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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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凱旋5

 僕は慌てて全速力でグリフから逃げる。


 雷が来るその瞬間。


――――「“受けながし”にゃ!」


 ミオがなにか技を放ち、それと同時にあたりが電撃で激しく明滅する。


 僕はかなりの距離を取って退避した。


 攻撃は一瞬だが効果は絶大だ。


 ミオの居たところを見ると、ミオは何事もなかったかのようにグリフに攻撃している!


 グリフがミオの攻撃を捌きながら絶叫のような声を上げた。


「なぜ喰らわない!!」


「根性にゃ! 受けながしただけにゃ!」


 グリスが今度こそ絶叫した。


「そんな馬鹿なああああっ!!」


 僕も遠くから目を丸くしていた。


 い、いや、いかんいかん。


 すぐに今の“受けながし”を“模倣”させてもらう。


 ……。


 なんだこのチート技は! 


 おそらくブレスなども受け流せてしまうぞ!


 こんな技を持っていたのか。


 いや、最近覚えたんだな。 


 よし、これで接近戦も怖くない。


 電撃を放つ前動作もわかった。


 グリフが魔力を角に廻し、ツノとツノの間に小さい火花が散ったら電撃だ。


 もう怖くない。


 僕はウルヌスに向かって羽ばたいた。


 しかし助っ人はもう必要ないかもしれない。


 ミオだけで勝利してしまいそうだ。


 グリフが瞬間移動した。


 ミオは常に飛び回っているから瞬間移動はあまり効果がない。


 一瞬お互いの位置を確認し、また斬りあいが始まる。


 これでは瞬間移動は使えないだろう。


 動き回るミオの前に出てしまうと、殺ってくださいと言っているようなものだ。


 僕が近づくのを見て、グリフの顔が険しくなった。


 そして後ろに下がりながら声を上げた。


「みな、我の前に来いっ“眷属召喚”!」


 召喚術か!?


 グリフの左右に魔法陣が出現し、そこから黒いものが出てくる。


「グオオオオォ」


 グレーターデーモンだ! 


 次々出てくる!


 ぞろぞろと、総勢二十体ぐらいが出てきた。


 グリフが舌打ちする。


「こんなに減ったのかよ!」


 よく見るとグレーターデーモンも無傷じゃない者がいる。


 右手がなかったり片足がなかったり。


 そうか!


 町を襲わせてたグレーターデーモンを全部呼んだというわけか。


 それならちょうどいい。


 こいつらを全滅させておしまいだ!


 グリフも馬鹿なことをしたな。


 こいつらがここに来たという事は、こいつらと戦ってた者も呼び寄せるという事だ。


 ミオがグリフに行こうとするのをグレーターデーモン達が阻む。


「うっとうしいにゃ!」


 ミオがグレーターデーモンに攻撃しようとした瞬間、


 

“真竜・聖光星爆斬”《ドラゴンロードギャラクシーブレイク》



 光る斬撃がグリフの前にに居た、そのグレーターデーモンを真っ二つにしながらグリフに迫る。


「あぶねっ!」


 グリフはそれを僕のカタナで迎撃する。


 姉さまは光る翼を羽ばたかせ飛んできた。


「姉さま!」


 姉さまは僕の隣に来ると、


「苦戦してるようね。私も混ぜてもらうわよ!」



 そう言うと両手に剣を構え、グリフを見据えた。

 

 僕は、


「電撃に注意して! いきなり来るし、広範囲に発動するから逃げるのも難しいんだ」


「そう、でも大丈夫」


 そう言うとグリフに向かって飛び出した。


 僕もあわてて後を追う。


 あ、火花が散った。


「ねえさま! 雷が来る!」

 



 しかし姉さまは避けるどころか雷に向かって飛び込んだ!




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