襲撃
「敵襲!敵襲だ!」
「ええい見張りは何をやっていたんだ!」
「空から来たんだ!見えるわけがない!」
「国境の警備隊は一体何をっ」
「北からだ!山を越えてきた!」
「龍化できるものは空へあがれ!竜だ!竜族が来たぞ!」
「なぜ竜族がっ!?」
処刑の前日。
深夜に私たちは龍族の本拠地、白聖城へ夜襲を掛けた。
先に陽動で動いたラフェと、その背に乗りランスを構えたミモザの単騎による空襲で、眼下に見える龍の本拠地、白聖城は大混乱しているのが見てわかる。
今回は戦闘が主目的ではないので、メンバーは私アンフィ、スカイヤの背にマナとミオ、白雪。
ラフェの背にミモザだ。その他のメンバーは白虎の国へ置いてきた。
「わらわが兵の気を引く。その間に頼む」
「無茶しないで、二人を助けたらすぐに戻る」
そう言い、私は呪文を唱える。
――――神級光魔法“武装天使鎧”
私の体の鎧が白く輝き、背中に天使の翼が生える。
そして竜体のスカイヤの背から飛び降りる。
スカイヤの背に設置された鞍からマナが、
「気をつけて!白雪は私たちに任せてください!」
その言葉を背に受けながら、
「ああ!」
私は眼下の城、目指すは東の塔。白雪に教えてもらった王と王妃の監禁場所へ高速で移動する。
早さが勝負だ。
白い閃光となって塔へと落下する。
そしてスカイヤから飛び降りたもう一人、白雪が龍化する。
月夜に突如現れた純白の龍は、その鱗を煌めかせながら言い放つ。
「兵達よ!剣を収めなさい!龍の国は神代より連なる正当な王の物。決して黒龍族の物ではない!」
動揺と共に戦場が一瞬凍り付く。
その隙に。
そのまま塔の最上階、天井部分を、“聖光星爆斬”で吹き飛ばす。
居た!
白髪の老人と、壮年の女性だ。
「碧炎王とお見受けする!失礼!」
私は急ぎ着地するとそのまま、驚いている二人の手枷と足枷を神刀をふるい破壊する。
「そ、そなたは一体……」
「説明は後です!引きます!龍化して空へ!空の青い竜の背に乗ってください!」
「み、味方なのか、ああ、分かった。いくぞ」
さすがに王だ。判断が早い。
「は、はい」
二人は巨大な龍へと変化し空へと飛び立つ。
私は最後に飛び立ち二人の後を追う。
空には色とりどりの龍達が空へと上がっているが、
「し、白雪様が生きてらした!俺は白雪様に着く!」
「お、俺もだ!」
どうやら白雪は死んだものとして扱われていたらしい。
大した人気だ。
これなら城の奪回もできるかもしれない。
私がそう思ったその時、私の後ろで殺気が膨れ上がった。
次の瞬間私の体を電撃が駆け抜ける。
「かはっ」
油断した。
私は上へと飛びながら、今攻撃してきた方向へと体を反転させる。
黒い軍団だ。
黒龍か!いや、こいつは……。
「誰かと思えばこの前の竜族どもか!!!させぬ!わが王の邪魔をされてたまるか!」
猛スピードで追撃してくる。
私は上へあがるのを諦め、空中で静止する。
ここは私一人で黒龍達を押さえ、皆が逃げる時間を稼がなければ。
「誰かと思えば!ハッ!この前尻尾を巻いて逃げて行った黒龍か!」
「ぬかせっ!」
その目は赤く爛々と輝き、黒い巨体は月の光を反射し滑らかに空を飛ぶ。
「たかが人族が、大したことをほざくな。すぐに我が爪で引き裂いてくれるっ!」
私は両手に聖剣と神刀を構える。
聖剣と神刀が月の光を受けて白く輝く。
そして言い放った。
「いいだろう、お前の相手は私だ。この勇者アンフィが受けて立つ!」




