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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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凱旋7


 グリフは人間の姿になる。


 こうして見るとどこからどう見ても人間にしか見えない。


 詳しく話を聞いてみると普段は商人ギルドで働いてるらしい。


 シーサ王国もまさか魔神王が自分たちの国で、普通に働いて暮らしてるとは夢にも思わないだろうなぁ。


 残りのグレーターデーモンは全部で十七体だった。


 グリフは彼らに待機を命じると、グレーターデーモン達は自分の影の中に入って消えてしまった。


 いや、一体だけ残っている。


 この一体は僕との連絡用というわけで僕の影の中に入るそうだ。


 許可を求めたので、僕は許可した。


 ただし絶対僕の許可なしで影から出ないという制限付きで。


 僕の影からグレーターデーモンが出たり入ったりするのは勘弁してほしい。


 この一体はグリフと同じ人間体になれるというのでなってもらうことにした。


 グレーターデーモンが影に出入りするのと、人間が影に出入りするのとでは全然違うもんね。


 前者を見られたりしたら兵隊に取り囲まれてもおかしくない。


 人間体は二十代後半ぐらいのスーツを着た真面目そうな女性だった。


 浅黒い肌にストレートの黒い髪。


 どこから出したのか眼鏡を取り出すと、すちゃっとかけた。   


 どこからどう見ても美人秘書だ。


 それにしても女性だったのか。


 僕もさすがに魔神に手を出そうとは思わないけど。


 ミオもこの場に居るから、変に誤解される心配がなくてよかった。  


 まあミオはもうグレーターデーモンに興味がなくなったのか、胡坐をかいてしまっているけど。


 そのグレーターデーモンも僕に一礼すると、僕の影の中に落ちるように入っていった。


 これでおしまいかな?


「私は普段は商人ギルドにいますが、用があるときは影に言って下さい」


 僕は頷く。 


 それにしても人間になったら口調も変わっている。


「それからどこか他の場所に行くときは私も護衛としてついていきます」


 それはしょうがないな。そういう契約だし。


 僕は頷いた。


 いざとなればグリフも影に入ってもらえばいいのかな。


 よし。


 これで全部おしまいだ。


 まさか迷宮から出ても魔神王を相手にするとは思わなかったよ。


 僕とミオは町に帰ることにした。


 もうくたくただよ。


 グリフは少し時間をおいてから帰るそうだ。


 いつもの宿屋に行って宿を取ろう。


 あたりはすっかり暗くなっていたけど、町の正門はまだ開いていた。


 僕らが近づくと、衛兵が気をつけをして敬礼をした。、


「どうぞお通り下さい、ユウ様、ミオ様。王様がお待ちです。お早くお城へ行かれますよう」


 ああ、僕らのために開けていてくれたんだ。


 そういえば迷宮を出てすぐに魔神達と戦闘だったから、迷宮攻略の報告すらしてなかった。


 これは一回お城にいかないとダメだね。


 僕はティノを召喚するとミオと一緒に背中に乗った。


 そのまま真っ直ぐに城を目指す。

 

 町の中の火事はだいぶ収まっていってるようだ。


 けど空気が焦げ臭い。


 まだ燃えてる所もありそうだ。


 僕が元気だったら氷と水の呪文で消して歩くんだけど、何しろもうくたくただ。


 早くお城に行ってしまおう。 


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