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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
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魔神迷宮11 vs魔神王パゴス

夜、24時前までにはもう一話更新したいと思います。

 それは白く巨大なデーモンだった。


 人の三倍はあるだろうか。


 上半身はグレーターデーモンとほぼ同じだが、角は鼻の上から一本ついているだけだ。


 こいつもやはり目がない。羽もないが体はカマキリに似ていて昆虫のような足が六本、そして下半身の先端から卵を地面に植え付けていた。


 広大な部屋だが部屋の半分は卵で埋まっており、さらに卵からデーモンが生まれている。


 さしずめこいつはデーモンクイーンと言ったところか。


 城は白いデーモンに占領されていた。


 僕らは倒しながら進んで、玉座の間の後ろに大口開けた洞窟を潜ってきたのだ。


 デーモンクイーンを見つけたのはその最奥と思しき部屋だ。


 僕たちが部屋に入った事にもデーモンクイーンは気が付いていない。


 僕とマリーナは顔を合わせ頷くと、同時にドラゴンブレスを使い卵とデーモンクイーンに攻撃する。


 卵はあっさりドラゴンブレスに燃やされていく。


 だがデーモンクイーンにはあまり効いていないようだ。


 こちらを振り返ったデーモンクイーンに向かってリリアンが“チェインバインド”、ティノがライトニング、セルフィがバーニングエクスプロージョンを唱える。


 そして動けなくなったデーモンクイーンにマーガレットが魔力を込めた矢を射かけていく。


「ギシャアアアアアアアアアァァァ」


 たまらずデーモンクイーンは声を上げる。


 おや? こいつはそこまで強くないみたいだ。


 脅威を感じない。


 が、おかしい。 


 ミオも特攻していない。


「ミオ、どうした」


「あいつより強いのがいるにゃ」


 ミオの視線の先。


 洞窟の最奥。


 そこから何かがやって来る。


 デーモンクイーンを押しのけるようにそいつは姿を現した。


「……ヨクモ我ガ子供達ヲ燃ヤシテクレタナ」


 白い巨体に巨大なツノに長い尻尾。


 体は闘気を纏って青く光っている。


「我ハ“憤怒”魔神王パゴス。我ガイカリヲ思イ知ルガイイ」


 そう言うとパゴスは突進してきた。


 白い体に白いツノ。


 僕は一瞬体が固まった。


 こいつはあの僕の左足をちぎり取った土竜亜種ににてる。


 そう思ったら足がすくんでしまった。


 ミオも気づいていない。


 やばいこのままだと避けられない!

  

 そこに小さな声で呪文を唱える声がした。


「……“チェインバインド”」


 地面から生えた鎖がパゴスの後ろ足を絡めとる。


 パゴスは頭を地面に打ち付けた。


 僕が感謝の視線をリリアンに向けると、


 リリアンはまたもふんす、と右手で力こぶを作って見せた。


 うん、力こぶにはなってないけどね!


 僕は恐怖を振り払うと、古竜の牙と虹色のトンカチに闘気剣を作る。 


 しかし次の瞬間、パゴスは鎖を引きちぎった!


 リリアンは残念そうな顔をしているが、この一瞬はありがたかった。


 普段はおとなしいのに戦闘に入るとなぜか動きは機敏だし、頭も回る。


 普段の姿は一体何なんだろうと思う。


 そこへミオが橙色のオーラを纏ってパゴスに斬りかかった!


 パゴスは青いオーラを纏ったツノと拳でミオを迎え撃つ。


 クイーンの方は魔法組がダメージを与えてはいるのだが、どれも決定打とは言えない状況だ。


 体にはマーガレットの放った矢が刺さっているが、それも効いているかどうかが分からない。


 動きは機敏で変わらず弱ったそぶりがないからだ。


 よし、少しの間パゴスはミオに任せよう。




 僕はクイーンを標的と定め、呪文を唱え始めた。




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