表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
147/379

魔神迷宮9

本日二回目の更新になります。


 光の奔流が魔神王ガルバに振り下ろされる!


 カズマが慌てて横に転がり抜ける。


 ガルバが自分に向かってくる光の奔流を見て目を見張った。


「そ、そんな……」


 光の奔流はそのままガルバを飲み込むと、地面をえぐり消え去った。


 光が消えるとがガルバの姿はなく、塵一つ残らず消滅してしまっていた。


「終わったか……?」


 はっとしてミオの方を見ると、ちょうどグレーターデーモンが崩れ落ちてミオが雄叫びを上げたところだった。


「こっちは終わったにゃ」


「こっちもだよ」 


 ミオと僕はハイタッチしてお互いを称えた。


 僕は“リンク”で他のチームに伝える。


『第一チーム、ユウ、砂の城にて第一階層のボスを倒した。充分の広さがあるから、今日はここで休もうと思う』


 すぐに返答がある。


『『『『了解した』』』』


 それからしばらくすると、続々と後続が現れてきた。


 僕らを称えると、早速夜営の準備を始める。


 各チームごとに物資が大量に入る魔道具の袋が支給されているため、食料も充分用意できる。


 第一階層では、軽傷者が若干出ただけで一人も欠けることはなく、ここまで来れていた。


 この調子でこのまま最下層まで行きたいものだ。


 全員が広間に入ったのを確認し、扉に魔法を掛ける。これでレッサーデーモンぐらいでは、何匹きても開けることはできないだろう。 


 簡単なスープと硬いパンで夕食をすませる。


 ティノだけは野菜と果物だ。


 夜も一応見張りを置くが、僕らは順番は回ってこないようにしてもらっている。


 僕は簡易テントの中で、ティノとミオに挟まれながら眠りについた。


 ティノは速攻で寝息を立てた。


 僕はすぐには寝れなかったけど……。


 



***




 

 次の日。


 ガルバが上に乗っていた巨大な石の板の下に、おそらく第二階層につながる階段を見つけた。


 僕らは僕を先頭に、古竜の牙に掛けた“ライト”の呪文を頼りに階段を下りていく。


 長い長い石畳の階段を降りると、暗い夜の世界が広がっていた。 


 しばらく階段に続いていた獣道の様な細い道を歩く。

 

 そこかしこに光る植物があり、あたりをぼんやりと光らせている。


「場違いなのだけれど、きれい……。」

 

 ミモザがティノの背の上で思わず口に出した。


「僕も同感だよ」


 羽と体が細長いカゲロウの様な巨大なヘビトンボが、これも体を光らせながら通り過ぎていく。


 今日もティノの上にはミモザとリリアンが乗っている。


 リリアンは飛んできた光る羽虫を指に止まらせて眺めている。


 謎の子だ。


 僕と猫ミオはフェンリルのフェリルの背中だ。

 

 僕らは休憩をはさみつつ、先を進む。道は続いており、しかしデーモンは姿を現さない。


 二、三時間は歩いただろうか。かなり先の方にうすぼんやりと光る城のようなものが見えてきた。


『こちら第一チーム、ユウ。遠くに光る城のようなものを発見した。これからそちらに向かう』


 “リンク”で後続に伝える。


『『『『了解』』』』


 リンクで返事が返ってくる。


 そこで僕の気配察知に何かが周りを取り囲んできたのを察知した。


 ミオもわかったのだろう。猫のまま猫耳をあちこちに向けている。


 何者かはそのまま包囲の輪を縮めてくる。


 ミオがフェリルの背中を降りて人間の姿になった。


 僕も背を降りて古竜の牙と虹色のトンカチをかまえる。


「何か来るにゃ。みな気を付けるにゃ」


 紅の牙のみんなが武器を抜く。



 そしてそいつらは姿を現した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ