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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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魔神迷宮19


 ラフェの仲間のレッドドラゴンも竜体になり、戦士たちを守ろうと尻尾の攻撃を押さえに回るが、レッドドラゴンになっても波打つ尻尾は抑えきれず、レッドドラゴンごと戦士たちも吹き飛ばされる。


 矢で射貫かれた目ですらいつの間にか治ってしまっている。どうやら“再生”を持っているらしい。

 

 そうか。


 リヴァイアサンは何百年もの間、ここに封印されていたんだ。さっき僕が戦った時は起き抜けで完全な状態ではなかったという事か。


 止めを刺さなかったことを返す返すも悔やまれる。


 この状況を生み出してしまったのは僕のせいじゃないか。


 僕はぎりりと唇を噛む。


 するとミモザにぎゅっと抱きしめられた。


「ユウ様。次、頑張ればいいんです。ユウ様のせいじゃありません。傷ついた人たちは私が全員回復させますから」

 

 僕の体からふっと力が抜け、正常な思考に戻される。


 そうだ、過去を悔やんでも仕方がない。今はどうやってあいつを倒すかを考えるべき時だ。


 僕はリヴァイアサンを睨みつける。


 リヴァイアサンはミラージュドラゴンと殴りあいながらも、尻尾を暴れさせ、戦士たちにダメージを与えていく。


 そうか尻尾だ。


 尻尾を根元から斬ってしまえば一気にあいつの戦力が下がる。


 しかし尻尾も体も硬い鱗で覆われている。


 それを切る方法は……。


 指を動かしてみる。痛みもなく、問題なく動く。


「ミモザ、どうだ?」


「まだ胸の傷が残っています。多少ひきつるかもしれませんが我慢できる範囲内だと思います」


 僕は頷くとすっくとその場に立ち上がる。


「本当は全部治してあげたいのですが」


 僕はミモザと一瞬唇を合わせると言った。


「いやもう十分だよ。ありがとう。ミモザ、愛してるよ」


「はい、私もですユウ様」


「行ってくる!」


 僕はリヴァイアサンに向かって走りだす。

 

 ひとつ、思いついた事を実践するために。


 走りながら呪文を唱える。



――――竜魔法・変化“古澤勇”!! 



 僕は僕の本来の年齢、二十八歳の体に変化する!


 この体はオルターの体より力も強いしリーチも長い。

 

 そして腰に下げていた魔法の袋から鞘ごとカタナを取り出し、ベルトに鞘を差し入れる。


 全身に闘気を纏わせ、ミラージュドラゴンとリヴァイアサンの足下を通ってリヴァイアサンの後ろまで走り抜ける。


 よし、リヴァイアサンには気づかれていない。


 そして、とぐろを巻いた尻尾の上に走りながら飛び乗り、カタナを抜く。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を!!


 僕は高く飛び上がり、カタナを大上段に構え、そのまま今僕が使える最大の技の技名を叫ぶ!



 “真竜・勇者の一撃”ドラゴンロードブレイブソード



 光の奔流を纏い、振り下ろされたカタナは何の抵抗も感じさせずとぐろを巻いていた尻尾を切断する!


 なんという切れ味だ! 自分でも驚くほどの切れ味に、それでも動きを止めることなく、そのまま間髪入れず返すカタナでリヴァイアサンの背中を斬り付ける!




 リヴァイアサンの背中にカタナが吸い込まれるように入っていき、そのまま切り抜くとリヴァイアサンの背中から黒い血が噴き出した!


 

 


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