表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
蓬莱大陸編
351/379

ミオの行く場所


「今より、もっとにゃ?」


 蘭青将軍は頷く。


「はい。我ら白虎族の修練の場。今は亡き白虎神が残した洞窟があります。そこへ行くのです。猫族の貴方様ならば、白虎神の加護も受けられましょう」


 ミオは即答する。


「やるにゃ。今より強くなれるのならにゃんでも」


 蘭青は頷くと、


「では時間がありません。この後さっそく部下に案内させましょう」


「にゃ」


「場所はここからだとそう遠くありません。白虎の神域ですので他の者は入れませんが」


 そうすると、ミオとは別行動か。


「では私は玄武城へ。移動はオルターに竜になってもらっても?」


 僕は頷く。まったく姉さまは人使いが荒い。


 蘭青将軍が、


「玄武城へは私も共に参ります。頑固なやつらですが、さすがに今回は力を貸してくれるでしょう」


 僕は、


「戦場はどうなる?あの様子だと、深く攻め込まなければ邪神は出てこないだろうが、油断はできないだろう」


「戦線は維持します。この戦い、あくまで主役は勇者の力。アンフィ様が戻るまで、ここで耐え凌ぎます」


 ミモザが口を開く。


「ええ。なら居残り組でこの戦場、頑張って守り抜きましょう。いえ。どうせなら敵を殲滅してしまいましょうか」


 ミモザがそう言えば、リヨンが両こぶしを打ち付けて、


「それはいい。アンフィとオルターに邪神だけ残しておくことにして、後は全部やってしまおう」


 珍しく冗談を飛ばす。


 いや、これは本気か?……ほんとに実行してしまいそうな気もするけど。


「じゃあ僕らはさっそく玄武の領地へ。あとのこと、皆頼んだよ。無理はしないで、邪神が出たら引くんだよ」


「ええ、任されました」


「はい!」


「お気をつけて!」


「いってらっしゃいませ!」


「おう!」


 僕はテントを出ると、スカイドラゴンへと変化する。


 そして背中に姉さまと蘭青将軍を乗せると、一路、玄武の城へと飛び立ったのだった。



****


***


**




 ミオは一人、洞窟の中を奥へ奥へと進んでいた。


 ここは白虎の神域、修練の洞窟。


 光る苔が所々群生しており、ほのかに明るい。


 白虎の城の後方にそびえる、白虎山。


 山の麓に開いたその洞窟の入口から、入ってどれくらいの時が過ぎたのだろうか。


 この洞窟に入る折、説明は受けている。


 洞窟に入り、数百ある分かれ道を、これと思うほうへと歩く。


 ただそれだけだ。


 たいていの者は何もなく、外に繋がる道をただ歩くだけで終わってしまう。


 だが、その者が力を求めている場合、それがふさわしい相手へと自然と出会い、その相手に勝利すると力を授かることができるという。

 

 その相手は白虎神が作り出した思念体で、その姿は千差万別、過去にはゴブリンの姿から、この大陸にはいないはずの竜種の姿に出会ったものもいたらしい。


 その洞窟をミオは一人進む。


 猫族のミオにとって、かすかな光源の苔でも、真昼のようにあたりを照らして見えている。


 迷いなく、進む。


 この洞窟に入った時から、ミオはその存在に気づいていた。


 力強く、温かい。


 そして、その存在がミオを呼んでいる。


 数百の分かれ道を、迷いなく一直線に進んでいく。


 ミオは自分の心臓の鼓動が高鳴っていくのを感じている。


 ―――強い相手だにゃ。


 ただし、プレッシャーはない。


 温かく、包み込むかのような、それでいて厳しい強さを持った存在。



 どれくらい歩いただろうか。



 ひたすら歩く。その先に。



 最後の三叉路を迷いなく真ん中を選び、辿り着いたそこは地底湖だった。



 そして出会った。



 その姿は通常の三倍はある白い虎。



 光り輝くその姿は神々しささえ感じる。



 まごうことなき白虎神がそこにいた。 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ