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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第七章
123/379

新たなる魔王 2

本日二回目の更新になります。短くてごめんなさい。


 アンフィはリヨンを追ったのだが結局リヨンを見つけることはできなかった。


 ただ、アンフィの持つクリスタルが光を放つのをやめたことで、闇の種子が近くから消えたことだけがわかった。


 アンフィが一回オルター達と合流しようかと思い始めた時だった。


 それは見つかった。


 ゴートの死体だ。


 まだ新しく、獣が荒らした形跡はない。

 

 何気なく剣でひっくり返してみる。


 額にあるはずのないものがあった。


 ゴートの死体の額に黒い角が生えていた。


 アンフィが眉をひそめて、


「このゴートは闇の種子に侵されていたのでは」


 剣で角をつつきながら言った。


 マナが答える。


「そうかもしれません。……そしてリヨンが走っていった後を追いかけてこれを見つけたということは」


「リヨンが種子を抜き取ったか、それにしては一撃で殺されてるのがおかしいですね……とりあえずみんなを呼びましょうか。結論を先に出すには早すぎます」


 アンフィが頷く。


 マナが上へ向けてファイヤーボールを唱える。


 ファイヤーボールは空高く上がると轟音を立てて爆発した。


 それからしばらくしてオルター達がやって来た。




 ***




「姉さま、闇の種子は見つかりました?」


 僕がはぁはぁと息を切らしながら聞くと、アンフィは黙ってゴートを指さす。


 そして自分たちが来た時のことを話した。


「リヨンがこれをやったのは間違いないですよね」


 僕がゴートを調べながら言う。


「衝撃波が胸元を貫いてます」


 しかしそうするとなぜリヨンがいないのかが気になる。


 それにはアンリが答えた。


「やったのはリヨンでまず間違いないと思います。そして思い出してください、古竜に言われたことを」


 僕はウリシュナの所から帰ってきた時に、闇の種子の事については、みんなにすべて話してある。


 僕はぼそりと言った。


「闇の種子は、悪意ある人間、獣、魔物、魔族の内に入り込みそいつを魔王へと変える」 


 まさか。


 そしてティーリンが言う。


「一緒に行動してると忘れてしまうけど、リヨンは魔物。闇の種子を取り込んでしまったのかもしれない」


 なんてことだ……。


「それだからリヨンは逃げてしまった? もしくは闇の種子に操られてしまったのか」


 僕は唸った。


「ミオ、ティーリン、リヨンがどっちに行ったか分かるか?」


 ミオが答える。


「こっちだにゃ。ここからまっすぐ進んでるにゃ」


「よし。僕がドラゴンになるからここから一直線に飛んでみよう。今ならまだ追い付くかもしれない」


 僕は呪文を唱える。



――――竜魔法・変化“レッドドラゴン”



 そしてみんなを背に乗せると空へと飛びあがった。


 しかしいくら探してもリヨンはみつからず、クリスタルが光ることもなかった。



 僕らはリヨンを見失った。

 


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