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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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魔神迷宮29


 この階もマモンの居た場所の下に隠し階段があった。


 僕らはその最後の階段を下へと降りる。

 

 時間にして一時間ぐらいか。


 階段を降り切った場所に広い空間があるのが、“ライト”の明かりに照らされて見えてきた。


 僕は階段を降りたところで足を止めた。


 かなり広い空間だ。天井は高く、正面には今までにはなかった金属でできた両開きの扉があった。


 そして僕が足を止めた理由。


 グレーターデーモンがハルバードを持って扉の両脇に立っていたのだ。


 人間の三倍の黒い体躯に黒い皮膜の羽。赤い目にヤギのツノ。


 地上で戦ったやつと同じ奴だ。


 右のデーモンが話しかけてきた。


「お前たちは何者だ。誰かが来るなどと言う連絡は受けてないぞ」


「僕らは人間だ。魔神王に用がある。そこを通してもらおうか」


 グレーターデーモンが目を見開く。


「人間だと……? ほかの王たちはどうした? どうやって抜けてきた」


 どうやら倒したとは思っていないらしい。


「すべて倒してきた。残りは魔神王ウルヌスだけだ!」


 僕らは武器を抜く。


「なにを馬鹿な……。まあよい。人間を先に進ませるわけにはいかない。ここで死んでもらおうか」


 戦いが始まった。


 僕は右のデーモン、ミオが左のデーモンに突っ込む。


 グレーターデーモンはハルバードを振り回し僕を横なぎに払う。


 僕は準備してた技を発動させる。



 ―――― “ 真竜(ドラゴンロード) ・攻撃反射 ”(アタックカウンター)!!



 “真竜”の力を込めたカウンターが、ハルバードごとグレーターデーモンの右腕を切り飛ばす!


 そのまま懐に入り、



―――― “真竜・流星剣” ドラゴンロードメテオソード



 を、至近距離からお見舞いする。


 僕の必殺のコンボだ。


 ハルバードの横薙ぎの攻撃は、普通なら隙の無い攻撃なのだが、“攻撃反射”のスキルを使えば簡単に対応できる。


 そしてヒヒイロカネのカタナに“真竜”の力を乗せた“流星剣”だ。


 剣は何の抵抗もなくグレーターデーモンの体を穿っていく。


 そして体中から血を吹き出し、グレーターデーモンはその場に倒れ伏した。


 時間にしたら一瞬だ。


 僕はミオの方を見ると、ミオは“幻影攻撃”(ミラージュアタック)!でいろんな部位を切り飛ばす。


 ハルバードでさえ真っ二つにしてしまっている。


 やはりヒヒイロカネの爪は圧倒的だ。


 僕が倒してから数秒でミオももう一体のグレーターデーモンを倒していた。  


「さすがに圧倒的ですね。グレーターデーモンがゴブリンに見えてきますよ……」


 カレンが呟くように声を出した。


 僕は肩をすくめる。


 そして僕らは扉を開けた。




***




 出口は崖の中腹だった。


 下に向けて岩の階段がある。  


 そこから道が続いている。真っ直ぐに。はるか遠くに見える黒いピラミッドに向かって。


 崖を降りると密林だ。


 不思議なことに天井が光っていて、あたりは外の世界の昼間とまではいかないまでも、結構な明るさがある。


 しかし広い。


 僕らの後ろには壁があるが、左右は壁が見えない。


 崖の右手には勢い良く水が噴き出していて、滝になって下に落ちて川を作り出していた。


 あのピラミッドが最後の砦か。


 僕らはピラミッドに向かって歩きだした。



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