退却
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黒龍の黒刃は一瞬怯む。
「ゆ、勇者だとっ……!?戯言をっ!!」
次の瞬間。
黒刃の枝分かれした角から電撃が迸り私に向かう。
「ガアアアアアアアッ」
さっきは油断したが、二度も同じ技は喰らわないっ。
電撃を聖剣で絡めとる。
私に属性攻撃は効かないっ!
絡めとった電撃を剣に乗せ、真竜のパワーワードを追加し黒刃に向かい斬りかかる!
“真竜・電撃剣!!!”
「くそがあっ」
黒刃は慌てて爪に黒いオーラを纏い何とか受け止める!
「人族のっ、勇者がっ、なぜここに居るっ!」
どうやら黒刃は私を勇者と認識したようだ。
「それは自分の胸に聞いてみるんだなっ!」
と、白虎の王の言ったことを思い出し、カマをかけてみる。
黒刃は目を見開く。
「ばかなっ我らが野望が漏れるはずがないっ!!」
この反応っ!まさか本当に邪神が絡んでいるのか!?
聖剣と神刀が黒刃の爪と牙に弾かれ、白い火花を散らしていく。
そのまま空中を飛びながら、黒刃と刃を交わす。
まずい、こいつ一体を相手にするのに精いっぱいだ。
他の黒い黒龍達は私と黒刃を追い抜き、空高く飛ぶスカイドラゴン、スカイヤへと迫る。
「させないっ!!」
そこへラフェに乗ったミモザが黒龍達の前に立ちはだかる。
「ぼくたちもっ!」
先ほど白雪の声で寝返った、白や青の龍たちが黒龍達へと襲い掛かる。
その間にスカイドラゴンへと王と王妃が辿り着いた。
よし、あとは引くだけだが……。
予定通り王と王妃を背に乗せたスカイヤは、そのまま逃走に入る。
「ラフェっ、アンフィ、先に行くぞっ!」
スカイドラゴンが本気で飛べば龍たちは追い付けない。
激怒した黒刃が、
「殺す!お前だけはっ!!」
半狂乱になり爪と噛みつきで襲い掛かって来る。
それを聖剣と神刀で受ける!
ぐっ巨体なだけあって一撃一撃が重いっ。
「ラフェっ、引くわよ!!!」
しかし、
「させぬ!!!!!」
執拗に迫る黒刃が、退却する隙を与えてくれない。
私は焦る。
黒龍達は次々と地上から龍化し増えていく。
さすがに数で囲まれたらまずい。
私は戦いながら上昇し、ラフェと合流する。
「こいつの相手を一瞬お願い!」
ラフェの背のミモザが返事をする。
「了解!」
「グオオオオォォォォォ」
ラフェが雄叫びを上げ、黒刃に向かい盛大に炎のブレスを吐く。
さすがにたまらなかったのか黒刃が後ろに下がる。
よし、隙が出来たっ。
私は急ぎ集中し、光の魔力を練り上げる。
「これでも喰らえっ!!!!」
練り上げた光の魔力が天を貫く。
「“真竜・勇者の一撃”!!!」
天を貫いた光の柱を振り下ろし薙ぎ払う!
その光は、かわそうとした黒刃に突き刺さり右腕を吹き飛ばした。
「グオオオオアァアアアァァァァァァァァ」
絶叫を上げながら黒刃は地上に向けて落ちていく。
よしっ手ごわい敵はいなくなった。
今度こそ退却をっ、と、思った時だった。
城から放たれた赤黒い閃光が私を貫いた。




