魔神迷宮33
遅くなってすいません。8日分です。
――――暗黒魔法“デスウォール”
なんだあの壁は! 黒い瘴気の壁の中に怨霊がひしめき合ってる。
僕が唱えたフレアは、壁に当たると怨霊がそれを喰らいウルヌスまで届かない!
接近戦しかないという事か……。
その時、“リンク”でラフェが話しかけてきた。
『人手が足りない! 彼女も呼ぶべきだ!』
『呼んでいいのか! よし、了解した!』
僕はすぐに呪文を唱える。
「我オルターは召喚する。世の理と竜の盟約に従い、古竜ウリシュナよ私の前に出でよ!!」
眼前に展開した巨大な魔法陣から、咆哮と共にその紺碧の竜は姿を現す。
『グウオオオオオォォォォ!!』
ウルヌスの目が見開かれる。
『古竜ウリシュナだと……調停者を気取る老竜めか!』
僕もウリシュナを見て驚く。なんと竜体のウリシュナは金色に輝く鎧で身を覆っていた!
『オル、いや今はユウだったか。待ちくたびれたよ。さあ、私の背に乗りなさい』
僕は言われるがままにウリシュナの背中に駆けあがると、首の後ろに鞍が置いてある!
ウリシュナは面白そうに言った。
『まさか神々以外の者を背中に乗せることになろうとはな』
ウリシュナは自分の両手の爪に闘気を纏わせる。
「鞍の横にあるランスを使いなさい」
僕はカタナを腰に戻し、鞍の横に設置されていた長いランスを手に取る。
その、虹色に輝くランスを!
僕は身震いする。武者震いっていうやつか!?
神々が使った装備を僕が使うことが出来るなんて!
「さあ行くよユウ! 集中して! ランスチャージ!」
僕は集中する。危ない。他の事を考えてる暇なんてない。
「了解! ランスチャージ!」
ウリシュナはドラゴンブレスを吐き、一発で瘴気の壁を消し去るとそのままウルヌスに向かい突進する。
避けようとしても僕の第三の目で、どちらに避けるか事前に察知し、避けるのを追うようにランスを繰り出す!
ランスはウルヌスの左肩を捉え、血の花を咲かした!
***
ミオは五体のグレーターデーモンに囲まれていた。
最初に調子よく屠っていたのがいけなかったらしい。
これまでの敵と異なるのは、明らかに連携を取って攻めてくるという点だ。
ミオは焦る。自分だけなら何とでもなるが、カレン達が危ない。
後続と合流するまで無事でいてくれとミオは心で祈った。
カレン達は四体のドラゴンに守られていた。
中心にリリアン、セルフィ、マーガレット、ユウカが居て、その周りをカレン、ロミ、シズカ、ミランダが守りを固める。
さらにそれを三体のレッドドラゴンと、竜体になったマリーナが守りながら戦っている。
しかし明らかに劣勢だ。
皆、どこかしら防御を抜けた攻撃で傷ついていく。
このままでは持たないかもしれない。
単純に数が足りない。
また、ドラゴンを抜けてきたハルバードの突きを盾でいなす。
完全にはいなしきれず、右肩の鎧を弾き飛ばされる。
そのグレーターデーモンはラフェが尻尾の一撃で跳ね飛ばした。
そしてまた、カレン達は防御を固める。
後衛が来るまでは辛抱だ。