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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第八章
138/379

聖王国シーサ魔法学園 14

遅くなりました。本日二回目の更新になります。


 その後。


 ルナとアナと一緒にミモザを城に届け、王様とすぐに戻ると約束し、その足で学園に戻り校長室へと向かう。


 校長室には先客がいた。


 魔法の実技の教師、アムルゼン校長の孫だというフレイヤという名前の女教師だ。


 黒髪のポニーテールに眼鏡をかけている。


 いかにも勉強にうるさそうな女教師という風だ。


 僕は校長に単刀直入に聞く。


「あいつはいったい何者なのですか。魔物のように見えましたが」


 校長は口を開く。


「さて、何から話したほうがいいかどうか。まずはあいつは魔物ではない。デーモン種じゃ」


 僕は眉をひそめる。


「どういうことですか? デーモンと言えば神々との大戦で天使達に滅ぼされたと伝えられてますが」


「うむ。そのデーモンなのだが。神話の時代、逃げ延びたデーモンたちは、迷宮を作りそこの奥に居を構え、魂の傷を癒すため眠りについたという」


「それが復活したと?」


 校長は頷く。


「それでなぜここに現れたのですか? その迷宮が近くにあるのですか?」


 校長は渋い顔だ。


「ここがその迷宮の場所なのじゃよ」


 僕の思考が一瞬停止した。え? どういうこと?


 校長は続ける。


「シザリス神が迷宮に逃げ込んだデーモン達を、二度とこの世にあらわれないように入口を封印し、その上に教会を建てた」


 僕は頷き先を促す。


「その教会が学園にある大聖堂なのじゃよ」


 なるほど。話が読めてきた。


「分かりました。続きは王様の所で聞きます。ご同行いただけますか」


「ことはこの王国全体に影響するからの。いそぐとしよう」


 フレイアが口を開く。


「では学園の事は私にお任せを。万事滞りなく致しましょう」


「うむ。たのんだぞ」



 

***




 シーサ城会議室


 僕らが城へ着くとすぐに連れてこられた。 


「まってたぞ、オルター、アムルゼンよ」


 円卓の正面が国王シメオン三世だ。


 右に神官長、左に宮廷魔術師の老人。


 後は皆武人のようだ。


 様々な金属鎧を身につけている。


「まずは確認だ。学園の試合場にグレーターデーモンが現れたという。これは見間違いではないか?」


 アムルゼンが答える。


「間違いない。見た目もそうじゃが、儂のバーニングエクスプロージョンを喰らっても大してきいておらんかった」


「お主自らが相対したという事か。これは間違いないのう」


「で、どうじゃ。一般的な兵士で倒せると思うか?」


 アムルゼンは答える。


「五人で周りを囲んで攻撃する。……。むりじゃな。勝てる絵が浮かんでこんわい」


 フルプレートをガチガチに着込み、髭を生やした黒髪の壮年の男が口を開ける。おそらく将軍だろう。


「精鋭ならどうだ。儂の部隊ならば」


 アムルゼンは髭を撫ぜながらこたえる


「そうじゃのう。戦士四人に魔法使いの援護があれば戦えるかもしれぬ。戦士四人だけで戦った場合は足止めがやっとじゃろう」


 そこへ部屋に突然、兵士が駆け込んできて、膝をつく。


 何ごとだ、と皆立ち上がる。


 その兵士は一息吸うといっきに言った。 


「急用故礼を欠くことをお許しください! レッドドラゴンが空から攻めてきました!」



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