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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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魔神迷宮12 vsデーモンクイーン

遅くなりました。本日二回目の更新です。

 クイーンは暴れながら口から液体を吐き出し攻撃するのを、紅の牙のメンバーが盾で防ぐ。


 その液は盾を徐々に溶かしていく。強酸性なのか!


 酸を吐くためにカズマは接近を躊躇ってしまっている。


 少し離れた位置から飛ぶ斬撃で攻撃をしている。

  

――――“剣戟両断”(ソードクラッシュ)


 まただ。皮膚に当たると、白い皮膚が波打ち、受け流されダメージは入らない。

  

 チェインバインドの効果時間はそれ程長くはない。


 それまでに倒そうと焦ってしまっている。


 僕は両手の闘気剣を構え、呪文を唱えながらクイーンに接近する。


 一応左手は“剣戟結界”(ソードシールド)を使う。液体に効果あるかはわからないけど。 


 クイーンが僕に向けて口を開いた!


 酸が来る!


 僕は右前方へと飛び、酸の攻撃をやり過ごす。そのままに回転して立ち上がると闘気を右腕だけに集中させ、古竜の牙に流し込む。


「くらえっ!!」


 そのまま突き入れる!


 一本目と二本目の足と足の間に古竜の牙を根元まで、いや、古竜の牙を掴んでいる手首までねじりこむ!


 そこで先ほどから唱えていた呪文をクイーンの体内に解き放つ!


――――超級魔法“ライトニングスパーク”


 破裂を伴うライトニングがクイーンの体内で反射する!


 急いで古竜の牙を、足でクイーンを蹴りながら引き抜く!


 一瞬後僕のいたところに酸の液をぶちまけられる。


 危ない!


 今確実にライトニングスパークは体内で炸裂したはずだ!


 なんで動けるんだ!?


 時間切れだ。


 チェインバインドの拘束が解け、鎖がだらりとクイーンから離れると土に戻ってばらばらと地面に落ちた。


 動けるようになったとしてもあの長い体だ。そうそう素早くは動けないだろう。


 しかしクイーンは予想外の行動に出た。


 ぶちぶちと嫌な音をさせると、産卵管である尻から後ろの部分を切り離したのだ!  


 なるほど。


 だからライトニングスパークは効かなかったのか!


――――超級魔法“チェインバインド”


 リリアンが再び唱えた。


 地面から出た石の鎖は、咄嗟にバックステップしたクイーンに避けられ、むなしく宙をかいた。


 リリアンは悔しげだ。


 僕は戦慄した。


 なんだ今の動きは! やばいな、あの速度で魔法使い達を襲われたら、すべて防ぎきる自信がない。


 くそっ面積が大きくなると、酸を避け難くなるから使いたくなかったんだが仕方がない。


 僕は呪文を唱える。



――――竜魔法・変化“土竜王”



 僕の体がゴツゴツとした岩に覆われた漆黒の竜に変化する。


 今回はドラゴンの中でも防御力に特化している土竜王だ。


 僕は息を思い切り吸うと、


“サンドブレス”


 をクイーンめがけて放つ。

 

 細かい砂の粒子がクイーンを襲う!


 ……。 


 ダメだ! 全然効いてない!


 僕はそのままクイーンに殴りかかる。


 今の僕はクイーンよりも一回り大きい。

 

 クイーンは酸を吐くが思った通り肌までは喰らわない!


 僕がクイーンを抑え込む!


 リリアンがこっちに向かいダッシュした!


 そしてぎりぎりまでクイーンに近づくと唱えていた魔法を解き放った!



――――超級魔法“ウォーターカッター”



 超高速の水撃が、クイーンの左肩を切り飛ばした!


 きちんと顔の死角から唱えるあたり抜け目がない。


 ていうかほんとに戦闘中だと別人だな! リリアンは!


 いや、心強いけど!

 

 リリアンはそこから動かず、ウォーターカッタ―を連発する!


 ウォーターカッタ―がクイーンを切り刻む! 


 そこで呆然と見ていたカズマがはっとしたあと、慌ててリリアンの前まで走りこみ、直にクイーンの体を攻撃しだした。


 僕はクイーンの首を掴み、持ち上げる。


 リリアンが通常より魔力を上乗せして最後のウォーターカッターを放つ。


 ウォーターカッタ―はクイーンの胸を貫通しそのまま両断すると、下半身が地面に落ちた。


 落ちた後にも下半身は、まだびくんびくんと動いている。


 そして僕はクイーンの頭を大地にたたきつけ、止めを刺した。



 しかし今回の功労者はリリアンだ。



 そのリリアンは、僕が見ると、やはりふんす、と胸を張って自慢げな顔をしたのだった。


 



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