聖王国シーサ魔法学園 8
今日はもう一度更新します。
一回目の更新となります。
僕らは次の日、午前中の授業が終わってすぐに試合場へとやって来た。
そして試合場にいるフェニックスのメンバーたちに声を掛けまくった。
と言っても声を掛けるのは僕かマーガレットだ。
リリアンは僕のブレザーの裾をつまんでついて来るだけだ。
リリアンは背丈が低く、僕の胸あたりまでしかない。一見妹みたいだけど、これでも一年上級生なんだよなぁ。
普段の行動とは違い、魔法使いとしてはかなり成績優秀らしい。これは試合するのが楽しみだ。
僕は次々と声を掛け、勧誘していく。しかしなかなかいい返事がこない。
「ごめんアリーナ達に敵対してまでチームに加わる気はないから」
と、ほぼ同じ回答が来る。
明らかにアリーアを怖がっている。
そのアリーアだけど、少し離れた位置から腕を組んでこちらを睨んでいる。
暇なのか。
すごく勧誘もやりにくい。
僕らが今日はもうやめようか、と思った時に、入り口に人だかりが出来ていた。
なんだろうと見てみる。
あ、ミモザがいる。
僕はさっそく声を掛けようと近づこうとしたらアリーアが、
「あなたなんかがミモザ様に声を掛けようなんて百年早いわ。身の程を知りなさい」
と言うと、僕がミモザの所に行こうとしたのを遮ってミモザへと向かう。
「ご機嫌麗しゅ……」
アリーアが声を掛けたところ、しかし僕に気が付いたミモザがアリーアを無視して駆け寄ってきた。
「お久しぶりです、オ……ユウ様」
ミモザははにかんで微笑んだ。
もうそれだけで、抱きしめて持って帰りたくなる衝動を必死にこらえる。
ミモザも魔法学園の制服を着ていた。どんな服でもやっぱりミモザはかわいい。
「ミモザも元気そうで何より。学園の制服も似合ってるね」
周りのみんなが一瞬息をのむ。
あ、そうか。様とかつけたほうが良かったか。
やばかったかな? まあいっか。下手に様をつけたらまた怒りそうだし。
ミモザの護衛かな、後ろに二人控えている人たちも無反応だしね。
「ありがとうございます。ユウ様とおそろいですよ」
それがうれしいのかミモザはにこにこしている。
「それにしてもミモザがここに来るなんて珍しいよね?」
「ええ。お仕事も一段落ついたので、今後は比較的自由に動けるようになりました。それでですね」
「うん。どうしたの?」
「今ユウ様はチームメンバーを探してるんですよね?」
「そう、なかなか見つからないんだ。ミモザの知り合いで誰かいないかな」
ミモザは力強く言った。
「いますよ! 目の前に!」
ぼくは目を見開いた。
ミモザはそんな僕の耳元に口を近づけると小声で言った。
「あなたのそばにいる僧侶はいつだって私なんです。他の人と組んだら駄目ですよ?」