表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
蓬莱大陸編
341/379

窮地


「かはっ」


 盛大に血を吐く。


 その赤黒い閃光は、私の光の鎧を貫通し脇腹に穴を開ける。


 なんとか致命傷は避けたか。


 しかし体から力が抜けていく。


 さらに一発。肩を貫通し、もう一発、頬をかすり血がパッと宙を舞う。


 次の一発は何とか体をひねり、しかし避けきれず太腿に穴を開けた。 


 くっだめだ、魔力が乱れて翼の制御が効かない。


 気を失いそうになるのを気合で耐えるが、体はきりもみしながら落下していく。



「アンフィ―っ!!」



 竜体のラフェが、落下する私の下に回り込み、ミモザが私を受け止める。

 

 いけない、ラフェでは体が大きすぎる。蜂の巣にされてしまう。


 そう考えている間にも、城から飛んできた赤黒い閃光がラフェの翼の皮膜に穴を開ける。


 しかしラフェはそのままぐんぐんと速度を上げる。


 白や青の龍たちが、黒龍たちを押さえてくれてる。


 白雪も両親と合流した時点でスカイヤと一緒に離脱したようだ。



 追撃は……来ない、か?



 あれだけの威力の攻撃だ。連続して放てるわけではないのだろう。


 なにしろ神級光魔法“武装天使鎧”(アームドエンジェル)の装甲を貫いた攻撃だ。


 放ったのは魔王級以上の強さを持った奴だ。


 ミモザが私の傷を治そうとして、悲痛な声を上げる。


「駄目です!私では治せません!黒い斑点が……。呪いも一緒に喰らっています!」


 そうか。これを放ったやつが白雪に呪いをかけた張本人と言うわけか。


 城の方から闇のプレッシャーが膨れ上がっていく。


 何か来るっ……。


 赤黒い閃光を放った何かがっ。


 そしてそれは闇の奔流と共に姿を現した。


 城から出てきたのは黒刃を二倍にしたような巨大な黒龍。


 遠目でもわかるぐらいに黒いオーラが体を覆っている。


 こいつは……やばい。


 魔王……いや、それ以上の強さを感じる。


 その黒龍は空へうねる様に飛び上がり、



「グオオオオオォオォオオオオオォオォオオオ」



 雄叫びと共に私たちの後を追う。


 ミモザが、



「ラフェっ!敵が追ってくる!」 



 ラフェは力強く羽ばたきながら、


「私のが早いはず!……くそっ翼の傷があるから微妙かっ」


 ミモザがマントを切り裂き、私の傷の応急手当てをする。

 

「追い付かれたら戦うしかない」


 私は“自動体力回復”のスキルを使い、なんとか傷を塞いでいく。 


 しかし完全回復には程遠い。


 まだかなり距離があるが、少しづつだが差が縮まってきている。


 時間が欲しい。回復する時間が……。

 

 どれくらい飛んだだろうか。もはや黒龍の顔がはっきりわかるぐらいに近づいている。


 もう追い付かれるのは時間の問題か。


「追い付かれる!やるしかない!」


 しかしその瞬間。


『そのまま飛び続けて!』


 頭の中で声が聞こえた。


 前方から青いものが近づいて来る。


 スカイドラゴンだ!


 王と王妃を置いて戻って来てくれたのか!?


 しかしよく見るとスカイドラゴンは鎧を身に着けていない。


 それじゃあ、あれは…あれはっ!


 ミモザの歓喜の声と私のあげた声が一致した。



「「オルター!!」」



 スカイドラゴンに変化してるオルターは私たちと一瞬で交差すると、



「よくも皆を傷つけてくれたなっ!」



 そのまま黒龍に飛び掛かった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ