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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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魔神迷宮41


 ウルヌスは慌てて空へ逃げようと羽を広げたその時に、



――――超級魔法“チェインバインド”



 地面から鎖が出現しウルヌスの足にまとわりつく。


 ウルヌスが足に気を取られ、気がそれた瞬間に三本の闘気を纏った矢が、胸、肩、頭に突き刺さる!


 リリアンとマーガレットだ!


 いい仕事をする!


 ちらりと背後を見ると、リリアンがふんす、と胸を張っていた。


 しかしウルヌスが、


「ガアッ」


 と吠えて身震いし、鎖を引きちぎる。


 一瞬拘束しただけだけれど、その一瞬で充分だ。


 今度こそ!


 ティーリンとミオが背後から一撃づつ入れて、一番上の右腕と左腕を切り落とし、大きく距離を取る。


「トドメを!」


「やっちゃうにゃ!」


 よし!


 至近距離からの“勇者の一撃”だ! かわせるか!


 僕が正面から、姉さまが空中から、光の奔流をウルヌスに振り下ろす!


「こ、こんな所でっ我が悲願が………」


 ウラヌスが信じられない、という顔をして光の奔流に呑まれていく。 


 バシャン、とウルヌスの半身が魔銀に戻り、地面に落ちる。


 光の波動があたりに広がる。


 目を開けていられない光があたりを覆っていく。


 そして光が晴れた後には……。


 ウルヌスの姿はなく、腕が二本だけ落ちていた。


 その腕も黒い塵となり消滅する。


「倒した……」


 僕らはウルヌスに勝利した。


「にゃおあああああああああああぁぁ!!」


 ミオが雄叫びを上げる。


 やった、いや、まだ終わらない。後続の手伝いをしないと!


 後ろを振り向くと、信じられない状況になっていた。


 グレーターデーモン達が逃げ惑っていた。


 炎がグレーターデーモン達に襲い掛かっている。


 あれ? グレーターデーモンって炎に耐性あるんじゃなかった?


 アムルゼン校長のバーニングエクスプロージョンの魔法は、グレーターデーモンに効いてなかったけど。


 また一体のデーモンが炎に襲われて、体を燃え上がらせた。


 うん、効いてるな! 


 マナだ。


 マナが光る魔法陣の上に立ち、途切れることなく、次から次へと四つの小さい魔法陣からフレアを出現させ、グレーターデーモン達に浴びせていく。


 次々と炎に焼かれていくグレーターデーモン達。


 僕らの目が点になった。





***




 

「やりました! 今回は役に立ちましたよ!」


 デーモン達を全部倒した後、マナが言ったので、よくやったと頭をくしゃくしゃにする。


「姿が違うと別人みたいです」


 マナが上目づかいで頭を押さえながら言った。


 リリアンがうらやましそうな顔だったので、ついでにリリアンの頭もくしゃくしゃにする。


「それにしても姉、、いや。勇者アンフィ、ダンジョン探検中ではなかったのですか?」


「ええ、その姿だと誰だかわからないわね」


 ああ、それもそうだ。


 僕は竜魔法を唱え元の姿に戻る。


「なんか便利な魔法ねそれ」


 まあそうだね。


 悪事を働こうと思ったらいろんな使い道が浮かぶよ。


 勇者の弟だからそんなことはしないけどね!


「まずは地上に出ましょうか。話はそれからです」


 僕はそう言うと翡翠石を取り出した。


 僕らは全員、翡翠石を砕き地上へと凱旋した。



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