竜の試練6
つるつるの岩肌を滑り落ちる。
長い時間をひたすら滑り落ちる気がしたが、実際には一分もかかってないだろう。
僕は盛大な音を立てて水の中に落ちた。
やばい!さすがにフル装備だと水に沈む。頭の中がパニクって手足をバタバタさせる。
あ、足が付いた!
落ち着いてみると水は胸あたりまでしかなかった。
と、目の前に何かが落下してきた。
そして水しぶきをあげながら水の中に落ちた。
その何かはその場で立ち上がった。
「ご主人様いたにゃー!」
ミオだった。
そのままぎゅーっと抱きしめられる。
この位置はやばい!
おっぱいがもろに顔の前に来てる!
やわらかいおっぱいがむにゅぅぅと僕の顔で押しつぶされる。
でも息ができない!
でもこの感触をもっと味わっていたい…
あ、…でも意識がだんだん…
じたばたじたばた…じたばた…じた…ば…
……
…
***
僕はミスリルをトンカチで叩いていた。
ミオはしゅんと小さくなっている。
気絶した僕を水のないところまで移動させた後、なんとか僕を蘇生してくれたらしい。
黒パンと干し肉で晩御飯を済ませ(袋は耐水の魔法もかかっているので中身は濡れていなかった)、僕はちょうどいい機会だったのでミオの鎧を作っている。
ミオのおっぱいの破壊力は強すぎる!
ファンタジーでよくあるビキニアーマーではなく、もうちょっとしっかりした、帯のような感じで胸を覆っている胸当てだ。
セットで小手とすね当て、腰回りも作る。
ミスリルのインゴットを全部使ってしまうがまあいいだろう。
総ミスリル製。金額としたらいったいいくらになるか見当もつかない。
ミスリルの鎖帷子だって目が飛び出るほどの値段がする。
しかしミオの装備だし、一切手加減はできない。魔力も通常より気持ち多めに込めてみる。効果があるかはわからないけど。
ミオは武闘家なので、あまり動きを邪魔するような作りにはできない。
ティーリンがいないので、自動サイズ調節にはできないが、まあそのへんは合流後でやってもらおう。
鎧は剣ほどすぐには作れない。それでも普通の人間の鍛冶屋よりは全然早い。
ついでにオリハルコンで爪を作る。これも作りが複雑なのでちょっと時間がかかる。
使ってない時は腰に収納できるように皮で鞘も作る。
と、ここで僕の眠気がマックスになる。
12歳の僕にはこの辺が限界らしい。
「ミオ、ここで寝よう。」
作りかけの防具を全部しまって、ミオの横に移動して横になる。ミオが後ろからくっついてくる。
「おやすみにゃぁ」
と言ったのが遠くなる意識の中で聞こえた気がした。
短いけど、キリが良かったのでこの辺まで。
今日の夜か明日に一日2回更新できるように頑張ってみます。