表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
164/379

魔神迷宮26

帰りました。遅くなりましたがまた毎日更新に戻ります。



 マモンの頭が宙を飛ぶ、が、信じられないことが起こった。


 首の断面から伸びた触手に、マモンの頭は回収され、一瞬後にはまた元の位置に繋ぎなおされてしまった。


 油断してた僕は触手の攻撃を喰らい吹き飛ばされてしまう。


「がはっ」 


 僕は柱にぶつかって止まり、口から血を吐く。


 そのまま地面へと落下する。


 マモンの両手も鞭のような何本もの触手に代わり、ドラゴン達を打ち据え始める。


 その太く長い鞭はドラゴンを打ち据え、ドラゴン達にさえダメージを与えていく!


 吹き飛ばされた僕に向かってミモザが駆け寄る。


「もう大丈夫です!」


 両手に神聖魔法のまばゆい光を放ちながら僕の体を癒していく。


「……ん。ありがとう」   


 ラフェ達とマリーナが同時に四方向から炎を吐く!


 あわててミオが退避する。


 触手が炎から守るようにマモンの体の周りにまとわりつく。


「効いてるかどうかいまいちわからないにゃ!」


 ミオが僕の隣まで退避して言う。


「どうやら再生スキルを持ってるようだね。ラフェ達のブレスも喰らうそばから回復している。一撃で頭を消滅すればいけるかな……それは難しいか?」


「動きが止まってる今がチャンスにゃ」


「よし」


 僕は立ち上がる。


「なにか思いついたかにゃ?」


「僕の最大の攻撃力を持ってやつの体を再生が効かないぐらいに吹き飛ばす!」


 今までと同じ攻撃ではだめだ。さらに上をいかないと。


「出来るかどうかわからないけど、やってみる」


「にゃ」


 おそらく十二歳の体では無理だろう。けど今の二十八歳の体ならいけるかもしれない。


 僕は体に闘気を溜める。


 右手でカタナを、左手にヒヒイロカネのトンカチをかまえ、闘気を纏わせ闘気剣にする。


 それから体の魔法力を高める。


 行くぞ。


 僕はマモンの方へと駆け寄りつつ、その技名を唱える。 



 “真竜・勇者の一撃”ドラゴンロードブレイブソード



 僕の右手と左手から光が奔流となって天へと轟く。


 さすがに片手ずつでは制御がきつい。


 まだだ、いつもの二倍、いや、三倍の魔力を持って、暴走しそうな両手の光の奔流をなんとか制御する。


 暴れる光の魔力を更なる魔力で抑え込む。


 がりがりと僕の魔力が減っていく。


 そして僕は光の奔流をマモンに向かって振り下ろす。



 “クロス”!!



 Xの文字にマモンに向かい、振り下ろす。


 驚愕のマモンの表情、光の奔流は右と左からマモンの体を消滅させる。


 光の奔流がマモンを包み込む。


 ドラゴン達はブレスを吐くのをやめた。


 光の奔流がおさまった後……。


 そこにはマモンの頭だけが落ちていた。


「なんという破壊力だ……神々でさえこの私を倒すことが出来なかったというのに……」


 マモンの頭は茶色く変質していき、そのまま黒い灰となり散っていった。


 僕の両手はピクリとも動かない。


 限界を超えて放った副作用か。


「まったく、しょうがないですね」


 ミモザが僕の両手に回復魔法を掛け、回復させる。


「よし、じゃあ残りのワイバーン達を破壊しよう」


 僕は“リンクでみんなに伝える”


『こちら第一チーム、ユウ。魔神王マモンを倒した。引き続きガーゴイルの掃討に入る』



 戦士たちから大きな歓声が沸き起こった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ