vsスカイドラゴン
本日一話目の更新です。
終わらなかったので続きは24時前までにもう一度更新します。
「大丈夫ですか?」
アンリが駆け寄って一無斎に駆け寄り、回復魔法を掛ける。
超級の回復魔法で一無斎の左手は見る見るうちに再生していく。
「そなた、その歳でかなりの使い手だな」
一無斎は呆然と言った。
アンリはにっこりと笑うと、ありがとうございます、と返事をした。
「これで僕らは上へ行ってもいいんですね」
「ああ。だが奴は強いぞ。儂ですら歯が立たなかったからな。負けたら守護者の役割を負わされる。儂の後釜だな」
そうか。一無斎はスカイドラゴンに挑んで負けたのか。
「僕らは負けません。では行ってきます」
「ああ」
僕らは五階を後にして階段を上る。
そして最後の扉を開ける。
屋上に着いた。どうやらここが塔の最上階らしい。
風が強い。
そこに突然影が差すと、目の前に巨大なものが降り立った。
水色のドラゴン、スカイドラゴンだ!
大きさはウリシュナより若干大きいか。
通常の竜種とは違い、体にごつごつとした所がなく、スマートなその体は日の光を受け水色に輝く。
「人間よ。そなたも我が財宝を望むのか」
「そうだ! あなたの持つ光魔法が欲しい!」
「ほう。金銀財宝ではないのだな」
「ああ! 他はいらない!」
「いいだろう。では本気で行くとしようか」
スカイドラゴンの体色が濃くなっていく。水色から青。そして紺碧に。
よし。今度は僕の番だな。
「こいつは僕がやる。みんなは下がっていてくれ」
姉さまが、
「こいつを一人で!? まあオルターが言うならやってみなさい。危なくなったら加勢するわ」
マナが言う。
「信じてます。でも私も危なくなったらエターナルフレアしますから!」
僕は頷く。
皆は下がり、僕はただ一人スカイドラゴンの前に立つ。
「ほう。最強の竜スカイドラゴンの前に一人で立つか」
スカイドラゴンはギロリと僕を睨む。
「勇気と無謀は違うぞ、まだ幼い人種よ」
「ああ。僕はお前を甘く見ているわけではない。その最強の力、思う存分味わわせてくれ!」
僕は言い放つと呪文を唱える。
――――神級光魔法“武装天使鎧”
「光魔法だと! なるほど。言うだけのことはあるようだな」
「では本気で行こう。簡単に死んでくれるなよ!」
「お前もな、スカイドラゴンよ!」
僕は武器を構える。右手に虹色のハンマー、左手に古竜の牙だ。それに闘気を纏わせ両手に闘気剣を形作る。
「ほう、面白い。いいぞ、人間! 掛かって来るがいい!」
「オルターだ、スカイドラゴン!」
「我に勝つことが出来たらその名で呼ぶとしよう」
そう言うとスカイドラゴンは上を向き息を吸い込む。口の端からちろちろと炎が漏れ出している。
ブレスだ!
僕には火属性耐性があるからブレスは怖くない。
全身に力をこめる。
スカイドラゴンのブレスと同時に僕は技を繰り出す!
“ドラゴンブレス”
“真竜攻撃”
白い弾丸と化した僕は、炎を切り裂きスカイドラゴンの顔に迫る。
スカイドラゴンは慌てて顔を背け僕の一撃を避けるが、完全に避けることはできず、鼻から目の下まで一直線に切り裂かれ赤い血の花火を散らす。
間髪入れず、
“真竜・彗星斬り”
“真竜・彗星斬り”
“真竜・彗星斬り”
飛びながら“真竜”の効果を付けた飛ぶ斬撃“彗星斬り”を連続で放つ!
一発は足をえぐり、二発は胴体に当たり胴体から血が吹き出し、スカイドラゴンは、苦痛の声を上げる。
「“真竜”のパワーワードだと……お前は一体何者だっ。いや……光魔法と言うことはお前が今代の勇者か!」
「僕は勇者ではない!」
「なんだと」
「勇者の弟、それが僕だ!」
言いながらも僕は、
“真竜・彗星斬り”
斬撃を放つ。
「弟だとっ、どういうことだっ。なぜこんなにも重い斬撃を連発できるのだ!」
たまらず空中に飛び上がり斬撃をかわす。
「まあ良い。空中戦なら我が領域。手加減無しでやらしてもらうぞ!」