竜の試練2
余裕があったら夜にもう一話投稿します。できるかなー
はるか向こうの方に翼竜らしき影がある。
ワイバーンタイプじゃなくて、プテラノドンタイプっぽい。
あんなのに襲われたらひとたまりもない。
幸いしばらく岩石地帯なので隠れる場所はいっぱいある。
今日は岩石地帯で休もうと思う。
半日歩いて襲ってきたのは6mぐらいの巨大蛇だけだった。この世界では蛇も竜族になるらしい。
そこまで動きが早くなかったので、それほど苦も無くトンカチで仕留められた。
皮をはいで、肉を金床で焼いて(師匠、金床を鍛冶以外のために使ってすみません! )食事をとった。
金床を使えば一瞬で上下中均等に焼けるのがうれしい。
転移したのが町から出た直後だったために、3人分の干し肉と黒い硬いパンを持ってたのは幸運だった。
水もこの世界の竹のようなものに穴をあけて、水筒にしたものが5本ある。
それでも、できれば狩った物を食べたい。
頂上までどのくらい時間がかかるかがまったく予想つかないからだ。
金床を使って気が付いたことがある。
直接手を触れて魔力を流した場合は地面に吸い込まれないようだ。
と言っても、竜種に接近してゼロ距離で魔法を使うなど絶対やりたくはないが。
最後の手段に取っておこうと思う。
そして現在。僕はなにかに追いかけられている。
2㎞程ずっとだ。
目の端にさっと動くものがいる、でも振り向くと何もいない。
こちらが止まると向こうも止まる。
どうも、襲い掛かってくるような感じはしない。
なぜかと言うと、殺気がないのだ。
やはりただ単に人が珍しいだけなのだろうか。
空の敵に気づかれないように岩陰を縫うように歩く。
すると…ちょい遠い先のほうにみるからにドラゴンの子供?みたいのが岩の上で日向ぼっこしている。
なかなかのどかな風景だ。
思わずもうちょい近づいて見たいと進んだ時に……
ガっどさっ!
突然目の前が暗くなり、岩陰に仰向けに押し倒された。
「あれはドラゴベビー。ドラゴンの偽物にゃ。あれで大人にゃん。結構強いから、君にゃんて一口にゃよ」
ふわっふわの白銀の髪の毛、頭に生えてる獣の耳。
獣人だ! それもねこ耳キター!!
「それと一匹見たら十匹はいると考えたほうがいいにゃ」
どっかの黒い虫か! 思わず突っ込みそうになった。そういえばこちらの世界ではあの黒いヤツは見てないな。見たくもないけど!
すっごいおっきなおっぱいが僕の胸にむにぃと押し付けられている。これは喜んでいい状況ですよね!? 古澤勇さん!?
しかし残念なのは僕はフルプレートを着てるため、感触が全く味わえないことだ。ちくしょー!
その時いつの間にか飛んできたのか、プテラノドンに似た翼竜が岩で日向ぼっこしていたそのドラゴベビーに襲い掛かった。
僕は首だけそちらに向け、それを見た。
寝てたと思われたそのドラゴベビーが、ぱっと翼竜のくちばしを避けると、逆に襲い掛かった。
と、その瞬間!岩陰から別のドラゴベビーが次々とあらわれ、翼竜に群がり始めた。
そのまま食いつき引きちぎる。翼竜は暴れるも、数の暴力には勝てない。
だんだん動きが鈍くなり、しまいには動かなくなった。
「わかったかにゃ? 」
怖ええ。竜の大地半端ねえ。
止めてくれなきゃああなったのは自分だと思うと、恐怖が襲い掛かってくる。
だから意識を他に移すことにした。
そう、おっぱいに!
この子はおっぱいを隠す気はないらしい。エンシェントドラゴンさんありがとう!
一回見たら目が離せない! やばい!
「何見てるんにゃ? なんか付いてるかにゃ? 」
どうやら見てても怒られないらしい。なんてすばらしき世界。
「ん??? 君、どこかで見たことあるようにゃ? でも人間なんてここにきて初めて見たにゃ。あれ? おかしいにゃ」
何かを考えてる…? いや、思い出そうとしている?
そして、はっとした顔をした。
「ゆー…? 」
それが僕のことだと理解するまでのわずかな時間。
僕の目が見開かれる。
「まさか……そんな……ミオ…? 」