vsスカイドラゴン 3
僕は人間に戻ると、回復魔法をスカイドラゴンに掛ける。
このまま死んでしまうと神級魔法もらえないしね……。
しばらく回復魔法を掛け続ける。
やがてスカイドラゴンは頭をもたげた。
「どうなったんだ……」
スカイドラゴンは頭を振りながら身を起こした。
「僕の攻撃で地面に落とされて気絶したんだよ」
「そうか……オレは負けたのか」
スカイドラゴンは首を垂れる。
「乗れ。オルターと言ったか……。とりあえず戻ろうか」
僕がスカイドラゴンに乗ると、塔の上まで飛び上がる。
皆の前で僕はスカイドラゴンの背から降りる。
「「「オルター!」」」
みんなが駆け寄ってくる。
「やったにゃー!」
ミオに抱きしめられた。
背中をバンバンと叩かれる。そしてみんなにもみくちゃにされた。
「助太刀しようと思ったのに、本当に一人で勝っちゃうなんてね」
姉さまは背中を叩く。
そこでおずおずとスカイドラゴンが声を掛けてきた。
「ごほん。 あー。オルター?」
あ、スカイドラゴンの事すっかり忘れてた。
「あ、スカちゃん、神級魔法ですよね!」
僕は気さくに呼んでみた。
「ス、スカちゃん!?」
スカイドラゴンは僕がつけた呼び名は気に入らないらしい。
「そ、そうだ。全員に授けるから、一人ずつオレの前に来るように」
僕が一歩前に出る。
「オレの魔法は魂をあやつる禁断の秘術。本体から魂を抜くという魔法だ。抜いた魂はしばらくすると勝手に元に戻る。対象の指定もできる。何者かに憑依されてる場合、その憑依した相手だけを引き離すことが出来る」
ああなるほど。この呪文で闇の種子だけ抜けばいいんだな。
「呪文の名は“ソウルアタック”相手に触れる必要があるから気をつけろ」
全員に覚えてもらう。あと念のためこれも聞いておこう。
「技は何かもらえますか?」
スカイドラゴンは首を横に振り答える。
「技は持っていない。残念だが」
そうか、ほんとに残念。
ちょうど全員もらい終わったようだ。
「よし。では帰ろう!」
スカイドラゴンが、
「それならば送ってやろう。聖王国シーサでいいのか?」
スカイドラゴンは首を下げ、僕らが乗りやすい格好をする。
おおー。なんかいいヤツになってるぞ。
「うん。じゃ聖王国シーサまでお願いします!」
全員が背中に乗ったのを確認すると、スカイドラゴンは飛び上がった。
感想頂けるとモチベーションが上がりますので良ければお願いします。