表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第八章
132/379

聖王国シーサ魔法学園 8

今日はもう一度更新します。

一回目の更新となります。


 僕らは次の日、午前中の授業が終わってすぐに試合場へとやって来た。


 そして試合場にいるフェニックスのメンバーたちに声を掛けまくった。


 と言っても声を掛けるのは僕かマーガレットだ。


 リリアンは僕のブレザーの裾をつまんでついて来るだけだ。


 リリアンは背丈が低く、僕の胸あたりまでしかない。一見妹みたいだけど、これでも一年上級生なんだよなぁ。


 普段の行動とは違い、魔法使いとしてはかなり成績優秀らしい。これは試合するのが楽しみだ。


 僕は次々と声を掛け、勧誘していく。しかしなかなかいい返事がこない。


「ごめんアリーナ達に敵対してまでチームに加わる気はないから」


 と、ほぼ同じ回答が来る。


 明らかにアリーアを怖がっている。


 そのアリーアだけど、少し離れた位置から腕を組んでこちらを睨んでいる。


 暇なのか。

 

 すごく勧誘もやりにくい。


 僕らが今日はもうやめようか、と思った時に、入り口に人だかりが出来ていた。


 なんだろうと見てみる。


 あ、ミモザがいる。


 僕はさっそく声を掛けようと近づこうとしたらアリーアが、


「あなたなんかがミモザ様に声を掛けようなんて百年早いわ。身の程を知りなさい」


 と言うと、僕がミモザの所に行こうとしたのを遮ってミモザへと向かう。


「ご機嫌麗しゅ……」


 アリーアが声を掛けたところ、しかし僕に気が付いたミモザがアリーアを無視して駆け寄ってきた。


「お久しぶりです、オ……ユウ様」


 ミモザははにかんで微笑んだ。


 もうそれだけで、抱きしめて持って帰りたくなる衝動を必死にこらえる。


 ミモザも魔法学園の制服を着ていた。どんな服でもやっぱりミモザはかわいい。


「ミモザも元気そうで何より。学園の制服も似合ってるね」


 周りのみんなが一瞬息をのむ。


 あ、そうか。様とかつけたほうが良かったか。


 やばかったかな? まあいっか。下手に様をつけたらまた怒りそうだし。


 ミモザの護衛かな、後ろに二人控えている人たちも無反応だしね。


「ありがとうございます。ユウ様とおそろいですよ」


 それがうれしいのかミモザはにこにこしている。


「それにしてもミモザがここに来るなんて珍しいよね?」 


「ええ。お仕事も一段落ついたので、今後は比較的自由に動けるようになりました。それでですね」


「うん。どうしたの?」


「今ユウ様はチームメンバーを探してるんですよね?」  


「そう、なかなか見つからないんだ。ミモザの知り合いで誰かいないかな」



 ミモザは力強く言った。



「いますよ! 目の前に!」



 ぼくは目を見開いた。


 

 ミモザはそんな僕の耳元に口を近づけると小声で言った。



「あなたのそばにいる僧侶はいつだって私なんです。他の人と組んだら駄目ですよ?」

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ