表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第九章
141/379

魔神迷宮3

本日二回目の更新になります。


 次の日。


 ミオが教職員の集会に行くために早起きしたので、僕は行ってらっしゃいのキスをして送り出した。


 それから僕はラフェを連れて、マーガレットを呼びだし、なぜかついてきたリリアンもつれて、ドラゴンの寮まで行き剣神カズマを呼び出した。


 カズマは訝しげに寮の入口まで出てきた。


 僕は単刀直入に言う。


「カズマ先輩、今よりも強くなりたくないですか」


 急な言葉だが、カズマはすぐに返事をした。


「……なりたい」


「ではちょっと来てもらえますか」


 カズマは何か考えてるようだったが、結局は頷いた。 


 僕らは試合場の横にある鍛錬場に向かう。


 鍛錬場には誰もいなかった。さすがに朝早いからか。


 僕はさっそくラフェに言った。


「ラフェ。じゃあマーガレットとカズマ先輩にお願い」


「わかったわ。特別だからね。オ、じゃなくてユウに報酬を先払いでもらってるからね」


 ラフェは右手をカズマの頭にのせ、左手をマーガレットの頭にのせる。


 おそらく今二人の頭の中には新しい技が刻み込まれているのだろう。


 カズマは驚愕の声を上げた。


「これは……“力ある言葉”(パワーワード)か!?」


「ええそうよ。ユウに感謝しなさい」

 

 僕は言う。


「まだダメだ。カズマ先輩には今日中にあと二つも使えるようになってもらう」


 それから、マーガレットに言う。


「マーガレットはこれで弓矢で近接戦闘が出来るようになると思う」

 

 カズマは呆然と、


「俺は……まだ強くなれるのか。しかしなぜ今なんだ?」


 ああそうか。まだ生徒たちには話が行ってないのか。


「昨日出現したグレーターデーモン。その巣窟に乗り込み、一番奥に居るデーモン達の王を倒さなければならない。倒さなければ地上にデーモン達があふれ出ることになる。時間がないから乗り込むのは明日の朝に決定している」


 僕は続ける。


「迷宮へ行く条件が、戦士は技を持っていること。魔法使いは超級の魔法を使えること」


 マーガレットが納得した顔で、


「なるほど。リリアンは超級が使えるから条件はクリアしてるわね。私もこれで迷宮へ行けるのね」

 

 僕は頷く。


「カズマ先輩が覚える後二つは“剣戟結界”(ソードシールド)“剣戟両断”(ソードクラッシュ)だ」


「技を使うコツがつかめたら、おそらく覚えられると思う。血族が見出した技だからね」


 カズマは真剣な顔だ。


 早速木刀を構え、“攻撃反射”(アタックカウンター)の技を繰り出している。


 よし。僕はこの間にマリーナに連絡を取ろうと思い、まずティノを呼びだす。


 僕の前に展開した魔法陣からユニコーン姿のティノが姿を現す。


『お久しぶりです、“主”(あるじ)様』


 あれ? そんなに久しぶりだっけ? そういえばしばらく見てなかった気もするか。


「リアンに連絡を取ってマリーナを召喚してもいいか聞いてくれるかい?」


『はい。お待ちください』


 ティノはしばらく目を瞑る。


『……今エリクサーを作っているので、それが終わったら大丈夫だそうです。夕食後ぐらいで呼んでくださいとのことです』


「わかった」


 それからは僕はマーガレットとカズマの練習に付き合った。


 僕の予感は的中した。


 昼前にはカズマは技を二つとも使えるようになっていた。


「あれほど練習しても一向に身につかなかったのに……」



 カズマは呆然とそう()らした。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ