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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第三章
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決戦聖王国シーサ4

本日2回目の更新です。


「よくぞ参った。オルター・ドヴェルクよ。私がシーサ国王シメオン三世である」


 マナを癒した後、僕らは国王に呼ばれ、王の前に連れてこられた。

 王はまだ若く、三十代後半だろうか。神官のような金糸で綴られた長いローブを纏っている。

 王の左手に神官長、右隣にはおそらく娘、皇女だろう少女が立っており、その隣は杖を持った黒いローブの老人が控えている。こちらは宮廷魔術師だろうか。


「くるしゅうない面を上げよ」


「はい」


 ここに居るのは、僕とティーリンとマナだ。


「マナよそなたの呪いを祓えたそうだな」


「はい、オルター様に解いていただきました」


「にわかには信じられんが。神官長にすら解けなかったのだが」


 マナが紺のローブの右腕をめくり右手をあらわにする。


 どこからともなく、おおっという声があがる。


 マナのおぞましい呪いはもはや周知の事実だったらしい。


「オルターよ。マナに掛けられた呪いを解いたことに礼を言おう。どのようにして解いたか聞かせてもらえないか」


 僕は答える。


「はい。ディスペルマジックで解かせていただきました」


 魔法使いの老人が声を上げる。


「まさか。ディスペルマジックで解けるはずがない! わしにも解けなかったのだぞ」


 僕は少し困った顔をした。


 老人の目が険しくなる。


「ではそなた……、呪文を弄ったな? 」


 さすが宮廷魔術師。弄ったことがわかるとは。


「いえ、古竜(エンシェントドラゴン)から授かった特別なディスペルマジックです。私以外には使えないそうです」


 老人の顔が驚愕に歪む。


古、古竜(エンシェントドラゴン)だと…………」


 王様が感嘆の声を上げた。


「そなたはその歳で竜の試練をクリアしたというのか! 」


「はい。先ほど帰ってまいりました」


「なんと。これはシザリス様のお導きじゃな……」


 僕は続けて言う。


「このまま敵軍をせん滅した後、デスタイラントを討伐しに行こうと思います」


 王様は一瞬驚いたが、


「簡単に言ってくれる。そういう所は勇者にそっくりじゃな」


 どうやらアンフィもここに寄ったらしい。


「仲間はその方らだけか? 」


「いえ、あと三名います。ユニコーンと武闘家、あと今は別行動ですが賢者マリーナもです」


 賢者マリーナの名前を出すと、小さくおお、と声が上がった。


「ほう。誰の要望にもこたえず、孤高の賢者と言われるマリーナもか。おや。僧侶はいないのか?」


「はい」


「そうか……神官長、誰か出せぬか?」

 

 おお。僧侶はぜひ仲間にほしい。


「聖女アンリと同じくらいの腕となると……。すぐには難しいですな」


 壮年の神官長は思案顔だ。


「お父様。私が行きます」


 突然王の隣に控えていた女性から声が上がった。

 白に赤い模様の入ったローブを着ている、鮮やかな水色の髪を後ろで縛った、おそらく16,7歳の少女だ。


「皇女様なら、確かに聖女アンリに勝るとも劣らない実力がありますな」


 神官長は頷く。


「む。お前か。しかしお前をそんな危険なところに行かせるわけには……」


「どちらにせよオルター様が負ければ人間の世界は終わりです」


 むう、と王様は唸った。


「では皇女様には聖女の称号を与えましょう」


 神官長が言った。


 皇女はにっこりと笑う。笑うとえくぼができて愛らしい顔になった。


 王様は深く息をすると、


「しょうがない。では第二皇女ミモザよ。いや、聖女ミモザよ。オルターと共に勇者を助け出し、魔王を撃ち滅ぼしてくるのだ」


 ミモザは頷く。

 花のような笑顔を浮かべると、


「オルター様。シーサ国第二皇女ミモザです。これからどうぞよろしくお願いします」


 僕は内心驚愕したが、顔に出さずに頷いた。


「はい。こちらこそ。オルター・ドヴェルクです。よろしくお願いします」

 


  こうして皇女ミモザが仲間になった。





 

どうしてもキリがいいところだと話が短くなってしまう。

毎日更新っていうのはなかなか難しいなぁ。


面白かったら、よければブックマークに入れていただくか、評価を入れてもらえると飛んで喜びます。

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