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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第一章
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旅立ち


 真っ青な晴れの世界に古澤勇はいた。


 見渡す限り青、青、青。雲すらない晴天の世界だ。


 高校生の僕はそんな世界に居た。


 そして目の前に光り輝く女神さまがいた。


 遠くをよく見ると女神さまのように光り輝く光の柱が何本も存在していた。 


 スキル…“模倣”


 それが僕に与えられたスキルだ。


 どんな技術も戦闘スキルもすべて見るだけで使えるようになってしまう、とんでもないチートスキルだった。


 そうか。僕はこのスキルを無意識のうち使っていたらしい。


 どうりで鍛冶も魔法もすぐに使えるようになってしまったわけだ。


 僕の使命は世界に平和をもたらすこと。


 勇者ではない。勇者を支える存在として僕は女神に召喚されたのだ。


 しかし何の因果か、オルターとしての僕は争いごとに向いていなかった。


 勇者と一緒に旅に出るはずが、僕は行かなかった。


 結果、勇者は敗北した。


 だけど、まだ間に合うかもしれない。


 魔王城に乗り込み、姉さまを助ける。


 そして二人で協力して魔王を倒す。


 よし、姉さんのあとを追いかけよう。


 僕は覚悟を決めた。




 ***




 僕が鍛冶場に行くと、グリムは剣を打っていた。


 作業をやめることなく、グリムは言った。


「いくのか」


 僕も短く答える。


「はい」


「それを持っていけ餞別だ」


 テーブルの上には頑丈そうな麻袋があった。南京袋というやつか。


 中を見てみる。


 まず、最初に一振りの小刀が目に入る。


 この剣は…ずっと飾ってあった、師匠の最高傑作。


 月が出てる間は刀身が光る、月灯の小刀。

 

「防具は全部自動で大きさを調節してくれる魔法の鎧だ」


 グリムは振り返ることなく言った。


 鎧が入っていた。すべて超高級品だった。


 ミスリルの鎖帷子


 深い青色の模様の入った、アダマントのフルプレートメイル


 濃い赤に染め上げられているドラゴンの皮から作り出したマント


「その袋には内側に拡張の魔法がかかっておる。見た目の三倍ぐらいのものまで入れられるぞ。重さもほとんど感じさせなくなるはずだ。魔道具の金床とインゴットも入れておいた」


 ミスリルのインゴット、オリハルコンのインゴット、アダマントのインゴット、ゴールドのインゴット、そして見たことのない虹色のインゴット。


「師匠これは……? 」


「ヒヒイロカネのインゴットだ」


「伝説の金属じゃないですか」


 いや、伝説と言えばオリハルコンも伝説級ではあるのだが、さらに比べ物にならないぐらい貴重なのだ。

 採掘したときから魔力がこもっている金属で、小指の爪ほどの大きさでも城が買えるという話だ。


 そのインゴットが三つも入っている。


「お前なら必要な時に使うことができるだろう」


 僕はそっとインゴットを戻すと袋を背負った。


「師匠…いえ、(とう)様。ありがとうございます」


 一瞬グリムの手が止まった。


 照れくさいのかそのまま、右手を軽く上げた


「それでは行ってきます」


 こうしてグリムの金属をたたく音を聞きながら僕はドワーフの里を後にした。



 と思ったら、里の入口で僕を待ってる人がいた。


 賢者マリーナと、エルフの里に武具を届けるたびに、なんだかんだ言ってつっかかってきた、ハイエルフの少女ティーリンだった。


 マリーナは1000年以上生きているのに、外見は20代ぐらいにしか見えない。白いローブと節くれだった杖を持っていた。


 髪の色は紫色に輝き、瞳は灰色、眼光は鋭く、常にどこか遠くを見ているようだ。


 あと胸が大きい。ローブの上からわかるぐらい大きい。


 おっぱい星人古澤勇がちょっと顔をのぞかせて、いかんいかんと頭を振って追い出す。


 ハイエルフの少女ティーリンはきれいに染め上げられた緑色のチュニックに長ズボン、チュニックの上に皮鎧、腰にはレイピア、背中に弓矢を背負っていた。


 金色の髪、薄い碧の瞳。耳はエルフらしく先がとがっている。顔はすべてが整っていてすさまじい美形だ。


 さすがハイエルフ、神々しさすら感じるときがある。だが胸はない。悲しい。


 歳は確か、102歳だったか。ハイエルフの中ではまだまだ子供らしい。


「我々も一緒に行こう。ティーリンも一緒に行きたいそうだ」


「べ、べつにあんたについていきたいわけじゃないんだからね! ちょうど外の世界に興味があっただけだから!」

 

 ティーリンは顔を背けながら言った。

(絵にかいたようなツンデレだよ! )僕は心の中でツッコミを入れた。


 正直一人で行動するのに不安があった僕はすぐさま頭を下げた。


「ありがとう! これからよろしくお願いします」 





 こうして僕らの旅が始まった。




オルター持ち物

 スティック(初心者の魔法用スティック)

 月灯の小刀ショートソード

 ミスリルのトンカチ

 オリハルコンのトンカチ

 ミスリルの鎖帷子(自動サイズ調整機能付き)

 アダマントのフルプレートメイル(自動サイズ調整機能付き)

 ドラゴンの皮から作り出したマント(自動サイズ調整機能付き)

 魔法で通常の3倍入る南京袋(重さが総重量の1%になる機能付き)

 鍛冶道具

 ヒヒイロカネのインゴット×3

 オリハルコンのインゴット×7

 アダマントのインゴット×7

 ミスリルのインゴット×7

 (ゴールド)のインゴット×7

 なめした皮

 ダークグレーの木材

 魔道具の金床

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