魔神迷宮14
スランプ気味です。
でもがんばります(吐血
第三層はダンジョンらしいダンジョンだった。
ごつごつとした岩肌を切り開いて作った洞窟。
後続に居た冒険者のSランクシーフを一旦借り受けて、トラップを調べながら進む。
罠は結構な量あった。
宝箱の前に落とし穴や、酸が吹き付けてくる通路、通ると毒矢が飛び出る仕掛け。
進むと巨大な丸い玉が通路を転がり落ちてくる罠。
この罠は僕がドラゴンブレスを使って丸い玉を破壊したけれど、対応できなければ後続を巻き込んで死亡とか、洒落にならない。
片時も緊張を解けない。
なので途中で何回も休憩をはさんだ。
シーフの女性はヤヨイと名乗った。
見た所、二十代中ごろか。
黒髪は短く、シーフらしく皮鎧を装備して、腰の周りに革製の小物入れをたくさんつけている。
危険察知と言うスキルを持っていて、それで漠然とだが罠の場所が分かるらしい。
早速“模倣”させてもらった。内緒だけど。
三回目の休憩の後から、スライムが多くなってきた。
天井に擬態していて、下に人が通るとべちゃりと落ちてきて捕食するモンスターだ。
こいつは普通の武器だと溶かされてしまうので、魔法が掛かった武器で戦うしかない。
まあ魔法を使えば一発なんだけどね。
第三層は罠が多い代わりに、スライム以外の敵が一切出てこなかった。
そうして進むうちにいきなり広い広場に出た。
僕はふと危険察知ではなく、気配察知のスキルを使ってみた。
いる。かなりの数の敵がいる。
だが肉眼では見えない。
これは姿を消すことのできる敵か!?
僕がひそかに焦っていると、
ヤヨイが天井を睨んでいる。
僕も天井を見てみる。
天井が波打っていた。
「天井にかなりの数のスライムがいます」
うん、今気づいたよ。
天井を這って僕らの頭の上まで移動しようとしているのか。
僕は“ドラゴンブレス”で焼くことにした。
マリーナも“ドラゴンブレス”で天井を焼き始める。
すると天井からぼたぼたとスライムたちが落ち始めた。
天井と床からスライムたちが迫って来る。
移動速度が遅いのがまだ救いか。
こいつらには物理攻撃は効かない。
雷も効きにくいようだ。
ティノに打ってもらったらはじかれてしまっていた。
そうこうするうちに、
後続が続々と集まって来たので、魔法使いに炎の魔法でスライムを攻撃するように指示を出す。
ドラゴンブレスとファイヤーボールがスライムを焼いていく。
ミオが手持ち無沙汰にしているので、ファイヤーボールを二発、爪で受けてもらって、炎属性の爪にする。
それで取りこぼしたスライムを攻撃してもらう。
うん。効果ありだ。
僕らはしばらくスライムを焼き続ける。
するとスライムはだんだんと数を減らし、いなくなった。
しかしおかしい。
奥の方にまだ大きい気配がある。
僕らは慎重に進む。
魔法の明かりに照らされで、それは見えてきた。
天井にスライムが張り付いていた。
超巨大なスライムだ。
若干青い色のそのスライムは“ライト”の明かりに照らされると、天井からばちゃりと落ちた。
そして何本もの触手を伸ばして近づいてきた。
「やっと手ごたえのありそうなやつがでてきたにゃ!」
ミオはやっぱり暇だったらしい。
嬉々としてスライムに向けて走り出した。