星斬り”!」
飛ぶ斬撃だ。“彗星斬り”ならば100%闘気技だからここでも放てるのか。
何気に“真竜”のパワーワードを入れている。
かなりの威力の攻撃だ。
が、頑鉄は右手の盾の角度を変え、その斬撃を受け流した。
盾はやはり防御重視の戦闘スタイルか。
「あんまり時間がないの。さっさと終わらせるわよ」
姉さまが呪文を唱える。
――――神級光魔法“武装天使鎧”
いつもの自己強化呪文だ。姉さまが一瞬光に包まれて、背中から光の翼が出現する。
「もう一発いくわよ!“真竜・“彗星斬り”」
頑鉄は盾を構えながら、
「芸がない……むっ」
“彗星斬り”を追いかけて姉さまが超低空で頑鉄に迫る!
そして“彗星斬り”の着弾と同時に、
「“真竜・“流星剣”!!!」
“彗星斬り”からの“流星剣”って僕の技じゃないか。
一体いつの間に覚えたんだ。
でも一秒間に十数発の剣戟の連続攻撃だ。
これなら頑鉄の防御も抜けるかもしれない。
カカカカカカカカッ!!
しかし頑鉄の持っている盾が、そのすべての攻撃を弾いていく。
僕は目を見張る。
外見以上に硬いなあれは。
僕は“鑑定”を使い盾を調べてみる。
名称:英霊の甲羅
鑑定:かつて戦った玄武族の英雄の甲羅。闘気を込めると強度を増すことが出来る。その強度はミスリルを越え、神の金属と言われるヒヒイロカネに迫る。
うわお。これは固い。固いよ!
竜の牙で出来た武器の盾バージョンか!
それに加えあの巨体だ。
完全に力負けをしている。
でも攻撃はどうするんだ?守ってばかりでは勝てないぞ
しかし次の瞬間、頑鉄の体に青いオーラが膨れ上がる。
何か来る!
「煩わしい……“盾撃”!!!」
“流星剣”を放っていたために避けられず、姉さまは吹き飛ばされる。
が、空中で回転してダメージを軽減させた。
「はぁはぁ、やるわね……。なら次はこれよっ!“真竜聖光星爆斬”!!!」
姉さまが突進しながら技を放つ。
しかしそれさえも甲羅に弾かれ、
「勇者と言うのもこの程度か?“盾撃”」
吹き飛ばされてしまう。
これは相性が悪い。
こうなったらもう大技しかないか。
そう思ってた矢先、姉さまの純白のオーラが天に向かって立ち昇る。
そうだ。この防御を抜くにはそれしかない。
姉さまの持つ最大の大技。
聖剣と神刀を上段に構える。
そして頑鉄を見据え、叫ぶ。
「“真竜・勇者の一撃”!!!」
姉さまの手加減無しの一撃が頑鉄に向けて振り下ろされた。




