vs邪龍
――――神級光魔法“武装天使鎧”
「みんな、先に行くよ!、ミオ!」
僕は光魔法を唱え、背中に生えた翼で羽ばたきながらミオと並走する。
「にゃ!」
さすがミオ、低空で飛ぶ僕と同じスピードで戦場を走る。
「気付かれたにゃ!」
「ああ!」
邪龍の首の一つが、僕達の方を見て大きく息を吸い込んだ。
この動作は……ブレスか?
そして弾丸のような速度で近づく僕とミオに炎を吐き出す。
ミオは炎が届く直前、あり得ない角度で横へ飛び、それを回避する。
僕は、
「僕には炎は効かない!対炎式、二っ!!!」
ヒヒイロカネの刀が炎を絡めとる!
速度は落とさず、僕は弾丸になって炎を纏い、首を掻い潜る。
そのまま首の根元にヒヒイロカネの刀を根元まで突き入れ、衝撃と共に着地する。
うぐぅ、衝撃が僕の体を駆け抜ける。
首の根元を足で踏みつけ、突き入れた剣を引き抜く反動でいま一度空に飛び上がる。
僕の頭の上を首の一つが落ちていく。そして轟音と共に地面へと激突する。
よし、一つ!
しかしそのことに気が付いた他の首が僕を見つけ、噛みつこうと空を噛む!
巨体のくせに動きが早い!
しかし、僕だけに気を取られていいのかなっ!
ミオが側面から走り込むのが目の端に写り込む。
「くらうにゃああああああ!!!!」
ミオがそのヒヒイロカネのツメを心臓の一つに突き入れる!
一撃入れ、離脱する。
首の一つがまた地面に落ちていき、轟音を立てる。
これで二つ!
のこり三つ!
「「「ぐぎゃおおおおおおぉぉぉ!」」」
こいつ、知性はないのか!?
半狂乱になって暴れだし、始末に負えない。
ミオと僕は一旦距離を取る。
そこへ馬に乗ったミモザが僕らと交代するかのようにランスを構え、
「行きます!ランスチャージ!」
邪龍へと突き進む。
首の一つがそれに気づき、ブレスを吐こうと天を仰ぎ息を吸い込む。
「チェインバインド!」
そこを追い付いたリリアンが、首の根元から口の先まで魔力で作った巨大な鎖で固定する!
「ハッ!」
ミモザがランスを突き入れ、心臓の一つを貫く。
巧みに馬を操り、一旦距離を取る。
これで残り二つ!
馬から転がり下りたリリアンに向かい、首の一つが勢いよく噛みつこうと襲い掛かる。
まずい、ここからだと間に合わない!
しかし、その周りを取り囲んだ紅の牙の半巨人族のロミが、首を盾で殴り飛ばした。
その隙にセルフィがライトニングを目に当て、邪竜の首を怯ませる。
おおーさすがに皆強くなってる。
リリアンの守りは紅の牙に任せよう。
さあ、もう終わりにしようか。
僕は空中で気と魔力を練り上げる。
邪竜はミモザとミオに気を取られ、こちらには気づいていない。
本日二回目のっ!!
“真竜・勇者の一撃”!!!
空中から地面へと叩きつけるように放つ!
僕の一撃は頭の一つと胴体の一部を消滅させた。
すぐに傷口からぶくぶくと黒い液体を垂らしながら再生が始まるが、首を掻い潜ったミオとミモザのチャージが、残りの邪龍の心臓に止めを刺した。
邪龍の後ろを進軍していた黒龍軍はそのまま慌てふためいて逃走する。
そりゃそうだろう。
無敵だと思えていた邪龍をあっさりと倒されてしまったら、士気なんかあったものじゃない。
姉さまの方を見ると、最後の首の根元をリヨンが“白神拳・神撃”で叩き潰したところだった。
えっあの固い鱗ごと粉砕したのか。
リヨンもめちゃくちゃ強くなったなぁ。
姉さまと目が合い、お互い頷くと、左翼の邪龍へと向かう。
さっさと残りの邪龍も片付けてしまおうか。




