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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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魔神迷宮27


 僕らはガーゴイルをすべて倒した。


 次はいよいよ最下層だ。


 ガーゴイル戦で負傷者がかなり出たのだが、僧侶たちの回復のおかげで死者はゼロに抑えられた。

  

 順調だ。


 僕らがボスに集中できるのも、後衛の皆が雑魚を押さえていてくれるからだしね。 


 そして最終突入メンバーは以下の通り。


 シーサ精鋭部隊一、9人

 シーサ精鋭部隊二、11人

 シーサ精鋭部隊三、10人

 学園部隊 12人

 冒険者部隊 10人


 僕らは13人 僕(魔法戦士)、ミオ(武闘家)、カズマ(剣士)、カレン(戦士)、シズカ(剣士)、ロミ(戦士) ミモザ(僧侶)、ミランダ(僧侶)、ティノ(ユニコーン)、マリーナ(魔法)、マーガレット(弓)、リリアン(魔法)、セルフィ(魔法)


 あとユウカだ。


 ユウカには翡翠玉を渡してはいるのだけど、僕から離れるのが嫌だという事なので、後衛に守ってもらっている。


 僕たちはこの階層で最後の休息を取ることにした。


 と、その前に、王座の後ろにある金銀財宝の中の、武器と防具を鑑定して有用そうなものを探そう。


 僕は鑑定スキルで次々と鑑定していく。


 ほぼすべての武具が魔法を帯びているのが恐ろしい。


 一体どれだけの敵を倒したというのだろうか。


 ウリシュナの所にある武具と同じぐらいはある。


 一人だといやになる量があるが、鑑定スキルを持っているミオにも手伝ってもらっている。 


「これは振ると炎が出る武器にゃ、こっちは魔力を流すと光るメイスだにゃ」


 鑑定スキルはかなりのレアスキルなので、残念なことに他に使えるものは居なかった。


 マジックアイテムは通常、鑑定スキルのスクロールを使い鑑定するそうだ。


 僕らは魔力の高そうなものから鑑定して、配っていく。オリハルコンの武器がかなりある。


 オリハルコンの剣、短剣、槍、斧、大剣。


 それらが次々と配られる。


 木製の弓、杖もかなり性能がいい物がたくさんあった。


 マーガレットには狙ったターゲットを外さない弓を渡し、リリアンには呪文の威力が劇的に上がる杖を渡した。


 これはシーサ王国の精鋭たちがかなり強化されていくなぁ。


 場所的にもシーサの地下だから取得権はシーサ王国にあるのかな?


 シーサ王国の精鋭部隊の隊長に聞いてみると、


「私たちの分は王国に収めることになっています。他の者たちが手に入れたものは各自で持ち帰ってもよい、という事です」


 なるほど。結構太っ腹だ。


 セット物の鎧も数十個はあるので、揃えて配る。


 炎の攻撃の五十パーセントカットとか付いているアダマントのセット鎧とか、レア装備すぎる。


 僕も欲しいけど、自前の鎧があるから諦める。


 自動サイズ調整の効果がついてないと、大人に変化したときにえらいことになるからね。


 カレン達やミモザも装備を一新した。武器は魔法の品を使っているから防具だけだけど。

   

 ミオと僕は装備の変更は無しだ。


 と、思ったのだけど。


 財宝の真ん中。金貨を山と積んである一番下に、半透明のドーム型のクリスタルがあるのに気が付いた。


 中に一振りの虹色に輝く剣が収められている。


 僕はどきどきしながら鑑定してみる。



 名称:神剣?????


 鑑定:ヒヒイロカネで作られた、神???の武器。武器に選ばれしものしか装備することはできない。



 短い。けど、神の使う武器だ。


 これは心惹かれる。僕はかぶせてあったクリスタルを脇にどけ、剣を拾おうとした。


 瞬間。はじけるような電撃を指先に感じて、思わず手を引っ込める。


 そうか、この武器は使用者を選ぶのか。


「なにしてるにゃ? ミオにも見せるにゃ」


 ミオが剣に向かい手を伸ばす。


「あ、あぶない!」


「なにがにゃ?」


 ミオは武器を拾い上げる。


「!!! な、なんでもない……」


 これはミオを武器が認めたという事か?


 すると武器が光りだし、その形態を変えていく。爪だ。手甲に爪のついた武器に変化した。


「爪になったにゃ」


 ミオが驚きの声を上げた。


「ミオが武器に選ばれたみたいだよ。僕の作った爪の片方は予備にして、片方はその武器にしなよ」


 ミオはしばらく考えていたけど、


「わかったにゃ。そうするにゃ」


 ミオは複雑そうな顔だ。

 

 僕からもらった爪を外したくないのと、新しい武器を装備したい思いで揺れたのだろう。


 しかし神の使う武器だ。


 さすがにオリハルコンの爪よりは強いはずだ。  


 これで全員、何かしら装備を新しくした。


 大幅な戦力アップになった。




 残る魔神王はウルヌスただ一人。  

 

 間違いなく激戦になるだろう。


 だが全員で生きて帰ろうと僕は心に誓った。

   

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