ミオ対白虎神
地底湖の真ん中に島があり、そこで神々しい白い虎が寝そべっている。
ミオを見ると、その白虎は巨大な頭を上げ、口を空けた。
「ほう。ついにここへたどり着いた者がいるか」
その言葉は、ただの言葉であるのに重圧を持ってミオの頭に響く。
ミオはその場で立ち止まる。
「どれ、もすこしこちらへ来なさい。って、白虎族じゃない?猫族?豹族?でないか?お主?え?まじで。なんで?」
白虎神は混乱してるようだ。
仕方なくミオは、
「強くなるために、ここの洞窟に入りなさいと言われたにゃ」
説明する。白虎神は一瞬の間を経て、
「へ?ふーん。そゆこと?……まあ、一族に連なる者とかなら良いって許可は出したけどさ」
一応よかったらしい。
「でもさ……最強であるはずの白虎族が辿り着く前に、他の猫族が辿り着くってどゆ事なの……」
まだぐちぐちと言っている。
ミオはイライラとしてきて思わず、
「こっちは時間がないにゃ。さっさとやるならやるにゃ!」
白虎神は少し傷ついたように、
「あ、うん。そうだね。ごほん。えーと。では我と?戦ってもらおうか。勝てれば褒美をやろうぞ」
今更重々しく言っても遅い。
「こっちは準備できてるにゃ!」
白虎神はのそりと起き上がると、
「どれ、それじゃもんでやろうか」
「いくにゃっ!」
ミオがそのまま、地底湖の上を走って白虎神の元まであっという間に走り込む。
白虎神が姿勢を低くし、走り込んだミオを撃ち払おうと右手を上げる。
白虎神の薙ぎ払い!
ミオはジャンプし、その薙ぎ払いをかわすと、宙を蹴って無理やり自身の角度を変え、白虎神の顔に向けて殴りかかる。
ミオの腕に装備されたヒヒイロカネのツメが、鈍く七色の残像を残し白虎神の頬に突き刺さり、そのまま白虎神を殴り飛ばした。
「ヴゥオウッ!?」
自分よりはるかに体重の軽いはずのミオに殴り飛ばされ、驚愕の白虎神、だがミオはそのまま攻撃をやめず追撃する。
“幻影突き”!!!!
ミオの体が何体にもブレて幻影を出しながら白虎神に向けて突きを放つ。
白虎神はその巨大な腕でミオの攻撃を防御し、そして、
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおぉお」
衝撃波を伴う雄叫びを放った。
空中にいたミオはそのまま吹き飛ぶが、途中宙返りをし姿勢を正すと地面に着地する。
「あぶないあぶない。あっという間にやられるところだった」
白虎神が思わずつぶやき、ふーっと息をつく。
「なるほど、ヒヒイロカネのツメに技持ちか。まだまだ力を隠している。そしてそこまで力を持っていながら更なる力を求める。一体相手は何だ?」
ミオは息一つ乱さず、
「黒龍と……邪神にゃ」
言い切る。
白虎神からのプレッシャーが強くなっていく。
「……なるほどな。確かにお主の体はもう限界だ。力に体が追い付いていない」
来る……。ミオは低く構え、攻撃に備える。
「確かに我ならばそなたを鍛えられよう。……なるほど、これぞ天の采配か」
白虎神が低く構えを取る。
「では行くぞ。これを耐えればそなたに新しい体をやろう」
白虎神が吠えた。次の瞬間あっという間にミオの目前まで走り込む!
「見事受けてみよ!“白虎神拳”!“残影ひっかき!”!!」
白虎神の巨大な腕が残像を残して斬りかかって来る。
防御か!?いや、それはミオの性格じゃない!
攻撃には攻撃で迎え撃つ!
ミオの体から橙のオーラが立ち昇り、力の限りその技の名を吠えた!
「ああああああああああっ!!!!“捨て身ひっかき”」




